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No.14610384
ヴェルディア
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age:22
sex:female
height:170cm
weight:64kg
Favorite:享楽
Hate:退屈

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「好きに生きたらいいと思うの。私はそうするもの」
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iconCuraanaNow

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「ふふ、本当? 嬉しいわ~
 また会いたい、だなんて滅多に言われないのよ、私。
 二度と会いたくないとかならよく言われるのにね」

寂しいわ、と、肩を竦めて。
この女の本質を知るものであれば二度とどころか一度も邂逅したくないだろうが。
少なくとも、見境なく人を追い剥ごうとするエンドボードの強盗たちが避ける様子を見ればなんとなく察しはつきそうなもので。
そんなだから、縁があればまた、というその言葉には本当に嬉しそうに微笑んでいた。

「なんだかお名前もちょっと似ているしね?
 貴方がエンドボードをこれからもうろつくなら、またお話しする機会もあると思うわぁ。

 あは、お水、ありがとう。それじゃあね~」

貰ったボトルのキャップ部分を片手で抓んでふりふりと軽く振れば、今度こそ黒百合はエンドの闇の中に消えていっただろう。

またいずれ、黒い鎧のお兄さん。
今度も楽しいお話ができるといいな。

in:エンドボード


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「私からはそう見えたってだけの話よ~。
 貴方がそう言うんならそうなんでしょうけどぉ。
 いい出会いって言うのは、人を変えるものだわ。自覚があろうとなかろうとねぇ」

否定の言葉にはからからと笑って。それから続いた恋人のお話を聞いたならば、茶化したりもせずにそんな言葉を贈った。
偽善であろうと、そうしようと思って動いたならばそれで十分。
少なくとも、彼は自分のような存在よりかは血の通った人物に見えるだろうさ。
結局のところ、人間の行動理念などすべてが自己満足に根差しているのだ。

それから立ち去ろうとした間際に投げ渡された水入りのボトルを振り返りながら片手で受け止めて。

「ヴェルディアよぉ、お兄さん。
 あぁ、顔が見えないからお兄さんって呼んじゃうけれど、大丈夫?」

歳なんかは、その鉄兜の上からは伺えないものだから。
名乗った黒百合はニコニコと微笑んで。

in:エンドボード


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「んふ、そう。貴方、冷たそうに見えるけれど、温かそうね?」

終始微笑を浮かべたまま、女は否定も肯定もせずにその言葉を吐いた。
人は見かけによらないというし。まぁ、この女は見かけ通りなのだけれど。

【やりたいことをやりたいようにやる】、という点では、この女も同じなのだ。
だから他人がやりたいことにケチは付けないさ。

──掃き溜めは掃き溜めだ。それ以上でも、以下でもない。
上から落ちてきたものが降り積もった、死と、灰と、汚泥に塗れたこの終端の世界では、掬い上げた先から見過ごされる悲劇が溢れだす。
両の手に余るそれに、彼がこれからも向かう事があるのだというのならば、見物する楽しみが一つ増えたかな、くらいのもので。

「子供の面倒なんて私は見れないからぁ、貴方たちみたいな人に拾ってもらえるなら幸せかもねぇ。少なくとも、ここよりひどい所なんてそうそうないから。

 ふふ、お話してたら喉渇いちゃった。それじゃ私、いくわぁ。
 枕も探したいし…… この辺、物騒だから気を付けてねぇ?」

そうしたら、ひらひらと手を振って。
呼び止められなければ、明滅する街灯の下を歩いて。薄闇へと消えていくだろう

in:エンドボード


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「治安? あは、そう、そうね。
 いい事だと思うわ。キリがないんじゃない?って所に目を瞑れば」

まぁ、それは承知の上なんでしょうけどね?と、暗い瞳を悪戯っぽく細めて見せて。
その志は賞賛されてもいいものだとは思っている。けれど、この地はアンダーやブラックのように光が辛うじて届くような場所ではない。
それが善意であれ、そうでないのであれ、いずれにしても徒労のような気もするけれど。そんな感想を口にして、女は糸鋸を掌の上でぽん、ぽんと軽く叩く。

