CuraanaNow
「義体……。でも、そこまで違和感ないタイプだ。
そういうのもあるのは……ありがたいですね」
『これ』は、義体を着用する事を相当に嫌っている。
もちろんやむを得ずという事は分かっているが……
少なくとも、欠損で身体が完全に使い物にならない限りは
キカイ製だろうとそうでなかろうと使う気は起きない。
……自分が今も生身でいられているのは、
限りなく慎重で臆病だからなのだろう。
それでも危うく身体を持っていかれ掛けた事は、何度もある。
改めて探索の恐ろしさを思い起こす事となり、
自らの身体を抱き締めるようにして震わせた。
「あっ…………」
そうなんだ、という理解と。
そこまでしなくても、という羞恥のような何かが同時に来て。
少し顔を赤らめる。
「……身体の一部を失う、というのは。
大した事……だと思いますよ。ボクは。
むしろ、全く気にせず交換みたいに気楽に行動する人の事は
今でもこれっぽっちも理解できないし」
表情に反し、言葉の棘は強めだ。
in:湯浴み所
「何かに触れて、新鮮さを感じているうちが華です……本当に」
それがなくなったらどうなるのか。
今はよーく知っている。皮肉にも。
戻る方法を知っているにせよ、知らないにせよ、
『帰る場所がある』という時点で……少し羨ましく感じてしまう。
小さな溜息が響いた。
「そうですか?それなら……何よりですね」
一方『これ』は、まだその辺りは何とも言えない感じらしく。
曖昧な返事と笑みだけを零す。
……ふと、視線が肌の異なる色を捉えた。
「それって……怪我した跡、です?」
或いは義体なのか。
ただ、今まで義体を着用した事がない身としては、
その辺り細かい区別まではできなかったようで。
in:湯浴み所
「何かこう、ヒントの一つでも持ち帰れれば……
ぐらいでいいんじゃないです?今は」
あなたの言い方的に、
何れは元の世界に戻る事を想定しているように思ったから。
それなら、今この時を精一杯生きれば
何か見えてくるものもあるんじゃないかと。
「長く楽しむとなると、どれも難しいですけどね……。
まぁ、まずは日々を充実させられればいいなって」
と言うより、それすらできないようなら
他の事を考える余裕すらない気がするから。
生き死にに必死な状況下で他の何かを考える余裕など、ない。
「あはは。ちょうど良かったですね……ある意味」
先程少し話題に出たように。
出会い方やタイミングが少しでも異なれば、
話す内容もだいぶ変わっていたかもしれない。
この辺りは色々な巡り合わせだなぁと思う。
in:湯浴み所
「そういうのを意識する事自体は、立派でしょうけど……
実際、対策なんてできるんですかね……?」
少なくとも、この世界に関しては。
意識した所で完全に手遅れな段階まで来ている。
かと言って、そうなる前から手を打つとしても、
何をどうすればいいのかなんて……分かる筈もなく。
「は、発散って……どういう意味で言ってるんだろ。
ボクはまぁ、そういうの含めて探してる最中……かも。
今の所は、気になるもの買ったり、食事を楽しんだり、
こうしてお風呂に入るとかが……それになるかもですが」
ちょっと困惑気味に言って。
一旦言葉を止めてから、思い出したかのように。
「あとはまぁ……
こうして誰かと話をするのも、そうと言えばそうですね」
in:湯浴み所
「それって……ここで言う、環境汚染とかそういう奴です?
