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No.17121440
ハサリュ
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age:22
sex:male
height:177cm
weight:70kg
Favorite:従弟と猫と兎
Hate:秘密

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"コレ"詰みじゃん?俺っちおつかれさま!
Items
武器1
アーミーナイフ
iconCuraanaNow

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ぱちん。ぱちん。
青年が座り込みながら、手持無沙汰とばかりに刃を出し入れしているだけの音が狭い路地裏の壁に反響している。

暫く前に探索中にうっかりキカイから逃げ損なって左足を負傷してしまい、身動きがとれそうにもない事態に陥っているようだ。
療養するには不適切な場所ではあるが、幸いにも重傷という程ではない。まだ足は生身のままだし憂いもない。
ただ、

「……はぁ、食材も調理方法もまだ見つかってないしぃ~」

ぷぅと頬を膨らませ、誰に言うでもなくぽつりと吐息と共に漏らす。
脳裏に過るのは無愛想な友達の顔。
最近見かけないし連絡もとれていないが、きっといつものように黙々と探索に勤しんでいるのだと思う。

きっとそうであるはずだと……

──パチンッ。

ひと際大きく響いて音は止んだ。

in:ブラックボード


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ふらふら。青年があてどもなく歩いて……

いや一応目的はあるにはあるのだけれど、"ソレ"に到達するためにはまず食料品店を探さねばならず。
かといって固形食が主流となっている世界では求めている食材が存在しているのかすら怪しく。あったとしても合成品だろうか。
それでも類似品であればなんとかなりそうではあるかもしれない。

など思考を巡らせながらマーケットを歩く。
こんな時間では露店など見当たらないだろうし、裏通りの店も開いてはなさそう。

「……急ぐことじゃないしまったりでいいかー」

in:マーケット


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とび出てくる様子のない事に、『やっぱりー?』なんて少し苦笑い。
けれど、よくよく辺りを見回してみれば物陰から覗いているウサギがいることに気づく。
視線を流してみるが、青年の記憶にある子ウサギとは大きさが違う。

「…………」

視線を戻し腕を組んで首を傾げてみる。ふむふむ。
普段なら逡巡していたかもしれないけれど、ある結論にすぐ辿り着く。

"ルヴちゃんの成長は早い"

驚異的な成長を目の当たりにしたのはすでに経験済みだから。
それにあのミミ。柔らかそうな髪にくりっとしながらも目力のある赤瞳。
顔の同じウサギたちだけど、案外よく知ればそれぞれに特徴はある。

意を決し、一歩。……二歩、三歩。もいっこ四歩目。
物陰にいるウサギの近くへと歩み寄ってみる。

「ルヴちゃん、待たせちゃってごめんね。怒ってる~?」

in:エンドボード


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青年の口調はどこか軽いけれど、それでも真摯な気持ちは伝わったようだ。
どうやらウサギの巣の中へ立ち入る許可は下りたようで、彼女の案内のままに後をついていく。
忠告には『わわっ』と不安の声をあげてはぐれてしまわないようにぴったりと駆け寄って。

思ったよりも入り組んでいたことに若干驚きはしたが憂惧はない。
メインの居住空間らしきところへ辿りつけば辺りには生命の気配を感じる。
その事に安堵する。ウサギたちが淘汰される心配はまだなさそうだと。

「ルヴちゃーん。俺っちきたよ~でておいでー」

置いていったつもりはないが、結果的にそうなってしまっているのも事実。
もしかしたら拗ねてしまって出てこないかも……とちょっぴり不安も感じ音量は抑え気味で呼びかけてみる。

in:エンドボード


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此処に訪れるのも久々だ。
あまり足を運びたくはない場所ではあるけれど、探し人の名前がもしあれば……と思うとしないわけにはいかないから。
目を細め怖いものをみるよう恐る恐るリストを辿っていき……

「あ」

探し人の名はなかったが、見知った名を見つけてしまった。

「あ゛あ゛??」

唸り声をあげて思わず二度見。
でもあの名は見間違いではなさそう。

踵を返し、目的地もなく歩みを進めながら遠距離通信の回線を開く──

in:死亡者掲載所


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「ふえ~つっかれたぁー今日はもうおしまーい」

探索が再開されても昨夜は勝手に休息日とし、朝から久々に潜って早々に切り上げてきた今。
自身の力量は把握しているので無理はしない性質。
何度かヤバそうなキカイと対峙したり汚染地帯から抜け出せなくなったりはしたが、無事切り抜け相変わらず五体満足。