「物好きさんね、貴方。お人好しという訳ではないのかもしれないけれど?
 ふふふ、それとも、子供が好き?
 この間も小さい子を拾っていたかしら」

そう言えばと、以前にのんびり過ごしていた時にそんな光景を目にした気がしたと思い返して。

in:エンドボード


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奔放な子供の、小動物めいた警戒の足音が遠くなる。
エンドボードの朽ち果てた石畳を鳴らす音が、ひとつ、またひとつ少なくなって。
残ったのは鼻歌を歌う女の機嫌の良さそうな靴音と、この場には珍しい、黒い鎧が一つきり。

そうだな。たまたま、目が合ったのかもしれない。

「あらぁ? 貴方は追いかけないの?」

一人その場に残った夜色の鎧に、女は糸鋸をくるくると片手で弄びながら声を掛けて。ニコニコと、愛想よく。

「それともこんな場所になにか用事でもあるのかしら~
 上から来た人が拾うものなんて、ここにはそう無いと思うけれどぉ」

何の気なしにそんな事を聞いて。
薄闇の中で笑う黒百合。物陰から路地を盗み見ていた乞食や強盗たちは、その女が誰かと話そうとしているのを見て物陰に姿を消していく。
その様子を見て、女は「ほらねぇ?」だなんて、つまらなそうに眉を下げた。

in:エンドボード


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買ったばかりの糸鋸を片手に、上層から戻ってきた女は鼻歌交じりにエンドの路地に足音を鳴らす。
ブーツがかつりかつりと小気味よい音を立てる度に、女の気配に気付いた住民たちがそそくさとその路地から離れていく。
誰しも、狂った女のお眼鏡に適いたくはないわけで。自分から進んで血だるまになりたがる人間もいないだろうな。

「あら、子供は元気ねぇ」

路地を駆けていく悪童の背中を、その笑い声を聞きながら微笑まし気に見送って。
子供は元気なのが一番だ。どこでだって、元気さえあればなんでもできるというものだし。
帰ってきて早々気分がいいものを見た、と。黒百合は笑顔を湛えて路地を行く。
その頭の中では新しい糸鋸を試す相手はどうしようかと、考えながら。

in:エンドボード


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「こんにちわぁ」

ある日の市場。
普段、こんな上の階層に滅多に顔を出さない女の顔を見て、雑貨屋の店主は営業用の表情を引きつらせた。
まぁ、この反応も当然だろうな。なにせ今目の前に居るのは最下層を根城にしている物騒な噂の絶えない人物なのだから。

そんな小さな悲鳴すら聞こえてきそうな様子に、当の黒百合はニコニコと笑顔のまま店先に佇んでいる。

「糸鋸とか、ある? この間、使ったらダメにしちゃったのよぉ。
 もう古くなってたし、仕方ないんだけどね?」

道具と玩具の点検は欠かしていないけれど、壊れる時は壊れてしまうもの。
もっと丈夫なのが欲しいわねぇ、なんて。なんとも無邪気な笑顔を浮かべて女が言うものだから。
店主は強張った表情のまま、真新しい糸鋸を差し出した。

「んふ、ありがとう。お代、これで足りる?」

女に提示された対価をろくに確認もせずに受け取って、大丈夫です、としどろもどろになりながら店主は答えた。

そんな店主の心境なんてまったく気にしない黒百合は、「ありがとう」と礼儀正しくお礼を言って。上機嫌でまた、穴底へと戻っていくのだろうな。

in:マーケット


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聖夜も越えて、年の瀬が迫って。
上の階層は浮かれた気分の場所もあるのだろうけれど、きっとこの掃き溜めはいつも通り変わらないはずだ。
降り積もるのは神秘的な雪でもなく、色とりどりのイルミネーションの輝きでもなく、ただ塵と錆、そして腐敗したあれそればかりであろう。

