CuraanaNow
「なら、聞きに来ていい。
…………ジゼル」
目的の部屋の前まで着いたところで、ようやっと女が名乗る。
「次からは、1人でうろつかないように」
やる事は終えたとばかりに、あとは貴女が部屋へ入っていくのを見届けるだろう。
in:研究区画
「わかった、送る。
連絡先も構わない」
深部まで潜り込まれている訳でないのなら、本当に危険な相手かどうかは調べたられる。
女は端末を取り出すと貴女と連絡先を交換し、続けて反キについての話題に触れる。
「概要だけなら、長い話じゃない。
ある研究室を反キが襲撃して、研究室は全焼。死者も多数でている。
もっと詳しくなら、多分長い」
in:研究区画
「…そう」
聞かれないなら、特に話すこともない。
共に反キを探す友達というのが引っかかったが、研究区画に在籍する探索者も多く、そのどれかだろうとあたりをつける。
もっとも、自分の研究以外は詳しく知らない。
「生活が出来る程度には、揃ってる。…今日はもう遅い。アリッサ、部屋まで送る」
探索者ならば、明日も活動する予定があるだろう。
主要な場所だけを教えて、女が貴女を振り返る。
「部屋は?」
in:研究区画
『反キ』。その言葉に一瞬歩みを止めそうになるが、直ぐにまた歩き出す。
「アリッサ、覚えた。…ここへ来たのも、反キについてを調べに?
襲撃のことくらいしか、話せる人はいないと思う」
研究区画には、自分たちの研究一筋なものの方が多い。
立場的に委員会と繋がりがある研究室もあるだろうが、反キとの繋がりはほぼ無いと女は考えている。
「ここが、お手洗い。隣に給湯室。それと──」
貴女の様子を観察しながら、来客用区画の案内を続けた。
in:研究区画
「…なら、私が案内する。こっち」
言葉少なに、女が道を歩いていく。
研究区画へ害なす者ではないかを見極めるにも、1人で行動されては困る。
ただでさえ女は、先日の襲撃によって身内を殺されていた。
それ故に警戒心は人一倍だったかもしれない。
「…名前」
また少ない言葉のまま、貴女に名を訊ねた。
in:研究区画
「……どうして今更、異動だなんて」
金髪の女が、浮かない顔のまま区画内を歩いていた。思考に耽りそうになった所で、見慣れない少女の姿を見つけ、警戒心のままに声をかけた。
「そこの貴女、外部の人間?1人で彷徨くのは感心しない」
淡々とした口調。表情も乏しい女の目が、探るように貴女を見ている。
in:研究区画
手を離せば、パタタと羽ばたき、一度だけ子犬の肩に止まる。
もう大丈夫だろう、と確認すると、再び羽ばたき空へと飛び立った。
燃えおちたラボの傍で、子犬が来るのを待つのだろう。
in:研究区画
『ええ、ええ わかりました』
『そちらを いしゅくさせても いけませんしねえ』
『ラボの あとちで おまちしてますよ』
こんなナリだが、キカイの端末であり、背後にいるのはキカイそのもの。人間の職員の中には怖がるものもいるだろう。
人から接触される分には応対するが、自らはあまり触れないスタンス…らしい。
もぞ、と小鳥は手のひらから出ようとするが。子犬もまだ幼い。小鳥の意志を汲んで離すも良し、連れて行ってしまっても構わないだろう。
小さい上に脆いので、無理やり動くことは小鳥には難しい。
in:研究区画
手の中に収まる小鳥は、機械仕掛けのため柔らかさにはやや欠けるが。すっぽり包まれたままじっとしている。
『そんなに なくと キミの しょくいんが しんぱい しますよ』
『なきむし ですねえ』
今はもう、撫でる手もない。小鳥はただ、合成音声を流すしか出来なかった。
『キミの かいぬしが いいといえば』
『ワタシの ところに あそびに くると いいですよ』
キカイなりに、同じ研究区画内とは言え別のラボの実験体を巻き込む形になったのは思うところもあったのか。子犬のラボへ許可を取れば、会いに来て構わないらしい。
in:研究区画
チチチ、と囀った後、ややひび割れた合成音声が小鳥から流れる。
『おや、おや ワタシは これでも キカイ なのでね』
『うごきまわる しゅだんは なくなり ましたが』
『ニンゲン のように いえば』
『いきて いますよ』
気にかけていた少女──の複製体だが──が元気そうで、小鳥も喜ぶ仕草を見せた。
in:研究区画
<ピチチ……>
小さなさえずりと共に、見た目も小さな機械の小鳥が少女の肩に止まった。
その身は機械そのものでありながら、羽繕いをしたり、少女の髪をつついてみたり。動きは生きた小鳥のように錯覚させる。
<……チチチ…>
小鳥が羽繕いついでに嘴で摘んで見せたのは──焦げた跡のある白い布──
嗅覚が良いのであれば、その匂いに覚えがあるかもしれない。
in:研究区画
一夜明け、ようやく火災が収まったラボとその周辺の片付けと救護に職員が駆り出されている。