……シザイの集まりは前に比べてすこぶるよくない。
これは困った。うーん。生きていけるかな?

in:クラアナ付近


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「えっ、トゥムちゃん湯浴み場いくの?あーじゃあ……
 ちょっと中覗いていけそうだったら俺っちも入っちゃおう……」

「…………」

「……いいや、やっぱ今日はやめとこっと。
 なんかそうした方が俺っちの精神には良い気がする。うん。
 検査後だから体洗いたいのはあるし、今日はシャワー借りれるとこに泊まることにする」

先ほど話したブラックボード付近の施設になるだろう。
キカイが提供している就寝施設よりも値は張るが致し方なし。

男が伸びをしたのにつられて同じように伸びーと。
天気がいいとは言い難いが外の空気を吸えたことに大きく深呼吸。

「ほんじゃ俺っちあっちの方だから行くねー。
 今度はさ、お互いいや~な気分にならないとこで遊ぼうよ。
 そんで帰りに酒場で奢ってよ!じゃ、またね!」

次の約束を取り付けて、返事がどうであれ笑顔で手を振りながら
男とは反対の方向へと軽快な足取りで審査会場を後にした。

in:探索者審査会場


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「す、すごい!意外と便利そうじゃーんそれ……!」

ある意味衝撃を受けてしまったようで。
あまりに色々な変形を見せてくれるのでちょっと良いなと思いそうになったのが恐ろしい。

「あの周辺行くことあったらトゥムちゃん気をつけなよー?
 "商売"してる人もいたりするっぽいから、うっかり連れ込まれないようにね?
 なんかトゥムちゃん押せ押せでいけばついていっちゃいそうな感じあるから。
 そしたらもー搾りに搾り取られてすっからかんになっちゃうからね!?」

ものすごく失礼な事をいっているがこれでも男の心配をしているようだ。

「あ、なにその目、路上生活ばっかの俺っちを哀れんでる!?
 だいじょーぶですぅ~トゥムちゃんに貰った布もあるしー。
 それに案外なにも盗られたことないしね。
 それに最近はブラックボードの付近にある寂れた宿泊施設のほうに泊まったりはしてるよ。
 あっちのが治安はさらによくないけど、その分人の往来も少ないから結構穴場っぽい」

ただまあ中々の割高なので用事がある時だけ、とも付け加え。
会話をしながら歩みを進めれば、そろそろ出入口付近へとやってくるだろうか。

in:探索者審査会場


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「わぁ~~お!その腕、そういう風にもなるんだーかっくぃ~!」

変化する様を目にするのが二度目ともなれば驚きも小さく、かわりに大鎌へと変化した事に感嘆の声をあげる。
動きにあわせて『おお』と漏らしながら拍手。

「なーに?意外だな~って思ったー?ま、よく言われるけどさ。
 ……でも外見で判断しちゃだめってことだよーあはは」

若干俯きつつも笑いながら出口へと足を向ける。

「ん?ファッションホテル?
 あーなんか娯楽区画のほうにある外見派手なあれ~?
 いや~寝るのに個室なのは悪くないけど、あそこなー……」

口の滑りが悪くなりもごもごと、『肉欲に狂ったやつらがたむろってるからヤダ……』ぼそっと男に聞こえるかどうかの音量で呟いた。
そういうモノたちばかりが利用しているわけではないだろうが、ソレを目的として利用されているのも事実であり。
なんかまあ、青年の中では『嫌な場所』の部類らしい。

in:探索者審査会場


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「うっ!"その時"かぁ……はぁ」

憂鬱な溜息。
しょーじき、いつまでも五体満足でいられるとは思っていない。
脳裏に過るのは男の異形化した左腕。あのわきわきした花みたいな……

「……つぎ……次もあるのかな~?えーめんどくさい」

終わってしまえば怖いより面倒が出てきてしまうもの。
でも思ったよりなんてことなかったかも。……泣いたけど。

「お、そっか行かないんだ。てっきり行くもんかと思ってたー。
 多いほうがクラアナ内も安全ではありそうだけど、俺っち賑わいがあるところあんま好きじゃないんだよね。
 んじゃ、俺っちも今日はゆっくりしちゃおーかな」

