CuraanaNow
「…気を付ける、ことにする」
リフト降下の寸前に少年を片腕で抱っこした男が生真面目に頷いた…。
in:クラアナ付近
「ああ。宜しく頼む。
……成長期では、ないと思いたいんだが…」
これ以上伸びたらどうしよう。
そんな懸念を抱きつつ、クラアナへ。
in:クラアナ付近
「すまない、待たせた。…手違いで少しばかり…」
戻ってきた男はなんか一回りデカくなっていた。更に。
複製の手違いなのだろうか。
in:クラアナ付近
「グルームで構わない。
俺はオーバードーズの道具だ。あんたの道具でもある。…では、後ほど。頼んだ」
それだけ言うと、男はゆったりと汚染した部位を引きずるようにして、去っていった。
オセン戦の後遺症のリセット。死を選ぶには十分な理由、ゆえ。
in:クラアナ付近
「模擬生体はこれ以上適合は不可能…潜り直しの世話をかけるが、最適化はしてみせる。
ええと…オーバードーズ…ではなく。オーバーホール、だったな」
in:クラアナ付近
「…いや。俺は、護るだけだ。道具としての役割を果たしたに過ぎない。別に、いい。
少し休む。オーバードーズも、単独では潜らないでくれよ」
淡々と言い残すとさっさと立ち去ってしまった。
in:クラアナ付近
何度オセンの前に立ち塞がって、何度叩き潰されたろう?
それでもリフトから降りて、オーバードーズの横にそっと戻ってきた男は、しばしの思案ののち頷いた。
「あんたが望むなら」
in:クラアナ付近
「…いや。必要ない。あんたの隣に居ないと、何をしていいか、困る」
道具に主体性はない。自認している男は首を振ると、クラアナへ。
in:クラアナ付近
「……ただの自己満足だよ、道具にも矜持くらいは」
それだけ言い置いて、ゆったりショップへ去ってゆく。
in:クラアナ付近
「……」
白杖の男に半ば抱えられるようにして、男がクラアナから姿を表す。
片足がゴッソリ失われているというのに相変わらずの真顔でいる。
「…模造生体義体も、そろそろ適合が難しい。
オセンの全てを見るまでは、機械義体を継いで、様子を見よう。
あんたがオセンを撃破したら、結局自死申請するのだし。
……まずは手札を整えよう、オーバードーズ」
in:クラアナ付近
「了解した。行こう」
言葉少なに男はうなずいて、貸してもらった杖をついてクラアナへ、もう一度。
in:クラアナ付近
「……構わない。90階層の番人を、見に行くなら、結局はこうなっていたろうし。
……オーバードーズ、あんたを90階層まで送って、オセンと一戦交えて。まだ俺が生きていたら、自死申請を。許可してくれるか?」
その辺に降ろされた男は道具としてのありようを肯定するように、そう言い切った。
in:クラアナ付近
「………ああ。すまない…」
ひとことそう告げると、大柄な男はラボの一角へと足を進めた。
in:研究区画
「……ッ」
80階層から逃げ帰るようにして、1人の男が戻って来る。
大きな外套にくるんで横抱きにしたものは、いつも白い杖をついて淡々とした相方の、己達の製作者の、オーバードーズその人だ。滴る夥しい血液量と折れてしまった白杖が、男の相方の死を克明に語る。
「……すまない、オーバードーズ」
守りきれなかった、とひとりごちて、それからのろのろと研究区画へと足を引き摺るようにして、去っていった。
in:クラアナ付近
「…」
男はただ首を横に振った。
「…オーバードーズのところへ。渡しに行く…」
in:クラアナ付近
「…」
賑わいを見せるクラアナ前に静かに男が戻ってきた。
何か、人間大の…いや、男の外套を掛けられてやや輪郭が判りにくいがそれは正しく人間だった。
半身を欠けさせ、既に息のないミザリーを横抱きにして、賑わいのさなかを通り過ぎて行く。
in:クラアナ付近
「…ん」
快活な相方に肩をすくめ、男は人気のない方へ静かに去っていった。
in:クラアナ付近
「…ああ。すまない」
男の手札は中々揃わない。無表情の中、微かに申し訳なさが滲む。
in:クラアナ付近
無口な男。
PLは定期ゲー初心者です。ロールは滅多にしませんが見かけたら宜しくお願いします。