ここの技術は確かに、色々便利なものもあるでしょうけど……」
ナノマシンの汎用性の高さなどは、その最たる例に思う。
あとは……蘇生、というよりクローン技術などだろうか。
食餌に関しても、栄養という一点に於いては悪くないと言えよう。
「ええ、そうですよ。
この世界の色々なものに縛られてる……そんな立場」
会話に夢中で忘れ掛けていた、
湯船に引っ掛ける形で置いておいた赤い紐を手で握った。
in:湯浴み所
「あーらら。そもそも代弁者なんていらないでしょ。
まぁどうせ、勝手になりたい人がなったとかそういう系なんでしょう?」
少なくとも自ら選定するような性格とは思えないし。
であるならばさもありなん、という訳だ。
「おぉぅ~……。
なんか、いつも以上に冷える感じ。
でも身体の内側は、まだあたっかいですね……」
外身が冷えていると悟れるのに、
内側から熱が放たれていてそこまで寒いと感じない、
妙な感覚だった。
足取り不確かな事もあってか、握り返す力が自然と強まる。
in:酒場
「いやまぁ、なかなかそういう話パッと出せる人って
珍しいんじゃないですかね……」
そもそも話のタネになるようなものを抱えていないとか。
抱えていても、そう簡単に打ち明けられるような代物ではないとか。
大抵そのどっちなになる気がしてならなかった。
『これ』の場合は、場所が場所であり、
かつ必要に迫られたから、渋々口を割ったに過ぎないわけで。
……そこまで言うとあなたが気落ちするかもなので、やめておく。
「……聞いてる限りだと、もう贅沢の極みみたいな世界なんですが。
それでも未来の事、色々悩んだりするものなんです?」
どういった内容で悩むのか、
今の話からはサッパリ想像できなかった。
いわゆる『贅沢な悩み』という奴なのだろうかと首を傾げる。
in:湯浴み所
「まぁ意外と面倒事は多いですよ。多分」
具体的に語りはしなかったけど。
少なくとも『これ』はそう思っているようだ。
笑いに続いたのは溜息だった。
「ん~。代わりに運ぶのはともかく、
代わりに語るって結構誤解されそうですね。意味合いとか」
その代弁者とやらの性格にもよるのだろうけど、
悪意があればいくらでも事実を捻じ曲げられる気がしてならないと。
端的に言えば、あまり重要事を任せられるようには思えなかった。
「そですね……あんまり飲みすぎるのも、あれだし。
今はこれぐらいで、充分な気がしますぅ」
試しに立ち上がろうとしてみたけど、案の定多少ふらついた。
少し慣れれば歩くぐらいはできるだろうけれども。
in:酒場
「異世界人……最近?多いなぁそういう人……」
この世界が慢性的な人手不足なのは察しているので、
そうでもしないとシザイが回らないんだろうなという納得はある。
とはいえ、細かな出身地は各々異なるのだろうか。
「聞きたい事ねぇ……いきなりはあんまり思い付かないかも……?
えっと……じゃあ、どんな感じの世界から来たんですか?」
ひとまずパッと浮かんだ質問を一つ、投げ掛けておく。
その間に他の事も考えるかもしれない。
何となしに、空を見上げてみた。
立ち込めて行く湯気が、どことなく神聖なものに映る。
in:湯浴み所
「逆だったら……あぁ~、そうだった……かも?
人恋しさで気にせず入ってたかもですけど。分かんないなぁ」
ふふと小さく笑う。
今はそんな想像をしてみるのも、不思議と楽しい感じだった。
少しの間、指先だけでお湯をぱしゃぱしゃと鳴らす。
「あはは、それは何よりです。
どうせなら楽しく過ごしたいですもんね」
それはこの場に限った話でなく。
他でもそうあってほしいというささやかな願い。
「ふふっ。どう致しまして。
……代わりに何か、秘密教えてくれてもいいんですよ?」
間違いなく、初対面の相手に言う事ではないだろうけど。
口が勝手にそんな事を紡いでいた。
in:湯浴み所
「えぇ~……まぁありますよ?色々。
アナタは関係なさそうですけどねぇ。
──…………」
そもそも人間ではないのだから、
そういった価値観に縛られているとはとても思えないし。
これで老若男女で振る舞いを変えていたら、それこそお笑い草だ。
……全身を見ても、ブカブカの服では何も判断できないように思う。
人外の目が、そこから何を感じ取るかまでは分からないが。
「信じる心も必要ないって、身も蓋もないですね。
不敬の極みみたいだ。どうでもいいけど」
苦笑しつつ。代弁者?と首を傾げた。
「そですね……ちょっと、ふわふわします……」
身体も口も、どことなく普段と違う感じがする。
in:酒場
「……淡々と言ってくれますねぇ。
ま、そういう事にしておいてあげます」
小さな溜息。あまり好印象を持つ声色ではない。
まるでその言葉そのものをあまり信じていないかのような。
かといって、露骨に嫌悪を示すようなものでもなく。
こちらも面倒なのかそれ以外の理由なのか、
詰まった距離を改めて開けようとはしなかった。
……再び、リラックスするように伸びをする。
「まぁ、珍しいんじゃないですかね……?多分。
他でそんな人、見た事ないですし」
少なくとも自分はそうだと言う。
尤も、『これ』の交友範囲や活動区域はかなり狭いので、
所詮その中での経験でしかないのだけど。
「そんなだから、居心地悪いんですよね……
こういう場所で、人といるのも。
とはいえ……最近は寂しさの方が勝ってたので。
今こうしてアナタと話しているのは、嫌な気はしないです」
秘密を打ち明けたからか、
はたまたお風呂の気持ち良さがそうさせたのか。
やや複雑な胸の内が、自然と口から零れ出て来た。
in:湯浴み所
「えっ、なんでそんな藪から棒に」
そんなこと訊く意味あります?といった視線を投げ掛ける。
「というか別にどっちでもいいじゃないですか。
男や女で着ちゃいけない服があるわけじゃなし」
実際、世間はあまりそういう目で見てくれない気がするが……
なんかその辺の判断力が色々となくなっているのかも。
……いつの間にやら、酒も食べ物も空になっていた。
「うっわぁ、無意味な犠牲すぎ。
つまりどっちかというと願う気持ちのが大事なんですね?