よいしょっと立ち上がる。
億劫だったことが終了し、軽い足取りで審査会場を後にする姿勢。

in:探索者審査会場


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うん、うん、と男の言い分に頷きながら次第に落ち着いてゆき、そのうち涙も引っ込んだようだ。

「……あー探索能力がひくいなら義体にして強化したらどうかって勧められたー。
 けどまあ、それはまだいいかなって……」

望んで探索者になったわけではない身としては、そこまでしてキカイの為のシザイ集めに身体は張れない。
例の噂分のシザイを貯めるならマイペースで十分。

「ふぅー。終わったら気が楽になったー。
 付き添ってくれてあんがとね、トゥムちゃん。
 まーーじ助かった!」

解放感に両手をぱっと天に掲げてばんざーい。

「もう免除期間終わってるぽいけど、トゥムちゃんどーすんの?
 潜りに行っちゃうかんじー?俺っちはさすがに今日は行かないけど」

in:探索者審査会場


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……暫くして検査室の扉が開き、中からよろよろとした足取りで青年が出てきた。
その眼には大粒の涙を携えて……

「う、うぐぅ……うえぇぇ……ごめ、おまたせ……ひっく
 お、終わったからもうだいじょーぶ……ズビビビ」

肩を落として男の横へと座り込む。
くしくしと袖で涙を拭い。

「……ぜ、全然探索やってないってめっちゃ怒られたぁ~。
 もっと潜ってシザイ沢山集めて来いってぇ~。
 そんなことないのにー俺っち的にはすんごい頑張ってるほうだもん~」

事実、あまりクラアナに足を運んでいないのはそうかもしれない。
それでも探索免除期間に入る直前までは深層へと向かう準備をしていた程度には意欲はあったのだ。
しかもなぜか身体能力の数値も軒並み低くなっていたようで、ショックに追い打ちをかけられたようだ。

「あ、でもトゥムちゃんが言ってたシザイ没収てのは俺っち免れた。
 まあ元々そんな持ってないからだろーとは思うけど……」

ふぅっと安堵の溜息を吐いて。
それ以外は特に指摘されることもなく、再検査のお達しもないようだ。

in:探索者審査会場


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いくら難癖つけられても物ともせず、しまいには甘えに甘えて受付までやってもらう始末。

「はわわわわわわ………」

待合室でびくびくとしながら呼ばれるのも待っている間も男の服の裾をぎゅーと握りしめているかも。
誰かが傍を通るたびにびくぅと体が跳ねている。

「トゥムちゃんのとき注射とかされた??ぶすーってされる??
 俺っち痛いのは嫌いじゃないけどさ、でも楽しくない痛みは嫌なんだけどぉ~~こあーい」

などとビビり散らかしていると、『管理番号17121440、入ってください』とお呼びがかかった。

「き、きた!じゃあ、俺っちいってくるよ……
 そこで待っててね?勝手に帰ったらダメだからね!?」

何度も確認をせがみ背中をまるめて検査室へと入っていった……

in:探索者審査会場


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「クローン…………なるほど……へぇ」

自分を生むという構造については理解は追いつかないけれど、彼女が『わたしたち』と括る理由を理解した。
たとえ造りが同じなのだとしても『別人』だということも。
目の前の精悍なウサギと、青年が想う愛らしい子ウサギを『同じ人物』として認識する事はできないのだから。

「そっかそっか……うん、わかった。ありがとう。
 家族判定にするかはたしかにびみょ~なとこだねー。
 でも俺っちの中でひっかかってた部分が一個は解けた、かな」

これ以上問答していてもウサギたちについてすべての謎が解けるわけでもないだろう。
未知を追求したい気持ちは残るがここまでにしておこう。

「俺っちはさ、ビビりの根性なしですぐ逃げちゃうような人間なの。
 なのにルヴちゃんは一緒にいてくれるっていうんだよねー。
 そんなの……すっごい嬉しいに決まってるじゃん?」