まぁ、でも。そんな場所だからこそ、この年の瀬をのんびりと有意義に過ごせる者もいるというもので。
腐り、崩れ落ちたかつての酒場に遺された煤と灰まみれのテーブルに着いて、黒百合は独り、機嫌良さげにグラスに注いだ酒を呷っていた。

「ん~、たまにはこうやって暖まるのも悪くはないわねぇ」

飲んでいるのは上等なワイン。その赤い液体は女の好みの色ではあるが、それによって齎される熱はそこまで強くはない。
けれどもささやかな酔いに身を任せるのも、こんな日くらいはいいものだ。

実に無防備なその様子は外からよくよく見えただろうが、この女をよく知る終端の住民たちは、ただ物欲しげにその様子を陰から盗み見るだけであった。

女の夜は、更けていく。
物静かな薄闇の中に、黒百合の甘い吐息と鼻歌だけが、響いていた。

in:エンドボード


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終端の地。あらゆる命が軽視されるこの階層は、いつだって様々な賑わいで彩られている。それはある者の呻きだったり、叫びだったり、はたまた楽しそうな笑い声だったり様々ではあるが、いずれにしても。
血と腐敗、錆と埃に塗れた無法の地で堂々と靴音を鳴らすのは決まって【危険なモノ】だろうな。

鼻歌交じりに、一人の女が通りを歩いている。
その左手でずるずると大の男の襟首をつかんで引きずりながら、空いた右手はゆらゆらと薄闇の中で揺らめいて。
女が身に纏う黒衣は夥しい量の赤色で濡れていた。はたはたと、くたびれた石畳の上に足跡のようにそれが滴り落ちていく。

引きずられている男は意識があるようで、口元と四肢と口元をテープで戒められて芋虫のような様子で拘束を脱しようともがいている。
だが、悲しいかな。嗤う黒百合に見初められた時点で彼の命運は尽きている。

程なくして、路地裏に引きずり込まれた男の悲鳴が響き渡った。
一度、二度、三度と断続的にその声は大きくなって──

──それっきり何も聞こえなくなった。

in:エンドボード


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「この辺りも随分と静かになったわねぇ」

のんびりと都市区画の方から歩いてきた女は、クラアナ付近の探索者たちを一瞥して呟いた。
以前ほどの賑わいが無くなったのは、探索者が減ったのか、はてさて。

まぁ、それはそれだ。
以前から見る顔は相変わらずのようだし、もしかしたらたまたま人が少ないタイミングだったのかもしれないし。
どちらにしても、すぐに興味は逸れて。たまにしか穴に潜らない黒い女は、鼻歌交じりにリフトで深淵へと下降していった。

in:クラアナ付近


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「事前に計画とかするタイプじゃないのよねぇ。全部思い付きで、その時その時で何が起こるかを楽しみにしているから。結果が分からない方が面白いもの、ねぇ」

プレゼントだって、何が入っているのか、開けたら何が起こるのかが分からないから楽しいものでしょう? だなんてくすくすと笑いながら、女はふあ、と欠伸を一つ。

話していて眠気も少しづつ覚めてきてはいたが、まだまだ眠い。
首を軽く回しながら、黒い貴方の言葉に頷いて。

「んふふ、何でもかんでも飲み込んで混沌としている屑の底。これからもここで楽しみを探していくわ。

ん、そうねぇ、そろそろ本当に渇いてきちゃったぁ。じゃ、上に飲み物でも探しに行くわぁ。お話してくれてありがとうね、名無しさん。またどこかで会ったら、気が向いたらお話しましょ~」

にこにこと微笑みながら手を振って。そうしたら、女はベンチから腰を上げて鼻歌交じりに上層へと歩いていくだろう。
寂しげな公園。貴方も去るなら、後に残るのは物言わぬ冷たい死体だけ──

in:エンドボード


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「ん~、その時々によるわぁ。ただバラしてみたい気分だったり、工作がしたい気分だったりぃ… 思いついたことはなんでもやるの」

殺すか、殺さないか。斬るか、潰すか。
悲鳴を上げさせるか、声が出せぬように嬲るか。
女にとっての遊びとは、他者を玩具に見立てた【行為】だった。
故に、決められた形はなく。衝動のままに、その時に思いついた方法を試すのだと。