少なくとも……アナタに対してはぁ」
尤も、そんな事を願う側が知れるわけもないので。
供物が豪勢になって行くのは自然な流れでもあるのだろうが。
「神様と直接対話の機会がないと、推測するしかないですしね。
そんなの」
乾いた笑いが漏れた。
in:酒場
「……まぁ、そういうわけで。
似たようなものなんです。ボクにとっては」
顔が熱っぽいのは、きっと気のせいではないのだろう。
in:湯浴み所
「ボクもまぁ……今の所、そっちに興味はないですね。
とはいえ、日々生きるのも楽じゃないですけど……」
気が付けば、生存価値の確保だけで相当な額が必要になっている。
しっかりとまとまった額を定期的に稼げないと、
いつまで生きていられるかも分からない程には……。
今そんな事は考えたくないなと、小さく首を振った。
「んん~、まぁ……はい」
言葉を濁しながら、暫しあなたの言葉に耳を傾ける。
人混みが嫌いなんだと聞けば、そうなんですねと少し声を弾ませた。
続く言葉には……少し、迷って。
「えっと……うぅん……」
言葉でどうこう言うより先に、身体の方を動かす。
今までそこそこ空いていた二人の距離を、
湯船に浸かったまま詰めるように移動して……
「──…………」
顔がだいぶ近くなった辺りで、耳打ちのような小声で紡いだ。
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in:湯浴み所
「……ありがたいですよね。そういう環境があるだけでも」
長らく真面目に探索していない身としては、
やや耳の痛い話ではあったが。
言っている事は概ねそうだろうなと思う。
ふぅ~、と気の抜けた声が放たれる。
「そういうとこに口出せる権利とかあるといいんですけどねぇ。
でもそれだとちゃんとした市民権得ないと無理なのかな……?」
それは即ち、探索者の引退を意味する。
探索しないようになってからその辺の改善をしようなんて、
普通は思わないのかもしれない。
「あ、それは……えーっと……」
質問を振られると思っていなかったのか、
急にわたわた動揺し始める。
視線をそちらに向けたり逸らしたり。
どう言おうか考えている様子にも見えるかもしれない。
「……単純にその、人混みや賑やかなの全般が苦手なので。
その相手が男女どっちでも緊張しちゃうっていうか」
問いの答えは、どこか弱々しい言い訳のように紡がれた。
熱さとは異なる原因の汗が静かに垂れる。
in:湯浴み所
「別にそうしてほしいわけじゃ……ま、いいです」
もう好きにしろとばかりに投げ出した。
どうせその辺は止めたって無駄だろうと分かりきっているし。
「意外とありますよ?まともなのも。
というか変な服はちゃんと敬遠しましたし……」
とはいえ衣類にせよ下着にせよ、
その辺の差が激しいなぁとはよく思う。
仕入れられるという事は、需要自体はあるのだろうけれども。
……心なしか、酒の苦みを感じにくくなってきたような。
とはいえ新たに注文する気も起きなくて、
ひとまずは場にあるものを飲み干すぐらい。
少し身体も重くなった気がする。
「まぁ、実際上位種族なので……。
というか生贄って、なんか特別な意味込められたりするんです?