彼女を真っすぐに見据える青年の瞳に虚偽の色はない。

「『超える』かどうかについては……言うまでもない気がするけどさ。
 いちおー俺っちはルヴちゃんの気持ちを確認したいの。
 だから、ちゃんと話し合いたくて迎えにきた」

in:エンドボード


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「あ、トゥムちゃんきた~~!」

待っていた人物が現れれば、ぱっと傍へと駆けより腕をぐっと掴み

「だって何されるかわかんなすぎてこわいし~~!
 さささ先に歩いて俺っちのこと誘導してよ!経験者でしょ!」

さらに男の後ろに隠れてぐいぐいと押している。
受付所まで連ていって欲しそうにしているなんとも面倒くさい青年だ。

in:探索者審査会場


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もうすでに探索が開始されているかもしれないし、その直前かもしれない曖昧ないつか。
未だに審査を渋っていた青年がやっとこさやってきたようだ。
誰かを待ちながら、会場の近くでそわそわしている。

「こわいーよ審査ってなにするんだろ~??
 なんかシザイ没収されるとか言ってたけど、俺っちそんなもってないんだけどなー…」

in:探索者審査会場


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「……その前に、君たちって『姉妹』なの?
 生物的に成長速度が速いのはわかったけど、その……
 体の作りに若干違いはあれど、顔がみんな一緒なのはなんで?
 君たち他のウサちゃんとルヴちゃんはどういう繋がりなのかな?」

実のところウサギの生態についてほとんど情報を得ていない。
子ウサギに問うよりも彼女に聞いてしまった方がより正確な答えがもらえるだろうと。

in:エンドボード


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ほら、いた。彼女だ。
先日と同じ場所にいるようだ。
その佇まいは、やはり他のウサギよりも際立っているように映る。

「少し遅くなってごめん。
 ……ルヴちゃん迎えに来たよ」

とはいっても、それはお互いの話し合いの為。
まだ何かが決断されているわけではない。

in:エンドボード


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ぴょこ。きょろきょろ。

「収まったかんじ~?」

不穏な気配を感じ物陰に身を隠していたが、おおかた剣呑さは薄れたように感じる。
子ウサギの安否は心配ではあったけれど、無謀に駆け付けたところで足手まといになっては意味がない。
それに、あの凛としたウサギと一緒ならばよほどの事でもない限り無事であると信じてはいたから。

in:エンドボード


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──何かを伝え終わればいつも通りの青年。

「……そういうこと。あ、意味わかんないって顔してる~?あはは!
 なんてゆーか『保険』みたいなもんだと思ってくれたらいいよ。
 どーしても縋りつくものがなくなったときに、俺っちが何かしら力を貸せるよ!って感じ~?」

軽い調子でウィンクなぞ飛ばしてみる。

「俺っちたちもう友達なんだから、いざって時は頼って欲しいじゃん。
 まあ、俺っちダメダメ野郎だから頼りないかもしんないけどぉ~」

でも、きっと、たぶん、やるときはやれるはずだから!
と握りこぶしを作り、男の心臓辺りにかる~くあてる。

ぱんっと両手で一発軽快に鳴らせばお開きの音。

「じゃあ今度は俺っちがやだな~て思う場所に一緒にいこうよ。
 てーか、トゥムちゃんつきあって~おねがぁーい、ね?」

猫なで声をだしながら次の約束を勝手にとりつければ、『またね』と告げその場で別れるべく青年は踵を返し去っていくだろう。
時折振り向きながら、互いの姿が見えなくなるまで大きく手を振って。

in:宗教施設



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ふわふわふらふら。
何かを探して気づけばクラアナへ。
名は、『輪音 ハサリュ』──囚われた青年に"次"はもうない。






❖Profile❖

現代日本に類似した世界からの迷い人。
両親は国際結婚をしておりハーフ。本人が習得している言語は父親の母国語のみ。
出来の良い兄とは似ても似つかないけれど、仲は表向きは良好。気難しい弟とは若干不仲気味。

現在は留年しそうな大学4年生で、勉学は芳しくないし努力をする意欲もない。当然目標はない。
その時々の気分で崖っぷちの人生を過ごしているだけの刹那的な青年。

言動ゆるゆるで倫理観はがばがばだけど、貞操観念だけはがちがち。
こう見えてぴゅあぼーい(耐性は多少有)。外見と中身がバグっている。見た目ほど陽キャではない。
人様の嗜好にとやかく言うほどうるさくはしないけれど、下事情にだらしない者へ若干冷ややかな視線は送るかもしれない……。

