CuraanaNow
「…………。」
死ぬほど痛くて、死ぬほど怖くて。
頭すら弾け飛んだ、というのに。
「まだ、夢は覚めてない?」
再び目を開いたのは、またこの闇の中だ。
キカイしか見えない世界。煙たい空気。
果たして、これは本当に夢だろうか?
「……身体はここにある。……本当に?
記憶は残っているのなら、脳は同じ、はず」
心は脳に宿るもの、そう捉えている犬にはわからない。
この身体はどこからやってきた?
「確かめなくちゃ。僕の居場所を」
振り出しからもういちど。
in:クラアナ付近
「うまくいったようだ」
自爆用パーツを引き摺り、穴から這い上がる。
『十層には番人がいる』――そんな噂もあったけれど、思っていたよりも損傷は少ない。死闘を繰り広げるつもりがそこまで恐ろしい敵ではなかった。
そして得たのは新しい武器。切り札と言っても良い。きっと死ぬほど痛いだろうが、使われた相手も同じこと。痛み分けくらいにはできるだろう。
「降りた先の敵もそこまで怖くなかったし……懐中電灯でも売っていないかな。
キカイに需要があるとは思わないけど」
市場でも覗きに行こう、と歩き出す犬。
in:クラアナ付近
「足が痛い。……でも、ここで止まっちゃいられない」
片足はどす黒い霧に包まれて、ちりちりと火花を吐いている。
汚染によって動作不良を起こしたナノマシンが再生と崩壊を繰り返す。
普通ならきっと、想像を絶する苦痛を伴っていただろう。だが、同じナノマシンによって痛覚は麻痺させられ動ける程度に抑えられている。
それはさながら飴と鞭。皮肉なものだ。
「もっと深く、もっと先へ……そこなら、きっと誰か居るはずだもの」
凶悪な形をした工具を片手に、昏い穴へ潜ってゆく。
――周りに居るであろう探索者は、その瞳に映らない。
世界線はズレたまま。
in:クラアナ付近
「5層くらい下った、かな。今日は調子が良かった」
昨日とは文字通り桁違いのシザイを持ち帰る。
武器は変わらなかったが、チップは幾つか手に入れた。
心なしか、足も速くなった気がする。
それでも疲労はあるようで、頬がやや引き攣っている。
「……今日くらいはホテルに泊まろうかな。
こんな儲け、毎日出るとは限らないんだし」
行く宛もないのだ。
それに狭い穴ぐらに身体を押し込める気分でもない。
土の上でも眠れる程に消耗していても、明日のモチベーションに関わるのだ。たぶん。
鎚を背負い、荷物を抱えて歩きだす。
in:クラアナ付近
「気は進まないけれど」
大きなハンマーを引き摺って、今日もこの場所へ。
潜らなくてもひと月は生きていられるけれど。
「あのザンガイの底には何が詰まっているんだろう?
壊れたパーツを探れば、もっと良いものが拾えるかも」
――などと言っているが、ただ単に死の淵に立つ高揚が癖になっただけ。
その先に待つのは終わりだけだ。
足取り軽く、闇へと踏み込んだ。
in:クラアナ付近
「今日は良い収穫だった。治療費も宿代もある!
やたら大きい武器しか拾えなかったけど……しっくりくるし」
無事に生きて帰ってきた犬ころひとり。
煤けたハンマーを引き摺って、手頃な寝床までふらふらと。
薄布被って丸まって、うつらうつらと船を漕ぐ。
「明日はもっと深く。まだここじゃ終われない」
決意を胸に、瞳を閉じる。
in:就寝施設
「…………。あと一回だけ」
大斧を杖にひとり這いずってゆく影。
in:クラアナ付近
「どっと疲れた。全身が痛い。筋肉も皮膚も骨も」
大きな斧を引き摺って昏い穴から這い出てくる犬。
血塗れで汚染だらけ、比喩でなく満身創痍だった。
「たったの三階だよ……今日はもう止めておこう。
この調子じゃ明日には死んじゃうよ」
帰る気力もなければ家もない。
しっかりと斧を抱えて、邪魔にならない所に倒れ込んだ。
in:クラアナ付近
「どうも日銭を稼がないと生きる権利すらないらしいね、ここは。
厭だなあ、僕はずっと夢見てたいのに」
深く昏い闇を湛える大穴を前に、生身の人間ひとりぼっち。
頑丈なだけの粗雑な棒を持ち、ゆる、と辺りを見回した。
「皆、誰かを求めている。何かを望んでいる。僕と同じ」
連れ添う相手もいないまま、黒の海へ飛び込む。
「きっと大丈夫」
in:クラアナ付近
「大きい機械だねえ。ここは機械でいっぱいだ。
空気も良いし、空も近い」
やや背の高い制服姿の少女は、それよりも大きなキカイの影に隠れて区画へ忍び込む。
まるでここに来たばかりのように小綺麗で、浮ついている。
「ずっと夢見るならここに住みたいな」
……どうやら実際、飛ばされた直後のようだった。
放っておけばいずれ追い出されるだろう。
in:エデンボード
注意点**このキャラクターはロール傾向:少女漫画オンリーです**
貴方自身も含め、見えていないものが多々あります。
「少女漫画」での発言者以外の探索者は全て見えていませんし、存在も干渉もされません。
この世界を人がすべて滅びた場所だと認識しています。
メッセージは見えていることがあります。
立待ハチ、異世界から転生した少女。
元の世界は現代風。月を眺めるのが趣味だった。
この世界を夢の一つとして捉えている。
そのため倫理観は薄い。
掠れた低めの声に高い身長。
目立つのを嫌ってこっそりと過ごしている、つもり。
いつかまた、あの星の裏側へ。
【PL】CAOL ILA
【アイコン】まうメーカー 様 https://picrew.me/image_maker/1729225
ログ公開フリー、3L/R18,18G可。
流れが無理そうなら撤退します。相談はお気軽に。
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