CuraanaNow
──階層を揺るがすような轟音が響いた。ただそれだけだ。
in:クラアナ内部
長らく姿を見せていなかった『清掃屋』がエンドボードを行く。
いつもの通りであれば目についた死体を片端からベックパックへ詰め込んでいくが、今日は死後時間が経過していない綺麗な死体を選んで持ち去っていく。
今日の彼女はエンドボードの美化に協力的ではなかった。
in:エンドボード
「あら……うふふ、嬉しいです。
それならまずはオセンを打ち倒してもらわないとですね。」
最初に言ったとおり、会計は彼女がさっさと支払ってしまっている。どうせ使い道のないシザイだから、おごりだろうがどうということはない。残ったチョコレートのかけらを一口つまんで椅子から立ち上がった。酔ったとは言っているが、足元はしっかりしている。
in:酒場
「ああ、いいお酒ですからもっと飲んでいたいですけど……酔いが回るのはどうしようもありませんね。私も少し酔ってきました……」
こちらも顔を火照らせながら、二杯目のハイボールを飲み干した。
「そろそろ止めておきますか。酔うのは気持ちいいですが、自分の身も守れないほどに酔っぱらってしまうのはいただけませんからね。それともペディさんが守ってくれるかしら?」
in:酒場
「私が追い付くために私が協力するというのも変な話ではありますがね。アレと二度目の対峙をするのは気が進まないところですが、約束は守らなければ。」
彼女にとって約束という存在は非常に重いものだ。
in:酒場
「そうです。強汚染帯域を抜ければ、街があります。もしかしたら、私の探し人もここにいるのではないかと期待してはいるのですが……探してみないことには何とも言えません。
ですから、探し終わるまでの間はお待ちしていますよ。」
お酒を飲み進める。おいしいお酒は飲むのも早くなる。
in:酒場
「着いてきたいというのであれば、断るつもりはありませんが……」
それがあなたの感情であればなおさら、と。
どうしてここまで好かれることになったのか、自分ではあまり理解していないが、それでもその気持ちを否定することはしない。
「着いてきたいのであれば、まずは街まで下りてくることです。手伝いはしますが、私の目的はあくまで友人を探すことですから。体のこともありますし、あまり長くは待てませんからね。」
チョコレートのお皿をすっと差し出した。
in:酒場
「私はもう長くないのだとお話しましたよね。着いてきたとしても、一緒にいられる時間は多くないのですよ?
それに、クラアナの深くは更に危険な場所になりますし……」
あなたの覚悟を問うように、しかしもう聞かないんだろうなあとも思いながら、そう尋ねる。
グラスを空けて、同じものを2つ注文する。こんな極上のお酒が出てきたのであれば、他のものを頼む理由はなかった。少ししてお変わりが運ばれてくるだろう。
in:酒場
「あら、ありがとうございます。」
チーズを一つまみ食べて。
「あぁ……これもすごくおいしい。口の中で蕩けるようで……こんなものが流れてくるなんて信じられないくらい。」
大変ご満悦だが、ふと真面目な顔になって。
「それで、どうするんです?
90層は……潜り抜けた私だから言いますが、生中な存在ではありませんよ。文字通り、死力を尽くすことになるかもしれませんが。」
in:酒場
「変なことされる前にマホウで吹き飛ばしましたけど。ヒトはキカイに比べて脆いのですから、それが一番です。」
彼女の解法はいたってシンプルだ。先手をとっての大火力。それを可能にするだけのマホウの練度が彼女にはある。昔からキカイと戦ってきた経験は伊達ではないのだ。
「したいというなら止めはしませんけど……死の危険が常にあることは忘れないように。」
元に戻してもらったという手をじっと見て。
「……確かに、見た目はわかりませんが。それは元に戻ったのではなく、見た目が同じなだけで義体になったのです。あなたの身体は失われている。そこをはっきりとさせていかなければ、タガが外れていきますよ。」
余っているナッツを勝手につまんで食べる。うーん……これは微妙。
in:酒場
「でも、生きてはいるんでしょう?なら、最悪ではない。死んでしまえば終わりですが、死ななければまだ次があります。動けなくなってしまえばそれまでですが、今では義体なんてものがありますからね。私は嫌いですが、こだわらなければある程度元のようになるとは聞いています。」
キカイ自体が純粋に嫌いなので、必然義体にも消極的になる。
「どんな、と言われましても……そんなに変わらないと思いますが。70層は突き落としですし、80層は腰を据えて持久戦をするだけ……厄介ではありましたがね。」
in:酒場
「うふふ……そういった感想を聞くのは新鮮ですねえ。確かに炭酸が入っていますから、しゅわしゅわはしますもの。」
ハイボールを一口飲んでから、硬めのチョコレートを口の中へ。
「まさか、本当に80層を突破してしまうとは。命の危険があるってことは分かってます?クラアナって危ないんですから、無理して深くへと潜るものではないんですよ?」
in:酒場
「うーん……なら、ペディさんの70層と80層との突破をお祝いして、くらいはどうでしょう?