どうしてもこれ叶えてほしい~みたいな」
この世界では奴隷や人柱というニュアンス以上の意味を持ちえない。
あっさり死ねるのなら、どっちがマシなのだろうと思わないでもない。
in:酒場
「全身洗って、いい匂いと共にサッパリして。
綺麗な温かいお湯でくつろぐの……いいですもんねぇ。
他じゃ代わりにならないって言うか」
たとえ温かい布団で包まって寝ても、
その手の快感を得る事はできないだろうと思う。
それはそれで間違いなく良いものではあるのだけど。
こちらもリラックスし始めたのか、腕やら脚やらを伸ばし始めた。
「そこ殆どの人が言ってますよね……まぁ、なかったんでしょう。
単純に手間も設備費用も倍になりそうですし。
ボクはまぁ、どっちでも似たようなものですけど」
あははと小さく笑う。
たとえ男女別々に分かれていても、
足を運ぶ頻度は変わらなかったと思う。
……理由までは流石に口にしなかった。
in:湯浴み所
「これ似合うって言われても複雑な気持ちです……」
少なくとも自分は気に入ってないし。
小動物みたいな認識をされてるようにしか思えなかった。
まぁ、それ自体はまだ我慢できるものではあるけれども。
そこに続く言葉は、飲食で飲み込む。
……少しずつ、胸の内が熱くなってきた気がする。
「へぇー、そんな儀式あるんですね。
というか血って……。
いやまぁ、儀式ってものによってはそうなるのか……」
そういう知識は全然ないけれども、
何となくその辺と関連付きそうなのは分かる。
ある意味では、似たような立場であるわけだから。
「生贄とかよりはマシかもですがね、それでも」
in:酒場
「色々……ですか」
別にそこを問い質すつもりはない。
ただ、そういう感じでこの付近……
或いは、この世界を離れた者が少なくないような気が、何となくした。
何処かしらに行き場や行く道がある者ならば、
むしろそうなる方が自然な気がするから。
「そう、ですね……。
こういう場は、人が少ないと使いにくいけど……
ずーっと誰もいないというのも……ちょっと」
明言こそしなかったが、少し寂しいなと思った。
溜息にも似た息遣いでやんわりと同意を示す。
「あー……潰されるなんて考えた事、なかったですね。
キカイの気紛れでそんな事されちゃったら、だいぶ困るな」
改めて周囲を見る。
……基本、人がいる時はじっくり見る余裕はないけれど、
この場の希少な清潔感や、
あちこちから漂う風情はだいぶ気に入っていた。
「それならもっと、来てあげないとですね……。
ここ、数少ない憩いの場なので」
人がいてもいなくても、それは変わらないと暗に告げる。
in:湯浴み所
『それ』に名前はない。ご主人様に便宜的に付けられている番号を名乗る。
『それ』に人権はない。そんな自分に存在価値などあるのか、甚だ疑問らしい。
それでも、『それ』はシザイを求め探索を行う。それは誰の為なのか。
探索・戦闘慣れなどしていない身だ。どこまで生き延びられるのか。
肉付きが悪く、目元にはクマを欠かさない。
その外見通り覇気もなく、何をするにも自信がなさそう。
話し慣れている素振りでもない。声も小さく聞き取りにくいだろう。
他者のこともあまり信用していないように見える。情緒も不安定であることが多い。
それでも、会話する気が全くないわけではなさそうだ。
左腕に身に着けているのは、ご主人様から与えられた赤い紐。
非常に大事にしている様子が窺える。
※NG特にありません。何もかもお好きにどうぞ。
ロールとは思えないような内容ならスルーするかもぐらい。
こちらも雰囲気窺いつつ自由にやります。
原住民なので、ある程度の既知OKです。
よく虐げられている光景など目にしてるかもしれません。
ロール反応速度や活動時間は日によってまちまちです。一応夜~深夜帯が多めかも。
お返事はなるべく早めに、と思っていますが……。
また、ツリー会話は程良いと感じた辺りでメッセージの方へと繋げがちです。
出没していない時のメッセージ送信も歓迎しています。
面識の有無も問いません。お気軽にどうぞ。
固定バディはいません。
性格上ソロ活動が大半ですが、気を許せる相手とは共に潜る事もあるようです。
ペア探索中は状況に応じてメタな言い方もするかもしれません。
なるべくそれっぽく表現できるよう、頑張ります。
【ロール傾向】:世界観重視
【閲覧設定】 :なんでもあり、ゲーム攻略『以外を』オンにしています