CuraanaNow
「………なるほど」
何やら良い光景が繰り広げられていたようだ。
微かな噂に頷き、伸びをひとつ。
「……あ、動物図鑑を忘れてたな。
まあ良いか、大したものでもないし。
実物はあるのだし」
男はマイペースだ。
ディスプレイの表情から感情なんて、読み取れない。
その思考だってアナの奥。
in:エデンボード
「…………」
大男がひとり、わざわざ外のベンチでのんびりと本を読んでいた。
ポットに移した紅茶を口元?に持っていき、ゾファッと蒸発させて“飲む”。
優雅な時間だった。
in:エデンボード
「お気をつけて」
掌に残るもちもちの感触。
そうしてその背に手を振って、しばらく。
「……アニマ様をさがしましょうか……」
本気だ。
in:アンダーボード
もちもちしている少女の爪は赤くない。
だけど、きっと似ている。
そんなものだろう。
in:アンダーボード
「ああああああああ〜……」
とっても、にゃーにゃーしています。
「思ったより触り心地が良いのですね…ふうん……」
in:アンダーボード
「そうですね…」
明日にはもう処分されそうな、その体。
処分されたらまた忘れる。
忘れた事も忘れる。
「はい、その時私に価値があれば是非」
きっと訪れないだろうな、と思いながら。
少女はひとつ頷いた。
in:アンダーボード
少女は一瞬、ほんの僅かに喜んだ顔をして。
だけどすぐに首を横に振った。
「あ……是非に、と言いたい所だったんですけど…。
も、もうすぐ私の生存価値が尽きちゃうので………。
きっとゴミになっちゃうし…」
生存価値が尽きて、死んでしまうから。
今貰っても意味が無い。
ならばあなたが持っていた方が、余程良いのだ。
in:アンダーボード
「いいですよねえ…」
エアもふもふを堪能する手つき。
これくらいの、ふわっふわっが欲しいなあ。
「そうなんですよね。
飼うとなるとやっぱりお世話代がかかって……。
最後まで面倒も見れないし…それに……。
……。
……………」
猫のぬいぐるみだ。
たまに見かけてたやつだ。
ちょっと動きが止まった。
in:アンダーボード
勿論少女はあなたに見覚えが無く。
それでも素直に頷いた。
「もふもふ、と言うか……うーん…。
あったかくてふかふかしたものはみんな好きだと思います。
抱き締めて寝たら、さぞ良い匂いがするんだろうなあって……思いませんか?」
とてもじゃないが、簡単に手を出せぬ値段ではあったけど。
in:アンダーボード
「アニマ様に犬の真似事をしてくださいとお願いしたら、してくれるでしょうか…」
諦めきれないもふもふへの衝動を、知り合いで消化しようとしていた。
失礼過ぎるのでやらないけど。
in:アンダーボード
変な人がまた来てる、と思い品揃えをちらと眺めれば。
はふはふっ!白いふわふわのイッヌが!!
「あ……っ……あっ……!」
手を伸ばしかけたが、店主の冷たい視線にビビってしまった。
もふもふをふかふかしたい人生でした。
in:アンダーボード
そういえば確かに、ただのお菓子ってあんまり見かけないかも、とほんのり思った。
媚薬っぽいやつはよく見る。
in:アンダーボード
久しぶりにお店を覗けば、何やら色々品ぞろえが変わっている。
「甘い薬…?漢方でしょうか……。
あ、お洋服お安いですね……」
そうは思ったけれど、死んだら無くなってしまうし。
だからやっぱり、何も買わなかった。
in:アンダーボード
「旦那様は……雇い主、と言えばそうですね。
どちらかと言えば飼い主に近いのかもしれませんし……。
……何にせよ、好き好んで行きたくはありません……」
陽気な声に首を振る。
そこが余程嫌なのか、旦那様の方が怖いのかは知らないが。
「………?」
考え込む様子に首傾げ、続く言葉を待てば。
in:メインボード
「旦那様は……雇い主、と言えばそうですね。
どちらかと言えば飼い主に近いのかもしれませんし……。
……何にせよ、好き好んで行きたくはありません……」
陽気な声に首を振る。
そこが余程嫌なのか、旦那様の方が怖いのかは知らないが。
「………?」
考え込む様子に首傾げ、続く言葉を待てば。
in:メインボード
「旦那様に怒られますし……。
暗い場所は怖いですし……。
襲ってくるとか意味不明ですし……。
しかもそれがキカイなのも訳分かりませんし……。
更にそれと戦えって理解出来ませんし……。
むしろ何故皆さんはそんなに簡単に行けるのでしょう……不思議です……」
数えあげればキリが無い。
生まれも育ちもここの癖に、随分小心な。
「まあ構いません。
ミオ様が気にする事ではありませんので……」
in:メインボード
「……そうですね……価値がすり減る事にこれといった恐怖を感じないからでしょうか」
答えは半分ずつ当たっている。
複製されるから、と諦めるより。
そうして死ぬ事に怯えは無いのだ。
ただアナの中では、そうもいかないのだろうから。
「1.5個分……くらい……?」
in:メインボード
「行った事ありませんし……近くまでも嫌です…」
そういう部類なのかどうかも分からない、というのが正直な所だ。
食わず嫌いに似ているのだろう。
それでも好き好んで潜るようなひとは、ひと握りしかいないだろうが。
「……?はあ、まあそうですが……。
今どきお菓子の方が高いでしょうね」
驚きの3桁プライス!
だがあなたは知らなくても良いのだ、そんな事は。
in:メインボード
「りっちゃんですか……」
前ではなく後ろから取るとは新鮮だ。
ウリボーとかじゃないだけ良かったかもしれない。
「クラアナは……怖いですし…。
お客様は……そう、たまに取っておりますが……
大概は食費行きでしょうか」
in:メインボード
「いえ…名前なのですが………まあ、お好きにどうぞ……」
本人としてはつまらなくはない。
その名前で呼ばれ続けているし、ハナというあだ名は使えないのだから。
「……私は価値が低いので、すぐ死んでしまうんです。
複製されると記憶を無くしてしまうので、今の私がどれ程知識を溜めたり趣味や嗜好を見つけても。
数日後には無くなってしまいます。
……なので、あんまり意味は無いかと」
in:メインボード