それがこの狂人の最も恐れられている面であっただろう。
何を考えているかわからないし、その考えを理解もできない。
それがエンドボードに咲く、【血塗れの黒百合】だった。

「季節も、天気も、この掃き溜めには寄り付かないものね。だって変化なんてすぐに飲み込まれてしまうもの。結局のところ、ここはどんな時だっていつも通りだわ。

けれどたまにこうやっていつもとは違うお喋りもできるから、えぇ。好きよ、エンドボード」

in:エンドボード


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「あはは! そう? あぁ、また新しい呼ばれ方が増えちゃうわね。【黒い女】、【解体屋】、それに加えて今日からは【食人鬼】かしらぁ」

実際、人など食べていないし食べるつもりもないのだが。日ごろから人間を解体していることは知れ渡っているだろうから。今こうしてこんな印象を持たれているように、上の方では【血まみれの食人鬼】なんて揶揄されていてもおかしくはないかもしれない。

女は機嫌を損ねるでもなく、ただ楽しそうに笑っていた。

「ん~、遊ぶときは肘、関節からね。根本からいくとすぐに失血死するから、それは眠るときだけ。人の体ってちょっと切ったくらいじゃ死なないようにできているけれど、失血はあっという間だから」

遊ぶにしても、枕にするにしても、丁寧に扱わなければならない。枕の出来は睡眠の質に関わる重大な要素である。


「…雨、雨ねぇ」

終端の空を見上げる。そこには空も星もなく、ただ上層を支える円形の鉄のプレートが主柱に沿って重ねられているだけ。
このエデンで空が拝めるのは、おそらくはエデンボードなんかの上層の住人だけであろうな。

「もしここに雨が降るとしたら、それはもっと生臭いものね」

in:エンドボード


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「私って、食人しそうに見えるかしらぁ? んふふ、バラしはするけど食べたりしないわ。それに食べるくらいだったら愉しむのに使った方がいいもの」

食べ物なんかには今のところ困っていないし。
女はけらけらと笑いながら足を組みなおす。

「脚と腕、無い方が抱きやすいでしょ? 今日は眠かったから省略したけどぉ」

男の遺体は肩口から胸部、腹にかけて袈裟掛けに一撃。どん、と重いもので叩き切られたそれが、かなりの加重であったことは容易に見て取れるだろうな。
まぁ、この世界ではそれだけの腕力を持つものはそう珍しくもない。義体を使うものも少なくない場所だ。

「あぁ、静かな場所… いいわよね。のんびりと眠れて。雑音が耳に入るとやっぱり寝づらいものだから。

上の層の宿とか宿舎だと、どうしても雑踏が煩くてよく眠れないの。クラアナの中も試してみたけど、静かな場所に当たるかどうかは運次第だしぃ…

やっぱりエンドボードが一番快適だわ」

in:エンドボード


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「もうその子には学ぶ機会もないけどねぇ」

その機会を奪ったのは自分だけれど。運が良ければ、上層でまた複製してもらえるかもしれないが、それは今ここで死んだ【彼】ではあるまい。
まぁ、そんなことは自分には関係のないことだ。女は人差し指で唇を撫ぜながら、小さく息を吐いた。

さて、改めて傷の方を指されたならば。女は真っ暗な瞳をそちらにちら、と向けて。

「あぁ、それ? そうね、人体って解体するのに結構力がいるからぁ… そういう時に便利な得物なの、これ」

背負った長鞘に納められた長包丁をぽん、と叩いて。女の身の丈ほどもある大鉈は、確かに断ち切ることに関しては秀でていた。

「だって寝ている間に暴れられるのはイヤでしょう? まぁ、生きたまま体を重ねるのも嫌いじゃあないわ。けど寝る時くらいは静かに眠りたいものねぇ」

貴方はどうかしら? なんて相手の睡眠時の様子なんかを訪ねたりしながら、にこにこと女は微笑みを浮かべる。

in:エンドボード


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「血で汚れるのはいいの。だって暖かいんですもの。でもキカイのあれはダメだわ。臭いし、ちっとも暖かくない」

