CuraanaNow
「上級者向け……オシャレと言うのは難しいものだな……」
ふうむとさも真剣そうに悩む合間を経て。
「理解が正しかったのなら何よりだ……。
俺は君と比べると足りていない部分があるのだろう。
これからも経験を積み、その部分を埋めていく」
「行き先も、最適か。
ならば、早速向かうとしよう」
了承を得たとして、
そのまま歩を進め始める。
当然が如くに、揺れるドレスはそのまま。
羞恥心の知識はあれど、感情はなかった。
途中、逸れるあなたの視線の先に、
何かあるのだろうかと気にする動作は、
先日行っていたものと、よく似ていた。
in:アンダーボード
「違うのか。
敢えてサイズ違いの服を好むというのも、オシャレの一種かと考えていたが……」
改めて見ると、実にサイズオーバーしている。
ではなぜそのような服を、という疑問が浮かびはするが、口には出さなかった。
今は移動しようという時でなければ『こういう理由か?』が飛んでいただろうが。
「やめたほうが……いいのか……」
そうか、個体差の考慮が足りないのだな。
対人経験を積む必要がある、などと呟き。
「羞恥心か。回答感謝する。
…… …… 宛はないか…………
ふむ……君の普段の居住区が利用出来ないのなら……建物内、且つそのまま就寝も出来る場所が適すると考える。
確か、あちらの方面には宿泊施設があると聞く。遠くはないはずだが、そこでどうだろうか」
指差した先は、娯楽区画の方面。
in:アンダーボード
「問題が無いのであればいいが。」
ならよしの様子。
「……ふむ、確かに同じ服装は見たことがないな。実用性を重視するのであれば、もう少し傾向が揃ってもおかしく無いはず…… 普遍的に広がっているようだな。オシャレは……」
今度はあなたの服を見つめつつ、ふむふむと頷く。
「む…… ……なんで……かというと、大きく分けて理由は二つ。
俺自身に乏しい感覚なら、実際にオシャレを嗜む人間を観て学ばせてもらえないかというのが一つ。
会話に付き合ってくれている礼というのがもう一つだな。
人前では不可となる理由があるか。
赤面が見られる。羞恥心か?
それも俺にはない感覚だな……」
小声の言葉を拾いつつ、
現在進行系で挑発可能性有服装の人間は、
こんな時も分析してくれやがっている。
「構わない。場所の宛はあるか?」
in:アンダーボード
「ああ。実用性以外の判断点、たとえば娯楽目的となれば、俺はあまり理解が出来ない。知識は少なく、経験もない領域だからな。
……む、何かおかしい所でもあったか?」
あなたの笑顔は、これにとっては急に見えた。
快不快の混じらぬ真顔のままに、
こてんと、逆方向に首を傾げてみている。
「……オシャレ………」
ひらひらとしたフリルや、
柔らかなリボンを指先でつまむ。
「これらの実用的用途を持たない装飾を、良いと思い、好むということ……か?
