CuraanaNow
「………」
奇声、奇行。
その様子は出会ったときそのもので、
「……お前」
死んだのか、その言葉を飲み込んで。
無理な探索をするような性質ではなかったはずだ。
『永久生存権が買えるほど稼げるようになったら』と、
そう言ったから?
廻る思考を一旦振り切り、徘徊する男の手首を掴む。
「……こっちに来い」
何をするにもここでは悪目立ちしてしまうから。
in:ブラックボード
「ない」
そう言い切って、グラスに残った酒を飲み干す。
帰る場所はある、でも。
「……『場所』だけあっても仕方ない」
小さく、そう零して。
口を付けた縁を拭って、
からになったグラスをあなたに突き出した。
「……美味かったよ、ありがとう」
in:ブラックボード
「……そうか」
帰る場所があって、いつでも帰られる。
羨ましいとは思わない。
帰る場所はあれど、待つ人はもういない。
「その『訳』とやらが早く片付くといいな」
in:ブラックボード
「……お前は元の世界とやりとりができるのか」
どんな仕組みなのかは分からないが。
「キカイに目を付けられたら大変なことだな」
異世界から来た人間は少なくない。
自分もそうだ。
だが、その出身と未だ繋がりを
保っているものを見たのは初めてだ。
in:ブラックボード
バレちゃった(当然だね)
「……内部構造が気になった」
カクテルシェイカーもリキュールも、
このグラスだって。
一体どこから出したものなのか。
in:ブラックボード
本当に出てきた。
どこからともなくカクテルが。
「…ああ、ありがとう。頂くよ」
グラスを受け取り、一口。
コーヒーリキュールの香ばしさと、
牛乳の柔らかく滑らかな口あたり。
「……」
美味しい、けど。
出所が気になって仕方ない。
グラスを傾けつつ、
不躾な視線がコートに向くだろう。
in:ブラックボード
「まあ好きだが……」
取り出されたカクテルシェイカー。
???の顔になった。
いくら趣味といっても持ち歩くようなものなのか。
どこから出てきたのかもわからないし。
in:ブラックボード
「へぇ、いい趣味じゃないか。
人に振舞えば喜ばれるだろうし」
かたちから入るタイプなのだろうか。
容姿からして、作る姿は様になりそうだ。
酒が貴重なこの世界では贅沢な趣味かもしれない。
in:ブラックボード
「………」
一応誉め言葉として受け取っておいた。
無言だけど。
「バーテンダーか何かだったのか」
酒瓶を傾けたまま問う。
過去形な言い回しだ。
ここに来る前の話だろうか?
in:ブラックボード
「名前負けもいい所だよな」
きれいな花も、花言葉も。
自分にはそぐわないものだ。
自嘲するように鼻で笑って。
本の向きを直し、酒を呷る。
in:ブラックボード
「……ああ、そうだよ」
ぱらぱらとページを捲り、
あなたに見えるよう、本を逆さにする。
ゼフィランサス。
白やピンクの花弁。小さな花だ。
花言葉は汚れなき愛、期待。
in:ブラックボード
「別に」
素っ気ない返事だ。
花が好きなわけでも、興味があるわけでもない。
「……故郷のことを思い出してた。
人間には花の名前を付ける風習があったから」
in:ブラックボード
「……まあな。そんな気分の時もある」
本のページは開いたまま、視線だけあなたに向ける。
読んでいたのは花の図鑑のようだ。
in:ブラックボード
適当な瓦礫に腰を掛け酒を片手に本を読んでいる。
どちらもアンダーボードで購入したものだ。
本は随分読み込んでいるようで
開き癖が付いているところもある。
in:ブラックボード
珍しい煙草があったので購入。
銘柄に拘りはないけど。
in:アンダーボード
何だか視線を感じて慌てて退店していった。
in:アンダーボード
圧倒的存在感を放つものに手を伸ばし…かけてやめた。
こんな人目のある場所で手に取れるわけがなかった。
in:アンダーボード
AV(健全)の余韻で
おっきいわんちゃん…と思った。
in:ブラックボード
"良"になった。
表情は無のままだが。
in:ブラックボード
【わんちゃん猫ちゃん大集合!のテロップが入った動画が流れた。】
in:ブラックボード
妻に先立たれ、腹の子も共に死んだ。
生まれ来る子の為に作り上げた自律型手風琴も、不要となった。
何処とも知らぬ土地に送り出し、行方は知らない。
俺が壊したも同然だと、
これはその『罰』か?
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PLは大体なんでもフリーですが、PC的に塩対応になりがち。
ほとんどブラックボードにしか生息していない。