CuraanaNow
「……久しぶりに仕事をしてしまった。
きっと彼女も若人を助けろと謂うだろうからね」
サルベージ品を監禁してシザイを福祉団体に喜捨する。
in:クラアナ付近
「……久しぶりに仕事をしてしまった。
きっと、彼女も若人を助けろと謂うはずだからね」
サルベージ品を換金すると福祉団体に喜捨する。
in:desuana
「そうだね。この手甲を差し出せとか云われたら、考えてしまうなぁ」
左手の手甲を持ち上げ、ハートのエンブレムを浮かび上がらせる。
かつて、オセンの首級を捥いだモノだ。
in:クラアナ付近
「まぁ、その前に探索者が派手に散財するなら、君にとっては都合がいいかもしれないな。
とはいえ、90層までの弾丸ツアーなどをやるなら今がチャンスなのは事実だ。
100層攻略を考えている人間は意外とエスコートに向かないしね。
本格的な攻略が始まる前が、護衛を雇うチャンスさ」
41~50層はマグロが美味いし。
in:クラアナ付近
「ああ、僕も実際に見た事はないのだがね。
定期的に探索者から一定以上のシザイを没収したり、
装備やチップを徴収するイベントがあるそうだ。
強くなり過ぎた探索者を排除する目的だと思うが、迷惑な。
住居や土地に財産を換金して逃がす手もあるけどね」
一斉検査に付いて、流れの神父はそう説明した。
先輩探索者の経験談らしい。
in:クラアナ付近
「灼熱地帯を見た事がない、か。
護衛を雇って、一気に潜るという選択肢もある。
また一斉検査が来れば、当分見れる機会がなくなりそうだからね」
しばらくクラアナで見なくても生きられるシザイがあるのだろう。
ガイドを雇うシザイくらいはあるのだろうが、
どこまで熱心にサルベージに励んでいるかは、横目では分からない。
in:クラアナ付近
「除染費用一つで、ピザトースト二枚は食べれるからね。
除染代も厄介な事だ」
貯金残高が増えないと思ったらカンストしていた神父。
散財しに探索に現れたのだろうか?
in:クラアナ付近
「やはり一人では、限界が見えているな……火力が足りん。同行者が必須だ」
in:待合所
「こちら【254700892】エラン……100層、出撃する!」
in:待合所
「5000兆シザイを稼いだ探索者……
ナノマシンに遠隔操作の自死プログラムでも仕込んでないと
キカイ様の方が殲滅されてしまう気がするね。
稼いでいる探索者だって、せいぜい30~50憶シザイ程度だろう」
in:クラアナ付近
「金が……シザイが足りんな」
黒衣の神父がクラナアから出てくる。
スイレン級との交戦経験も積めた。
確かに、あいつは意外な耐久性を誇る。
その意味ではバリアに包まれたミナゾコの簡易型だ。
「そして、おそらく武器も足りん、か。
ハッ……足りないものばかりじゃないか。
失望する限りだよ、これは」
in:クラアナ付近
「『ウキョク』型は、確認された量産機の中では最上位に位置する上位機種だ。
『オセン』に次いだ頑強な耐久度。空間を断裂させる特殊攻撃。
もっとも『分解』に対する防御フィールドは持たない。
場合によっては、奴を一機屠るだけで上級市民の生存権を買えるような奴だ」
と云っても勝てない相手じゃない。厄介な相手だ、と付け加えた。
in:クラアナ付近
「『ワイキョク』に対する『ウキョク』は僕も分かる」
壁に靠れかかりながら、神父の男が口を開く。
航空型のトビカイ、反撃型のトゲトゲは、
原型機と簡易量産型で対応するようには思えなかった。
in:クラアナ付近
「全ての『オリジナル』という事か。
製造時期で考えたら、100層は最古に近い存在だろうね。
文明を滅ぼしたのは、オセンかもしれないが……。
といっても地上への侵攻最前線である10層付近が、
旧式とも限らないので……サンプルの年代鑑定が必要だろうか?」
in:クラアナ付近
「……それは、失礼。
そして、その想像は恐らく正解だ。
チップの装備構成自体を考える必要があるだろうね。
とりあえずは、目潰しという厄介な問題が次に来そうだ。
問題としては、奴を倒す為には――
99層以下で装備を整える必要がある事だ。
その時の装備と奴と戦う為の装備は異なる点、だろうね」
in:クラアナ付近
「……ルーカス郷か。
最初のフェーズでは、アイツは――
あなたの顔を砕いた残骸の様相をしていた。
その爆発に耐えたら良かったのかもしれないが、
今度の奴の主力は未知数だ。
その次以降のフェーズに対する備えも必要だ。
『タンテイ』も……あいつには挑まない方がいいだろう、な。
おそらく生身の人間が耐えきれるパワーではない。
その出力はザンガイを凌駕するだろう」
回避、という方法もあるかもしれないが。
in:クラアナ付近
「ああ、逃走の準備は事前にしていたからね。
全力で逃走すれば、脱出経路が見えない訳ではない。
前に進む限りは、見えない、がね」
in:クラアナ付近
「いやはや、死ぬかと思ったよ。
あるいはラストダイブしてしまったかと思った。
いつもの100層の姿が変容して、何もなくなっていた。
その虚無空間を進んだ先は……空間の全てが『クラアナ』だった。
クラアナは、もうそこにいるんだ。
空間そのものが全て、殺人キカイで満ちている。
死刑執行前の13階段を登る気分だった。半ば、儀式だよ。
アレは『神』に相対する為の儀式のようなものだ」
この世界における神に等しい存在。
あれと比べたら、オセンですら子供のようなものだ。
世界を隔てる壁に触れてしまった。
in:クラアナ付近
「……100層に守護者が現れた。
奴との戦闘は、身体のパーツを奪われても終わらない。
奴は探索者の肉体全てを奪うまで戦闘をやめない。
あれは、キラーマシーンの類だよ」
in:クラアナ付近
「……そんな話は聞いていないぞ、クラアナァァァッ!!」
神父服から湯気を立てながら、神父が転がり込んでくる。
身体欠損こそないが、敗走……した。
装備チップ共に超常系を除けば、第一線級で固めている神父だ。
それでも、奴の分厚い耐久力を突破するには不足だ。
予想通り、『分解』チップにはオセン以上の対策がされていた。
「……今の装備では、殺しきれんな。アレはッ!」
ナノマシンによる生体加速でも、奴の足の止めるのは困難だ。
重装甲で高機動。極めて、厄介な存在。
次世代装備が必要だ。そして、強い超常使いが必要である。
in:クラアナ付近
さすらいの巡回神父。
彼は、いつも何かに失望している。
黄金色の髪と蒼氷色の瞳を持った神父の青年。
穏やかな物腰と裏腹に中々の自信家。
左利き。天才気取りの秀才肌で努力家。
その正体は、教皇庁国務省遺物分室の派遣調査官。
危険な前史文明の遺物や聖遺物、異郷の門の封印を任とするエージェント。
コードネームは『失望王』。