社交性や社会適性の証明として良質な服を斬ることとは、また違う……
……ふむ……」
あなたを過去に見つめていたように、
自身の服をじろじろと見続ける。
真剣な様子だった。一歩引いてみれば不審だが。
「……ううむ。うーむ……
……41号。君はそのオシャレの為に、このような服を着てみたいと思うのだな。ならば……やはりこの服、着てみるか……?」
in:アンダーボード
「そうか、ならばよかった」
うん。よし。とうなずく。
キャッチボールが最終的には出来たと言うことにこれの中ではなった。
「理解してくれるか。それは幸いだ。
……着てみるのが楽しい、というのは、
逆に俺には、余りわからないが……」
疑問符を語尾にくっつけながら、
ううむと、身体を捻って己の服を眺める。ひらひら。
「ああ。それが何かの有利に働くものかまでは判別出来ていないがな。
……しかし、その言い方から察するに、君はこの開放感目当てで着たいと思う訳ではないということか……」
更に謎が深まったと、身体と首を捻り続ける。
in:アンダーボード
「見てもわからないことを答えるべき場面だったか。
コミュニケーションは奥が深いな……」
口元に手を当て、ふむ……、とうなる様子。
その際にも手に触れてリボンが揺れる。やわらかく揺れる。
「ああ。ここの店舗の品の中ではかなり安い部類に入る。
俺は常用はあまり考えていなかったが、
服は俺達に取っての消耗品でもあるからな。
替えとして実用的ではあ…… ……」
ぴく。真顔のまま少し揺れた。
それはあなたの驚きに対する動揺(びっくり)なのかもしれなかった。
「…… ふむ、何故、何故かというと……
貴重な体験になるだろう。着たことの無いものを着るのは。
君もどうかと思っただけだ。
動きやすさはないが、普段厚着だと、開放感があって悪くないぞ」
in:アンダーボード
「何って……
ただゴシックドレスを着ただけだが?41」
あなたの方を振り返る。
ドレスがフリッフリと揺れる。
その瞬間もずっと真顔である。
「実に安かったからな。試しに着てみた。
君も着たいなら買うといい……
……と言いたいが、売り切れてしまったようだな。
俺のを着るか?」
in:アンダーボード
「……安さに対して質は低くないと考えられる。
着心地は常用に適すものではないが、
この生地は上質ではないだろうか。
何処から仕入れられたのか、気になる所だ。」
ドレス姿で、虚空にブツブツと呟いた。
in:アンダーボード
「………………」
ガチャリ。グイ。パサ。ガサゴソ………
「よし。」
in:アンダーボード
「………………」
ガチャリ。グイ。パサ。ガサゴソ………
「よし。」
in:アンダーボード
「……目が覚めなかったら、その時は……
次の俺は、危険度の認識を改めて行動するだろうな」
言葉を聞いての一応の変化か、
襤褸の布切れを自分に掛けて、そのまま目を閉じた。
in:ブラックボード
「……………」
アンダーボードを奥へ奥へと降りていった先、
白衣の子供が一人、ブラックボードの黒い入り口へ歩を進める。
「ここがブラックボード。
危険と隣合わせの場所と耳にしたが、
入ってすぐに死ぬような場所ではないらしい。
クラアナよりはマシではあるということなのだろう」
ブツブツと独り言を呟けば、
路地裏に重なる、廃材の山に腰掛ける。
それはベッド、どころか椅子にも通常、なりそうはないが。
「少なくとも、人が寝起き出来る程度の環境ではあると、事前情報もある。ならばそれでいい……」
そのままもたれて、転がっていた。
in:ブラックボード
「…………」
集っている人の向こうの犬を、つま先立ちで覗く。
「愛玩犬か…… これだけ高く、買う者がいるのか?
……いや、いるのか…… いるな……」
「生体となれば維持費も必要だろうに、
愛玩というのはわからんものだ……」
in:アンダーボード
「……」
一人、マーケットの道を歩いては、
右手を握っては開いてを繰り返す。
「……違和感はない。
だが、生存価値査定は下がるか。
これで後大凡4日の命、と言う訳だな……。
働くか ………」
in:マーケット
「自分を無知だとわかっているつもりでも、尚知らないことの方が多いものだ。
似た立場ではある、情報交換も、話を広げるのも、貴重な時間になるだろう」
内緒話であることの必要性は、追求しない。
今は尚のこと。
「む、……そういうものか。意外だな……
やはり、見聞きして確かめないとわからないことというのは多いな……」
同好の士というのは、言い得て妙だなと、付け加え、