私自身は『門番』を突破しても祝うべきことではないのですが、ペディさんの目的にとってはお祝いしても良いことかと思いますので。」
グラスを持って、差し出す。彼女の仕草は何気ないものでもとてもさまになっている。
「ほら、乾杯。」
in:酒場
「あら……今日は本当にいいものがありますね。よかったじゃないですか。」
ナッツはマーケットで売られている程度の合成品だが、数種類のチーズはどれも見た目からして質の高い模造品だ。
in:酒場
「ふーむ……ならお酒は同じもので。おつまみは無難なところでナッツとチーズにしておきますか。慣れていないのならこの辺りがいいでしょう。」
無難オブ無難。
ナッツの質 5[1D10]
チーズの質 10[1D10]
in:酒場
「ふーむ……ならお酒は同じもので。おつまみは無難なところでナッツとチーズにしておきますか。慣れていないのならこの辺りがいいでしょう。」
無難オブ無難。
ナッツの質 5[2D6]
チーズの質 4[2D6]
in:酒場
「ペディさんはどうします?
今日はいいものがあるみたいですよ。シザイは有り余っているので払いは私がもちますから。」
深層を探索し、義体にシザイをつぎ込む必要のない生身である彼女は、既に永久生存権をいくらも手に入れられるだけのシザイを手にしている。そろそろ没収されてもおかしくはない。
in:酒場
「お、いいじゃないですか。今日はいい流れものでもありましたかね。見た目からして良さそうです。」
味やにおいが出来るだけ忠実に再現された模造品のウイスキーを甘みのあるソーダで割ったものと、質のいい模造チョコレートが出された。非常に値が張りそうだが気にした様子はなく、ニコニコと嬉しそうにしている。
in:酒場
「マスター、ウイスキーのソーダ割りと、おつまみに何か甘いものを。できるだけいいもので頼みますよ。」
カウンターに座って注文する。
10[1D10] ※1ほど粗悪、10ほど良質
in:酒場
「あらあら、結構です。淫らにただれた生活は秘密にしておきたいので。」
冗談なのか分かりにくいことを言いながら、倒れたヒトやモノを身軽に飛び越えつつ出口へと向かっていった。酔ってはいるが足元はしっかりしている。
「それではまた、ご縁があれば。」
何もなければ、ひらひらと手を振って立ち去っていくだろう。
in:酒場
『探索者』として似つかわしくない整った服装をした少女。
お酒と甘いものが大好きで、古き時代のカクテルの名前である「ホワイトルシアン」と名乗る。
かつてヒトとキカイとが争っていた時代、マホウを用いてキカイに戦いを挑んだマホウ使いの生き残り。
死霊術のマホウ使いである彼女は、自らのマホウにより普通のヒトよりも長い年月を生きてきた。
彼女の目的は、かつて共にキカイと戦った仲間であり友人であるマホウ使いたちのうち、
この世に囚われてしまった者たちの霊魂をあるべきところに導いてやることだ。
クラアナの奥深くにいる最後の友人を導くために、
彼女を慕う物好きな人物と共に100層より深みの超深層へと潜り、そして帰らぬ人となった。
PL向け情報(2/14 更新)
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利用させていただいた素材
【フォント】
・ぱれったいぷ/こごえぷろじぇくと 様
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・もじワク研究 様
ピグモ 01 https://moji-waku.com/pigmo01/ [TOWN 背景画像]