汚れも落ちにくい、という言葉にうん、うんと頷きながら。女は遊ぶ片手で自分の黒髪をくるくると人差し指に巻き付ける。

それから上層から来た哀れな【犠牲者】に対しては、さほどの感慨もなさそうにあぁ、と笑って。

「きっと少し背伸びがしたかったのでしょうね。歓楽街での火遊びに飽きて、もっと過激な遊びに手が出したくなった。

人間って、怖いものとか危ないものをなぜか見に行きたくなる生き物だから、きっとそんな感じだったんじゃないかしらぁ」

好奇心は猫をも殺すとはよく言ったものだが、彼も自分にそんな結末が降りかかるとは思わなかっただろうな。
強いて言えば、ただ運がなかったのだ。エンドボードに降り立って早々、この黒百合の興味を引いたのがまずかった。

この終端の地では、他人の死を悼むものはいない。死はただ打ち捨てられるか、死体回収を生業とするものに回収されてシザイに還元されるか否か、といったところで。

そんなことは素知らぬ風に、女は嗤う。

「大丈夫よ。私、殺してからじゃないと枕にしないの

in:エンドボード


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「キカイって好きな感じの熱じゃないのよねぇ。それに叩き壊してもこっちが油で汚れるだけだしぃ… あの、汚染探索者っていうの? あの子たちは結構いいんだけど」

だからクラアナに潜るのは必要な時だけだ。
あの深淵の中には自分の求めるものはなく、別にスリルを求めて潜るわけでもない。自分にとっての大抵の嗜好はこのエデン… とりわけエンドボードでほとんどが満たせるのだから。

「んふ… 私? 私は、【ヴェルディア】って名乗っているわ。えぇ、どうぞお好きに呼んでちょうだい?」

名を名乗り、優雅に腕を回して一礼の真似事などして見せる。
終始おどけた調子で話す女は、問いかけに対して、打ち捨てられた抱き枕だったモノには一瞥もくれずに言葉を紡いだ。

「変わったことはしてないわよぉ? ただ目に入った、良さそうな【抱き枕】があったから。上から来た子だったのね。私のこと、知らなかったみたいで。えぇ、とっても暖かかったのよぉ?」

黒百合の毒を知らぬ、上層からの来訪者。今や遺体となった男の顔には苦痛の表情が浮かんでおり、体に残った生々しい大きな切創が、この女の寝る前の行動の凄惨さを物語っていた。

in:エンドボード


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「ここより下? それはまた、騒がしいところで暮らしているのね。確かに穴の中も過ごしやすいかもしれないけれど、私は機械の音って苦手だわぁ」

まぁ、それは上層でも似たようなことが言えるのだが。正常なキカイだろうが暴走したキカイだろうが、喧しいことに変わりはない。
耳障りな駆動音を聞くくらいなら、銃声や人の叫びの木霊するこの階層が一番落ち着く。
ほとんどクラアナの中といっても過言ではないのがこの領域だ。ここより下と言えば、底まで続く深淵が広がるばかり。

「ふふふ、慣れたお散歩の最中だったかしら? みんな貴方みたいにのんびりお話ししてくれればいいのに。最近じゃあ絡まれることだってないの。みんな私のこと、怖がっちゃって」

ほら、あんな風に。そう言って首を傾けて、公園の入り口の方に視線を向ければ。様子を伺っていたらしい数人の男たちが血相を変えて逃げていく。
目が合うだけでこの扱いよ、だなんて女は嘯くけれど。まぁ、普段の行いが悪いことはぞんざいな抱き枕の扱いを見ても明らかであろうな。

「貴方はそうじゃなさそうだからうれしい。じゃ、名無しさんって呼ぶわね」

in:エンドボード


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【それ】がこちらに近づいてくるのを、女は変わらぬ微笑みを湛えたまま出迎えた。のんびりと血濡れのベンチに背を預けて、白い脚を組みながら、眼前の存在に目を向ける。