「3桁は呼びにくいか……
俺としては、2桁なら呼ぶ分には問題ないと感じるからな。『41号』……うん。
そちらは、好きに呼んでくれてもいい」
事実、同じことだった。
識別されて管理される存在には、分けられる記号があればいいと、ごく自然に、そう根付いてしまっているから。
最後の言葉には、
それも嫌、だからか、と聞こうとして、言葉にはしなかった。
「……少し、善処はしてみよう。」
短く、そうとだけ答える。
「では、俺はまた休む。…こういう時は、おやすみか。
おやすみ、41号」
ゴミのベッドと枕の中で、挨拶をして、暫し見つめ合っていただろう眼を閉じた。
in:アンダーボード
「『個別』……
俺はそうではないから、その可能性を考えていなかった。
これも先入観の弊害だな……。
……同じでも、違う所は多い、な」
「………」
喋りすぎると、という所には、
何も言わずに、あなたを見た。
その時は、観察する視線とは、少し違った。
観察していても、続く笑みの真意を知ることは、
"これ"には出来なかっただろうが。
「……そうか。俺も、コミュニケーションを軽視してはいない。
また話せたら、話すとしよう。……そう持ちかけられるのは、意外だったがな……」
残った片腕で、小さく頭を掻いた。
「……俺は実験体汎用型433号。連絡が必要ならこの名で、
呼称は433でいい。俺が、『次』にならなければ」
in:アンダーボード
「そうか、………、
君も、『そう』なんだな。
それにしては、俺とは離れた考え方の傾向が見られるから、
確信には至っていなかったが」
番号で管理される人間にしては、と、
また視線が向いて、すぐまた伏せた。
「ああ、どんな経験も、たとえ死んでも、次に活かし続ければいい」
未来への不安を覚えず、死への恐怖を知らないものは、
その時もごく、淡々と呟いた。
「……、確かに、あまりわからないな。
俺と同じように、君も作られ管理されるものだというのに、
任務遂行、そして自己の生存よりも、その"嫌"が上に来るのか。
元となった人物の性質なのか、
君が生きてきて形成されたものなのか、……そこまでの話はよしておこうか」
この時は、自分から先に打ち切った。
「なら、一人で潜ることを継続する。その嫌を押しのけても、いい結果にはならないだろう。
後一眠りでもした後に、身体を付ければ、探索も出来るだろうしな……」
in:アンダーボード
何もない場所から目をそらせば、またあなたの方へ。
だがその視線も、ここにきてようやく少し伏せられた。
「不快にさせたか。すまない。
この思いは内に仕舞っておく」
それは謝罪の意志かもしれないし、単なる疲労かもしれない。
謝罪の様子と言うには色々怪しいが。
「管理番号……ああ、あったな。
『それではない方』だ。そっちは俺も覚えてないからな」
身体に彫ってあるぐらいだと。ぽつり。
そして、声のトーンが変わらずに言葉が続いていく。
「冗談ではない。
恐怖や抵抗は、……それも学んで次に活かせばいい」
感情自体がゼロとは言わないようだが、
感覚は通常の人間からはズレているに違いない。
「探索が怖い、身体を失うのも死ぬのも怖いという恐怖は、
他人を盾にするよりは、低位に来るのか?
今の君は、共感出来ない相手に悪感情を抱いていると思うが、」
そんな相手だとしても、使い捨てる気はしないのか?」
in:アンダーボード
「……………」
咎められることもなければ、その所作までじっと見続けている。
時折、目線が逸れた先の方を自分も見たりはしていたが。
「成る程。今は答えは出ない、か。
次の君と会えたら、その時にわかるのかもしれないな」
今はわからない、ならば未来に。
と言っても、それが指すことがわからないわけでもないだろうに、平然と言ってのける。
「知らされている情報が少ない、か。
情報が混乱を招く場合も、余計な先入観になる場合もあるからな。
俺も余り情報はない。番号ぐらいだ。後は身体で調べるしか無い」
「ふむ、防衛本能が働いているようだな……。
立場から考えれば、難儀だろうに。
……怖くて嫌と言うなら、そうだな、
これは提案だが、俺を盾にするか?」
この時も、何でもないことのように、そう言った。
in:アンダーボード
白衣を来た子供。実験体凡庸型433号。
生み出されてはアナへと投入されていく存在。
別の個体が同時に存在しているかもしれないし、いないかもしれない。
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