CuraanaNow
「あー?ぅ、あ~」
あなたは腕を掴む。抵抗はない。
口元は綻び、むしろ喜んでいるようにも見えるだろう。
「うっう!んぁ」
それを回収していく男と、それに疑問を抱かない男。
連れ出されるまま二人は通りを外れていった。
in:ブラックボード
いつぞや見せた異形の特徴は消え、
人のような見た目をした男が姿を見せる。
ふら、ふら、と歩き、
時折奇声をあげ走り出し。
「ぅあ~~っ、あぁうあ~!」
異常者の往くあてない徘徊。
in:ブラックボード
「――ぁ、」
からんからん、と乾いた音。
落ちて、鈍い音。
浅い呼吸と、子守唄。
小さな唄は、やがて砂嵐を流す。
in:朽ちかけの通信機
男がしゃがみ込んでいる。
シケモク集め、上機嫌に鼻歌混じり。
「〜♪」
いつか聴いた、誰かの故郷の唄。
音は外れているけれども。
in:ブラックボード
「ぷるぷるかわいいねー」
悪いスライムではなさそう。
かわいいね。
in:ブラックボード
「ひとがたくさんいるねー」
なんだか今日は騒がしい気がする。
同意代わりにおもちゃのアヒルさんをぷーと鳴らした。
in:ブラックボード
よく寝ていたいつもの場所……道の端を片付けている。
と言っても、シザイにもならない
くず鉄がある程度だが。
持っていたあひるさんの一時保管場所に迷い、
とりあえず頭の上。ぷぴーと鳴る。
in:ブラックボード
アヒルさんをぷーぴー鳴らして遊んでいる。
押したら音がするタイプらしい。
in:ブラックボード
「これは“の"で……これが"と"で……?」
張り紙の文字を指でなぞりながら、
わかるところだけを読み上げている。
内容に興味はなさそうだ。
in:ブラックボード
「ほんとー?ありがとねー」
恐らく一人で帰らせたらドブにもはまるし
そのまま寝るまである。
立てないほどではなく、歩行に難がある程度。
転びそうだし支えてもらおう。
そう思った男は、あなたに寄りかかってやった。
何事もなければ、この状態で
寝床まで送ってもらうことになるのだろう。
in:酒場
「んー……」
ぐいと呷れば、最後の一滴。
初めほど苦しむことなく。
料理も酒も尽きたのなら、帰るだけ。
席を立つと、少しふらついた。
「おとと……てぃおもかえるー?」
この幸せなまま眠れたらさぞ気持ちいいのだろう。
きっと翌日は二日酔いに悩まされるだろうが。
in:酒場
「しあわせだよ。
こわいけど、なにもないより、ずっといい」
偶然川柳などぽつりぽつり呟く。
行儀悪く机に突っ伏して、
グラス越しにあなたを見上げ、眠たげにくしゃりと笑った。
「ごはんも、おさけもおいしいね。
てぃおとおはなしするのも、ぽわぽわしてしあわせ」
酔いが回ってきたのかもしれない。
そんな概念は知らないから、
歪みまくっている眼前の男がそうさせているのだと。
in:酒場
「ぼくはずっとひとりだったから。
なにもなくて、おそとのはなしをきいてるだけ。
……むかしのことなんて、
もっとふわふわしててよかった」
ちびちびとグラスの酒を飲み進め、
追加の注文は要求することなく。
「おぼえてないのはこわくないよ。
いまがなくなっちゃうのが、いちばんこわいから」
in:酒場
硬いパンに齧りつく。
石よりマシのレビューだが、十分美味しい。
「……しんじるとかしんじないじゃなくて、いるよ。
むかしのことはふわふわしてておぼえてないけど、これだけはしってる」
なんでだろうね、なんて。
神を自称する男と同じように、首を傾げてみせた。
in:酒場
手元にある方の肉は手掴みで口に含んだ。
もちゃもちゃと噛めば肉の旨味が溢れ、これまた美味。
表情が思わず緩み。
見上げられる方のかみさまの真似をして、
謎の肉を酒で流し込んだ。
「ん、かみさま、しってるよ。
あなのそとにたくさんいるんだ。
どろからいのちをつくったり、
たくさんのあめをふらせたりできるの」
でもみたことないなあ、
と酒独特な喉の違和感に咳払いをしながら。
in:酒場
一口二口、水を飲むような感覚で飲んだ瞬間、
すぐにグラスから口を離す。
味は嫌いじゃないが、甘い香りとは裏腹に、
一気に飲んではダメなやつだと理解した。
「……!……っ!これ……んぁ〜……」
苦しむ男の頭には、先ほどと変わらず小さな宇宙。
ぼんやり光る星はさながら誘蛾灯のよう。
誘われた虫が、投影されているだけの光る星をすり抜ける。
「ふぅ……ふぅ……かみさま……?」
いろいろ話していたことが吹き飛んだような気がする。
押し付けられた肉とあなたを交互に見た。
in:酒場
「てぃおっていうんだ」
押し付けられたグラスをワ、ワ、となりながら両手で持ち、
不思議そうに色の付いた水の中を覗き込む。
揺れる液体に、ふわりと果実酒の甘い香りが漂った。
「いせかい……んー……そうなのかな……。
でもね、ぼくはね、ここにくるまえも、
くらいくら~いあなのなかだったよ」
これのんでいい?と聞くか聞かないか、
乾杯の声も待たずに、グラスの酒を呷る。
in:酒場
「いらないなー……」
わざわざ置いてないものを持って来たりはしない。
「ずうっとじゃないよ。
さいきん?いつのまにかあそこにいた」
今は家に住めているとも付け加え。
「……ねね、おなまえなあに?
ぼく、なんじじゃなくて"るか"だよ?」
in:酒場
「えっとねー……おにくがいいな」
総評を聞くに、一番良さげな肉料理を選ぶ。
ただ、読み上げられただけでは
どれが何を指しているのかはわからない。
変なものを頼んでしまわないよう、
後の細かい注文はあなたに任せるつもりでいるようだ。
「……いしってたべれたの?」
食べれません。
in:酒場
「わー……」
見るものすべてが新鮮で、
いろんなものに視線が奪われる。
何度も店内を無遠慮に見回すものだから、
ガラの悪そうないかにもといった客がこちらを睨み、
男の前のクソデカい異形を認めるなり
目を逸らしていったりなど。
「これよめない~」
なお、示された品書きはというと、
文字ばかりで首を傾げた。
in:酒場
彼は話すことができない。
彼は考えることができない。
価値を見せることができなければ、
すぐにでも処分されるような存在だ。
頭部義体化により、意思疎通を図ることが可能になった。
見た目より幼い性格を除けば、一般的な会話は可能だろう。
機械化義体から異形生体義体への換装により、
左頭部に尖った耳と宙を纏う角を持つ。
胴体の義体化を行った。
換装された異形生体義体は半透明で、
体内には星が瞬いている。内臓の類は視認できない。
死を経験した。
頭部義体化は施されており、問題なくやりとりができる。
【PLより】PCがどう思うかは別としてオールフリーのもよう。反応は遅めです。異形化アイコンとプロフ絵反映してないのはPLの怠惰とされています。
なかみ:@flower0mai