9歳年下の従弟を敬愛しており、彼からは愛称で『サル』と呼ばれていた。
心を許した相手に対して少しばかり依存気質かもしれないが、本人は自認していない。




❖Story❖

中学入学を間近に控えたまだ小学6年生だった従弟が、突如行方不明になり1年以上が過ぎたある日。

いつものように『ガロ』を探してあっちこっち当てずっぽうで捜索していると、
公園の樹木の下で彼によく似た背格好の子供を見つけた。


躓きそうになりながら駆け寄ってみるも……まったくの別人だった。


子供は困っている様子で、少し気にかかったからどうしたのかと声をかけみた。
すると、子供は樹の上を指さした。

見上げれば赤い風船がひっかかっている。
風に揺られながら今にも飛んでいきそうなのに必死に枝にしがみついているように。


  ゆらゆら


たかが風船ひとつ。
残念だけど諦めてはどうかと子供に提案するも難色を示された。

面倒だなと思いはしたものの、何となくの気まぐれで取ってあげる事にした。
ガロならきっとそうしただろうから。

ざらついた樹の表面に手をあて、ぐっと力を込めて足をかける。


*続*(11/17)







❖エデンの記憶❖

《Prologue……》

 意識が戻れば、そこは覚えのない場所に見知らぬ土地。
 現状に理解が及ばぬまま突きつけられる現実は──閉ざされた世界。

 異界からやってきた『ヒト』をクラアナ探索へ送り出すべく、
 最低限の知識を与える『キカイ』により、ある程度の認識は得ることができた。

 到底納得がいく状況ではないものの、抵抗する程の気概はない。
 自棄になるには丁度いいかもしれない……まあ、そんな気力もさらにないけど。

 もしかしたら、此処に居るかもしれない。
 探してみよう。見つけたら一緒に帰ればいい。それがいい。


 ────それまでは死なない程度に生きてみようかな。



《1week……》

 支給された『シザイ』とやらと物資を交換できるらしい。
 でもこの『シザイ』を『キカイ』の為に集めなければいけない。
 何も奉仕せずにいると"処分"されしまうとか。なんて世知辛い世界。

 ……むしろそれは当然のこと?


 まあ、この世界の真理についてはおいといて。
 お腹が減って来たからご飯を調達~──…の前に、『死亡者掲載所』なる場所を見つけた。


 嫌だな。もしあったら。


 でも、知らないままなのも嫌だ。
 恐る恐る確認してみれば……探し人の名は見当たらなかった。


 少しばかりの安堵を得れば次にやるのは腹ごしらえ。
 食料提供所では小さなキノコのような子が一つ固形食を恵んでくれた。
 見知らぬモノにも分け与えてくれる優しさに久々に触れて嬉しかった。

 喧騒は好きじゃないから人込みを避けてアンダーボードへ。
 そこでは面倒見のいい顔役と引き合わせてくれたゾンビの元兵士の子に出会った。
 他にも身を寄せている者は多くいるようで、まるで"家族"のような関係が構築されていた。

 マーケットで物色をしていると面白い露店を見つけたから駆け寄ってみれば、
 なんと『地雷ショップ』だったよ!
 店主の子のファッションセンスもなかなかハイセンスでぶっ飛んでたな。
 おかげで楽しんでもらえそうな贈り物をゲットできて大満足だ。

 他に真っ赤な鎧のかっけーロボットみたいなやつを見かけたり、
 見た目は天使みたいなのに態度と口の悪いやつなんかもいたり。

 そんなこんなで、クラアナへも気が向けば何度も足を運んだ。
 こあーいキカイや亡霊?にいっぱい襲われたし、到達できたのは10層あたりまで。
 その先へはまだ恐怖が勝り足を踏み入れることができていない。

 色々ふらつきながらも五体満足でなんとか生き延びている。
 案外死なないもんなんだなーなんて就寝前に思い返して一週間が過ぎた。

 しょーじき、俺にしてはかなり頑張ってる方。



《2week……》

 ──現在の生存価値『50』──

 そろそろ生存権とやらを得ておかないと、うっかり"処分"されてしまいそう。
 探していない箇所はあるからまだ時間が欲しい。

 処分はどうやってされるんだろう。
 痛いのは嫌いじゃないけど、苦しいのは嫌だな。


 小さい子のおかげで深層へ挑む勇気がわいてきた。
 やっぱり子供の無意識の力はすごいな、て再認識した。
 大人よりうんと心がキレーで、俺もキレーになれた錯覚を味わえる。
 あの子もずっと無事でいてくれるといいな。
 
