CuraanaNow
息を吐いて。
もう二度と潜る事の無い、クラアナに背を向ける。
感慨を浮かべる程、その穴蔵に愛着も無い。
向かう先では、生存の権利が、永久に確約されるのだと言う。
――さて、キカイが言葉とその意味を違えなければ、だが。
in:クラアナ付近
クラアナを望む。
何度と無く、足を踏み入れて。
同じ数だけ、此処から帰還した。
気が付けば。
キカイの言う、約束の分の、シザイが溜まって居た。
その間も。
理由を見付ける事は、終ぞ出来なかった。
生きる理由も、死ぬ理由も。
さて、キカイの言う事など、微塵も信じては居ないが。
そうで在るならば、自分がその約束の人身御供となるのも、一つか。
生きたとしても、死んだとしても。
"次"が如何すべきかの、指標ぐらいにはなるかも知れない。
in:クラアナ付近
愛着が在る訳でも無いが、幾度も利用した湯舟に、また身を沈める。
一応、これが最後となる、心算では在るが。
さて、憶えの在る顔も無く…まぁ、人付き合いが在った訳でも無し。
見覚えが在るか無いか、程度なのだが、何れにしても。
"脱落"したか、"一抜け"したか。
自分には、関係の無い事では在るけれど。
暫し、沈めた身体を引き上げて。
恐らくはもう訪れる事の無い、湯屋を後にする。
自分が居ようと居まいと、此処は、此処も、何も変わらないのだろう。
in:湯浴み所
見下ろして。
荒れた祭壇を、小奇麗にするでも無く。
小さなうさぎのぬいぐるみを足す。
此処に来る事は、もう無いだろうから。
別れの代わりに、空の酒瓶だけを供えて。
in:宗教施設
薄汚れた、くまのぬいぐるみの祭壇。
さて、こいつを此処に置いたのは、どれ程前だったか。
足も遠のいて居たが、久々にそれを訊ねる。
祭壇を整えて居た者は、如何したのだろう。
…そんなものは、考える迄も無い事だ。
こんな世界では。
in:宗教施設
くまの前に置いた固形食が無くなっている。
あの不味いやつ、誰か食ったのかな…まぁ捨てたんだろ、たぶん。
今日、持ち合わせている棒状の固形食は、良く見れば"とんこつ味"と書かれている。
酒盛りに合うかは知らないが、折った半分を祭壇に添えてやる。
誰が食うのか、捨てるのか、知りやしないけれど。
ぬいぐるみが食べた、とでも思って置けば、多少ファンシーかね。
手に残った側の棒を、噛み砕く。
豚の骨の味がした。
in:宗教施設
穴に潜れないのでやる事が無い暇人。
花壇の如きぬいぐるみ(誇張表現)の眼前に、空の酒瓶を立てる。
価値在るものは奪われるのが常の世。
で在れば、祭壇には無価値を供えるのが無難だろう。
しかし、ご自由にと書かれた花が、未だ花瓶に揺れているのを見れば、その限りでも無いのか。
いや、或いは、花に価値を見出す者が、少ないのだろうか。
――どっちでも良いな。
余らかした固形食(とても不味い)を2、3個、酒瓶の横に置く。
ご自由に、とは書かなかった。
in:宗教施設
でかい図体を浮かべるキカイを、ぼんやり眺める。
あれが汚染でもされたら、エデンは壊滅だろうかね。
その時、真っ先に焼かれるのは、この区画の人間だ。
此処も、"最前線"には変わり無いのかもな。
in:エデンボード
クラアナ土産の赤黒い液体を流し落としながら、深めの呼吸をする。
汚染の浸透率を考えれば、暫くは潜れなそうだ。
呼吸を3つも数えない内に、赤色も無くなったので、湯舟に身を沈めた。
穴に潜らず、湯に潜る…生存価値も下がりそうだな。
in:湯浴み所
知らん間に、ぬいぐるみに花まで添えられている。
お前、ほんとに信仰を集め出したのか。(ちがう)
布の造花を取り出して、ぬいぐるみの頭に括る。
お前は生花より、そっちだろうよ。
頭に花を挿し、神々しさを増した…かは定かでない御神体に、祈る事も無く。
花瓶に水だけ足して、どっかへ行った。
in:宗教施設
人形は、そのままホテルへ向かって歩いて行った。
今宵もカップル不成立か…。
in:娯楽区画
なんかどんどん治安の悪い風景になってくな、今日の娯楽区画は。
繰り広げられる光景を、ただ黙って眺めている。
in:娯楽区画
娯楽施設には、賭博モノが多い。
賭博には、勝利と敗北があるのだから、皆が勝利の甘い汁を求めて、夜に飛び交うのだ。
そんな区画をふらふら歩く人間は二種類だけ。
敗北したニンゲンと、これから敗北するニンゲンと、だ。
これから敗北しそうな顔したニンゲンを眺めていた。
in:娯楽区画
不健康な呻き声の背中を眺め、今日も治安が悪いトコだなと思った。
in:娯楽区画
安らげない沈黙を、何も言わずに見詰め続けていたそうな。
めでたしめでたし。
in:湯浴み所
一連のアクションを、何も言わずに眺める。
歌以外もトンチキの様だ。(無言の失礼)
挨拶には、視線だけで返答したが、それを返答と認識出来るのは割と上級者だろう。
in:湯浴み所
静かな風呂場に、赤黒い液体を流し落とす。
水音も微か。
誰かが話して居れば、その声も響いて聞こえてきそうなものだ。
温かな湯は、言葉さえも裸にするのかも知れない。
って思ってたら、なんかトンチキな歌も聞こえた気がするが、気の所為って事にしておこう。
in:湯浴み所
これでこっちもホテルに歩いて行ったら、"面白い"んだがな。
無言でその背を見ていたが、歩みが向いたのは、狭くて煩い方の様だった。たぶん。
in:娯楽区画
言いたい事が、声か顔に出てたらしい。気を付けないと。
最近は繁盛してるらしいな、あのホテルは。
売り上げに貢献せんと、軽やかな足取りで向かう仮面の探索者を無言で眺めた。
in:娯楽区画
そこは、"僕と一緒に利用してみませんか"だろ。(一般傍観探索者)
in:娯楽区画
この終末の如き世界には、有り触れた。
試行と実験の、一人に過ぎない。
永久生存権を得た。
キカイがその言葉と意味を違えない限りは、それはもう死の暴威と相対する事は無い。
-extra-
・冷たくも無いが、優しくも無い。
・口は悪い。
・意味が無ければ死ぬ気は無いが、意味が有れば死んでも良い。
・バディは居ない。(コミュ障)
▲-extra end-
不要情報
・0デス…と思ってたら、1デスしてた事になってたみたい。
正直、初期のゴタゴタで、何時死んだ事になってたのか、わからん。
・黙々とソロ探エンジョイ勢だけど怖く無いよ。お話しよ。(ただし口悪)
・最深潜行深度1700(10/1)。 → 最深潜行深度40(2/1)
・ゲームプレイを終了致します。有り難う御座いました。
▲情報終了