──反キの襲撃
──区画跡から汚染を確認。至急対応を
──生存者の治療を急げ
──反キの者を見たかもしれん。何としても生かせ
in:研究区画
崩れる、崩れる。
燃え広がった炎によって、無惨にもそのラボは崩壊する。
『Aーーーー Ahahahahaaaaaaaa』
取り残されたキカイが、炎と汚染の中笑い声にも似た音を発する。
それらも建物の崩壊によって掻き消され、やがては真っ赤な光と黒煙が立ち込めるのみとなった。、
in:研究区画
ごうごうと、ぼうぼうと。室内の可燃物に燃え移った炎があらゆる出入口を塞ぐ。
辛うじてダクトまでは火の手が回っていないが、それも時間の問題だろう。
ニンゲンが通れる程の隙間はもはや無く、全員が焼け死ぬのを待つばかりか。
あるいは単体であれば、己の力で逃げ遂せるものもいるだろう。
残るも逃げるも、選択の時間は残されてはいない。
in:研究区画
「…………××××?」
その最中に。オオカミと化した少女に抱かれた男が、僅かに意識を取り戻す。呟いた言葉は、周囲の轟音に掻き消されてしまったが。
「……そこに、い、るの、か……?」
身動きひとつ取れない男は、霞む片目を僅かに動かし。
何かを、視認したのか。口元に笑みを浮かべて。
「…た、だい、ま…………」
再び、意識を失った。
in:研究区画
『z zあnねんnnnnデstねェ』
『aaa nタのk boう は』
『みuチgaaa うba うヨウ d すy』
炎が当たりを包み込む。動くことの出来た研究員や職員は、這々の体で施設から逃げ出す。
それでも尚炎の勢いは衰えず。この場の全てを飲み込もうとする。
in:研究区画
『A』
『A Aaaaaa』
キカイの本体から、ビープ音が鳴り響く。
甲高く、低く。狂った音程が止まることなく、キカイはその手を持ち上げた。
『Aーーーーーーーーーーーーーー』
音声すら構築出来なくなったそれは、手のひらから高温の炎を吹き出させる。
元来備わっていた攻撃機構。制御されていたそれが暴走し、研究室のあちこちの壁を焦がしていった。
in:研究区画
『やめた方がいいですよお。聞こえているか知りませんがね』
誰に言うでもなく、キカイが話す。
『該当個体へは、ナノマシンへの防衛を強めましたからねえ。手を出せばタダでは済みません。あなた達からすれば、嫌なんでしょう?この個体を処分されるのは』
『まあ、壊したいのならどうぞ。それなりの対応をするだけですからねえ』
該当個体……イズミを人質とした、無情な発言だった。
in:研究区画
『……ああ、ああ。通信はなんとか届きましたか。外部への連絡は間に合わなかったのですが』
既に子犬とは呼べないオオカミを撫でる。やや鈍い動きは、キカイであるが故にこの事態へと対応しきれていない様子を物語っていた。
『ラボの守りを第一に。最悪調整個体は放棄します』
in:研究区画
子犬と職員が居る部屋の機器類が、突然ショートし始める。
《キミ……ち……にげ…………反キ…おうえ……を……》
通信用にと置かれていた子機も、その音声を最後にノイズのみが吐き出される。
このラボで、非常事態が起こっていることは明白だった。
in:研究区画
アンダーボードを中心に活動する探索者の男。
その出自は研究区画の実験体であり、異世界から流れ着いたオリジナルのイズミとされる死体から造られたクローンである。
彼の記憶は『オリジナルのイズミ』のものと、研究区画によって植え付けられた『エデンで生まれ育ったイズミ』の2つが混ざり合った状態であり、自身の成り立ちを知るまでは『妹との安全な生活のために探索者となった』と自覚していた。
現在は妹の存在もエデンでの記憶もまやかしであると理解しているため、人並みの幸せを掴むための方法を模索している。
その成り立ち故に、反キ組織とは協力関係を結んでいる。
研究区画に自ら赴いた後、反キと研究区画側との戦闘に巻き込まれて死亡。その後については不明である。
お相手あり。
大スカ以外のあらゆるR-18、R-18G対応。
蘇生確定ロールNG。他にロールに対して不安があればお気軽に相談どうぞ。
ログフリー。
基本立ち絵、アイコン:自作
他使用中の立ち絵、アイコン:ピクルー『いろんなタイプの男の子』様
稼働サブ
名前:ゲルダ(No.86522949に分離)
異世界出身の女の子。
身なりはいいが中流家庭の出身。しかし家庭環境は良いとはいえず、母の連れ込
んだ愛人に手を出された事で感性が狂ってしまっている。
周りの大人は利用するものと思っているフシがあり、また暴力的な事にも耐性がある。エデンでの生活は、彼女にとって暇つぶしでしかない。
大スカ以外のあらゆるR-18、R-18G対応。
暴力、陵辱allOK。