CuraanaNow
人、案外いたんだなぁ。と言った具合でぼんやり見ている。
in:クラアナ付近
「──久しいな。何もかも。」
二つの影が踊る。
咥えた煙草の煙はゆらゆらと、まるで目の前にいる巨大なキカイを嘲笑うかのように駆け回る。
「すべては、いつも通りに。」
異常も、慣れれば日常へ。
in:クラアナ内部
「……久々に動いた、が。」
黒く禍々しい篭手に覆われた手を開いては閉じ。開いては、閉じ。
感触を確かめた頃に、張り付かんとしたキカイへ、ノールックで武器──長い工具の投擲を決める。
「…急所は厳しいな。全身変われば、色々と変わる…か。」
ゆったりと振り向いた先にいたキカイの一部は抉れ、既に動かなくなっている。
それだけ自身が剛力であることも示しており、その結果には満足なのか、頷きながら工具を引っこ抜く。
「強いて言うなら、この先が…まぁ、いいか。目標はすでに……」
それにどうせ自分の命は軽い、と自嘲を込めたコメントは腹の中へ。
咥えていた煙草の煙を義体の肺へと詰め込みながら、再び歩き始めた。
in:クラアナ内部
「……久々に動いた、が。」
黒く禍々しい篭手に覆われた手を開いては閉じ。開いては、閉じ。
感触を確かめた頃に、張り付かんとしたキカイへ、ノールックで武器──長い工具の決める。
「…急所は厳しいな。全身変われば、色々と変わる…か。」
それでもキカイの一部は抉れ、既に動かなくなっている。
それだけ自身が剛力であることも示しており、結果には満足なのか、頷きながら工具を引っこ抜く。
「強いて言うなら、この先が…まぁ、いいか。目標はすでに……」
それにどうせ自分の命は軽い、と自嘲を込めたコメントは腹の中へ飲み込む。
咥えていた煙草の煙を義体の肺へと詰め込みながら、再び歩き始めた。
in:クラアナ内部
「うむ。こういう時はなんだったかな。」
軋み、歪み、断裂していた空間で、女が首を傾げる。
目の前には先程まで嗤っていたキカイが、顔面へ投げられた土塊によって沈黙している。
「ざまぁみろ、か?…煙草が美味いことしか分からんな。」
まぁいいか、と土塊を回収してさっさとリフトへ向かった。
in:クラアナ内部
「……2度も同じ手は食らわんよ。」
崩壊し、落ちていく。此度は女ではなく、門番が。
ほんの少し前に一度落ちた時とは逆。前の自分の仇討ちを達成したと言うわけで。
「では、御機嫌よう。」
感情の薄い顔と声のまま別れを告げる。
そのまま白い尾を引いて、上へと帰っていった。
in:クラアナ内部
「言い訳がましいが、運がなかったな。」
崩落する世界をぼんやり見上げる。
何が原因と問われれば、これだと言えるものはあるが。
「楽しむのもまた肝要であったかね。」
楽しみがあれば臆病になれると、『今の己の製作者』は言っていたが。
そんなこと。と、煙草に火をつけ、煙を目一杯異形の肺へ詰め込む。
「私には分からんよ。お前達が消した感情など。」
そこに悲しみも怨嗟もない。
淡々と、理解できない問いを煙と共に吐き出し、白い尾を引いて女は深くへ落ちていった。
in:クラアナ内部
「む。煙草の追加。…ああ、ライターはあるから良い。」
ぼんやり散歩中に目に付いたソレ。シザイをどっさりと置いて購入。
一稼ぎした後の楽しみにしようなどと、内心ウキウキで去った。
in:アンダーボード
「…忘れていた……」
40層。ハコ型都市の中、シザイを求めてひたすらに歩く。
ついでに敵が見えれば、限界を超えた踏み込みと振り下ろしを──
「崩れるのを……」
結果、足場が敵と共に木っ端微塵。落ちて死ぬことはなくとも、地味に痛い。
一人で良かったと思いつつ仰向けから跳ね起き、探索へ戻ることにした。
in:クラアナ内部