どこからどう見ても小さな子供だが
頭部には武骨なデバイストバイザーが取り付けられており
前髪の隙間から覗かせる額には生々しい手術痕が残されている。
やたら明るい性格で、様々な知識に精通している。
特に、ニホンというとある異世界にある国の事に詳しい様だ。
30号活動報告書
探索初日
・初戦闘 現段階ではでは超常能力は使用出来ず
逃走する事も叶わず筋肉を模したようなキカイに左足を損壊される。
・幸先が不安だったが治療後、再び探索した末に超常能力に関する
データチップを入手、超常能力の顕現に成功した。
その時点ではまだ超常能力は低いが
超常能力成長促進手術の効果も無事に効果を発揮しており
経験を重ねる度に威力の向上を確認した。
探索二日目
・探索は順調な進み十階層へ
残骸が蔓延る場所にて階層主とも呼べるキカイと遭遇。
火力不足及び敵勢キカイの能力により負傷。
頭部に重大な損傷を負ったが手術箇所は無事だった為
超常能力の喪失を回避を確認。
・その日の探索はそこで打ち切り、休息と義体強化に努めていた。
探索三日目
・再び残骸の主へと邂逅
度重なる自爆で負傷した怪我を超常能力で治療し
幾度目かの自爆にも耐えた後に自壊しかけたキカイの破壊に成功した。
・クラアナからの帰還後、探索者の一人と面識を得た、が
研究とは無関係の為、割愛する。
探索四日目
・残骸の浅層から下、暗闇がただ広がる世界の探索を開始。
一度、視界の悪い場所に入り込んでしまい
探索は困難を極め、緊急除染を要請。
シザイの余裕が無ければあの場で汚染死の可能性も高かっただろう。
実験の為とは言え、あの性格は少々楽観的過ぎる気もする。
この個体が実験失敗した場合は性格の変更も視野に入れるべきか
今後も要観察と言った所だろう。
探索五日目
・二度目の緊急除染要請。
運が悪かった、と評価するべきか、この個体の楽観視故に招いた事態か
現状の階層を考慮するなら前者かもしれない 再び観察を続行する。
・深層を探索する同行者を得て階層主へと邂逅。
同行者がいては正確な評価が出来ないかと思われたが
同行者は飽く迄も見守る姿勢のようだ。
数度の攻撃により、クラヤミはほぼ損壊状態になっていた。
ラストアタックこそ同行者に譲ったようだが、これならば十分な成果とも言えるだろう。
探索六日目
・100万シザイの入手を確認。
余計な干渉も多々あるが、概ね研究成果は順調と言えるだろう
永久生存権の購入は不許可だが今後、当個体の要望は可能な限り申請が通る予定だ。
・樹海深き中層の主と遭遇。
巨大質量を破壊し尽くす事が叶わず、敵勢キカイの毒により機能低下
撤退を余儀なくされた。
探索七日目
・本日の探索は目ぼしい成果は無し。
ただ、確実に火力は伸びているようで、ジュカイの損壊率も徐々に上がってきている。
この調子ならば近い内に樹海も突破できる事だろう。
探索八日目
・ジュカイ討伐を確認。
少し時間を要したようだが、成果は上々だろう。
引き続きの探索命令を送信した。
・深層探索者と共に不思議な箱の階層を探索。
道中の、染体に対してメンタルの値に微量の動揺を確認。
矢張り、あの性格設定は失敗だっただろうか?
しかし、時に数値以上の性能も確認できている。
その答えを得る為にも、今後も観察を続けるしかないだろう。
探索九日目
・ハコガタと初遭遇。
防御を固めるも、一撃で瀕死にまで追い込まれた。
耐久面に問題があると見るべきか、敵勢キカイの攻撃力が異常なのか
何方にしても、暫くはこの階層も攻略に難航しそうだ。
探索十日目
・先日同行した深層探索者と再び40層を探索。
長時間探索した影響か、超常能力が著しい成長を遂げるのを確認。
同行者もいる場合の方が成長率は高くなるのだろうか?
今後も検証していく必要がありそうだ。
探索十一日目
・ハコガタを討伐。
辛勝ではあるものの、成果は上々だろう。
探索十二日目
・水底の階層を探索 そして階層主と初遭遇。
水中という環境下と敵勢キカイの特殊な膜により、ダメージが通り辛く
窒息寸前になった所で撤退。
予想通り、暫しこの階層とは長い付き合いになるだろう。
探索十三~四日目
・最近、除染担当部署からのクレームが多い。
暫くは探索の規模を縮小するしかなさそうだ。
・それに伴い、30号はよく他の探索者と接触を試みている。
挙句の果てには… …いや、研究とは関係ない情報の為に割愛する。
関連の映像記録も破棄を決定した。
探索十五日目
・ミナゾコ討伐を確認。
凡そ半月で階層の半分を踏破した事は十分な成果と言える
今後は複製体が必要になった際は記憶保持をして観察を再開するのも悪くないだろう。
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※R18・R18G大体のことはフリー
@kuutraum