 俺はバカだけどバカじゃないから、ちゃんと準備を整えるんだ。
 でもビビりの根性なしだから怖くなったらすぐ逃げるつもり。

 ガロは好奇心旺盛で怖いもの知らずだから。
 もしかしたらもっともっと奥に行ってるのかもしれない……


 迷い込んだエンドボードでちょっとヤバそうな罠に掛かっちゃった。
 同じ顔したウサギたちに食べられてしまうところだったけど、運よく逃がしてもらえて命拾い。
 一番小さな子ウサギが愛らしくてつい『またね』と再会を願ってしまった。
 他にも何か言ったかしたような気もするけど、お酒のせいでよく覚えてないんだ。


 その後、結局ひどい目にはあった。あそこはこあい……
 でも命からがら逃げこんだ酒場では良い事があったからぜーんぶ帳消し。
 無愛想だけどなんだかんだ気遣ってくれた男が奢ってくれたからね。
 また会ったら奢ってくれるんだって。やったね。俺も恩は返さないと。



《3week……》

 『受けた恩は返して繋がった縁は大切にしろ』

 生意気な年下の従弟が俺に教え込んだことの一つ。
 "人"に興味の薄い俺だけど、実践していたら案外悪くなかったので今では結構気に入っている。
 
 それでも俺にとって本当に『大切』になるのは一握りだけだ。
 十分だろう。むしろ少しだけでいい。多くは望まない。
 俺の想いは特別に思える者にだけ注げればいいんだから。

 その分無くした時はいっぱいいっぱいすごーく辛くなっちゃいそう。


 ……さびしいよ。置いていかないでよ。嫌だよ。


 この口癖もガロに咎められたことがあったっけ。
 嫌嫌ばっか言うなよーって。陰気が溜まるとかなんとか言ってたのは笑っちゃった。

 だから極力人前では口にしないようにしてるけど、うっかり出ちゃうのは仕方がないよ。
 人の性根はそうそう変わるものじゃないんだからさ。



《4week……》

 だらだら深層に挑む準備をしている最中に探索免除が言い渡された。
 なんでも探索者の一斉審査とやらが行われるとか。

 嫌だな。何されるんだろう?こあいよーやりたくなーい。
 あーあー、なんか出鼻をくじかれた感。せっかく頑張る気だったのになー。

 ……なんて。
 本当は安堵感もあるのは否めないかも。
 危ない好奇心は刺激されるけど、無茶や無謀な事をしたいわけじゃない。

 地上を探してもまだ見つからないから。
 それならクラアナも探してみるしかないだけの事。


 ──探索が再開されたら、今はただ望みを捨てずに潜るしかないんだ。






❖ショップ仕入れ❖
▣アーミーナイフ 『機能性抜群』


※画像は自作です。当PCのロールでも使用しています。








PL向け情報

❖交流大歓迎です!お相手よろしくお願いします! ※探索自体はソロで行っています。

❖誤字脱字が半端なく多いです。確認してるはずなのに多い。面目ないです。
 発生していた際は心の目で解読してあげてください。

❖置きレスの民。長文になりがち。リアタイも可能な時があります。

❖全茶はあまり見ておらず、身の回り以外の騒動などはほぼ把握していません。
 主にメッセージでの個別交流が望ましいです。置いちゃってどうぞ。こちらも唐突に置きます。
 時系列などはふんわり合わせます。シチュも雰囲気でOK。突撃メッセ◎。
 表にはあまりいませんが、アンダーボードより下の階の路地裏で寝ていることが多いです。

❖NGはほぼなし。すべてはPCの心次第です。ロール重視してます。
 不快描写があったとしても、それはあくまでもPCによるものでPLは問題ありません。

❖R18、R18Gは可能ではありますが、PCの性志向的に火遊びはしません。純真な一途っ子。
 骨折、四肢切断、死亡、などの行動不能確定RPでなければ初手から殴る切りつけるも〇。後はRPの方向性次第。
 場合によってはこちらが他PCの躰を損傷させることもあります。NGの際は地の文などでお知らせください。
 (※基本丁重に扱いますが、命を放棄した際に遺体の状態がどうなってもいい方だと嬉しいです。)

❖ログ公開は良識の範囲内でお任せします。
 (ただ個人メッセの密な部分は互いだけの思い出にしたい派でもあります!)