「えぇ、よく寝たわぁ。んふふ、そうね。ちょっと渇いているかも。後で上の方にでも行って飲み物の一つでも買ってこようかしら」

久しぶりにコーラなんか飲みたい気分ね、だなんていたずらっぽく笑いながら。炭酸飲料など喉の渇きを助長させるようなものであろうが。
今飲みたいと思ったから仕方ない。もうあのしゅわしゅわとした舌の感触を思い出して、小さく舌なめずりをした。

そうしたら、服にこびり付いた血の塊を軽く手で払ったりしながら。
目の前で怖じもせずに自分に話しかけてくるそれに、こちらからも好奇心に満ちた瞳を向けて、言葉を紡ぐ。

「…んふふ、残念。貴方には【熱】は無さそう」

そう言って肩を竦めて見せたら、そのままにっこりと笑って。

「あなたってこの辺りの子かしら? それとも私が見なかっただけかも? ふふ、なんにしても、おしゃべりなんて久しぶりだわぁ。お名前はなんていうの?」

in:エンドボード


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ゆったりとした微睡み。
およそエンドボードでは享受することは難しいそれを、公然と受け取って。

睡眠は女にとって楽しみの一つであった。
特にその日に見つけた感触のいい【抱き枕】と一緒とあれば、殊更眠りは心地いい。
それが妨げられることがなかったのは幸いであっただろうな。
好奇心による視線だとか、キィキィと鈍い音を鳴らすブランコやら地球儀やらの遊具の音では煩わしさも感じない。
そのまま赤く染まった黒百合は、エンドに流れる腐敗した風にそよぎながら静かに、静かに眠りを続けて。

それから少ししたならば。ぱちり、黒い瞳を開いた女はゆっくりと伸びをした。
よく眠れた。気持ちのいい夜だ。いや、まだ昼だっただろうか。
いずれにしても快適に目覚めた女は機嫌がいい。
すっかり【熱】を感じなくなってしまった抱き枕をぽい、と投げ捨てて。

こちらに視線を送ってきていた存在がまだ公園に残っていたならば、にこり、微笑んで片手を振ったりするだろうな。


in:エンドボード



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【ヴェルディア】


『その女、狂暴につき──』

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【コードネーム:Berserk】

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◆このキャラクターはRPの際、状況によって暴力的な行動を行うことがあります。
普通に接している限りはそういう行動には及びませんが、
流れが不穏になってきたり、その様に誘導された場合は暴れる可能性が高いので、
そういった表現が苦手な方はご注意ください。
こちらからいきなり吹っ掛けたりはしませんのでご安心を!

◆基本的にR-18やR-18Gなど、エログロのNGはありません。
性的描写や暴力描写は歓迎しております。
欠損や死亡に至る強めの加害表現も大丈夫です。
ご不安なことが有りましたら気軽にメッセージなどでご相談を!




享楽と共に生き、今という時間を生きる女。
黒尽くめの軽装で、いつもブレードを背負っている。

ヴェルディアは時空の歪より現れた異邦人である。
危険に慣れ、刺激を求めるこの女はエデンという檻にいち早く順応した。
あらゆる刺激を受け入れ、愉しみ、自身の欲望のままに振る舞うこの女は、
時として異常なまでの不安定さを見せる。

体温が低いために【熱】を好み、特に【人間の鮮血】による温もりを何よりも好む。
時として、血塗れで恍惚とした表情を浮かべて血液に浴する女の姿を目にすることがあるだろうな。

卓越した戦闘技術と危険を嗅ぎ分ける習性は、
この女が手荒な日々を日常としてきたことの現れであろう。

戦闘において極度の興奮状態に陥りやすく、ヴェルディア本人も自身のことを
【Berserk(バーサーカー)】と称する。

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交友:

【ベニータ】
エンドボードにて、自分と共通の趣味嗜好を持つ稀有な友人。
たまに顔を合わせる度に、楽しくお話ししたり、遊んだりする仲。

「えぇ? 可愛いわよ、彼女。ふふふ、気が合う友人がいるって、いいことよね?」