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No.473847743
C-Moon
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age:????
sex:Female
height:160cm
weight:???kg
Favorite:unknown
Hate:unknown

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……
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「……まっ、いいかぁ~」

気紛れを起こす時というのは、自分でもわからないもの。
そう納得して、それ以上は気にしない事にした──。

in:死亡者掲載所


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「……あら?」

ひらりと、端の破れた紙が1枚、足元に舞って来る。
誰かに棄てられたものであろう、それ。
放っておいても清掃キカイに片されるであろうもの。

「も~、誰ですかぁ散らかして…………」

元々は綴じてあったのだろう。通し穴を見て。
拾い上げて、描かれているのはこどもが描いたような絵。
さて丸めて捨ててしまおうかと思いながら。
そっと折り畳んで、それを懐に収めていた。

「──あれ?」

理由は、良くわからない。

in:死亡者掲載所


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「そうですねぇ、諸行無常ですぅ。改めましてぇ、
 ええ~、シーでもムーンでも何でもどうぞぉ~。
 またお仕事、お手伝いしてくれると嬉しいですぅ」

お互いの認識を改め直し、あらたな縁が生まれる。
つまるところ探索者としての、儚い協力関係程度の、縁。
どちらか、あるいはお互いがまた、ここに名を刻むまで。
あるいは、用済みとなるまで。

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「なぁんだ、それならお揃いですねぇ。
 ほら、私もココにぃ~。
 死んでるのに生きてるって、ヘンなの。笑えるぅ」

それから少し後の行が指差される。
『C-Moon』と確かに、小さく記載がある。

「……えへ~。っていうかですねぇ。
 多分前世ちゃんのお知り合いさん?です?
 その辺、ど~も引き継がれてなくってぇ。クゥリエ、さん?」

よろしく~、等と初対面めいた挨拶を口にしつつ、
首を傾げた。

in:死亡者掲載所


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「ええ~。何だかこれを見ていると、落ち着くんですぅ」

指差し確認して、誰ともわからない名前を追いながら。
くるりと声の方へ振り返る。

「なにかいい事あったのかい?ですかぁ!
 えへへ~、なぁんにもありませんねぇ!
 そういうあなたは、どうですかぁ?」


in:死亡者掲載所


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「……ええ~?人違いですぅ?ホント?
 って、あ~。行っちゃったぁ」

ま、いっかあ。と一人呟き。
再び死亡者リストへと目線を戻すのだった。


in:死亡者掲載所


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「わあっ!ハローハロー!お久しぶりですぅ!
 ええ〜〜っとぉ〜〜〜」

びゅんびゅんと身体の前で手振り身振り。
あっちへいってこっちへ戻って、ぐるぐる〜。
着陸。出てきた答えは……。

「……えへへ〜。どちらさまでしたっけぇ。
 あ、前世ちゃんの方で会ったことあるのかな!
 シーになにか御用ですかぁ〜?」

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「ふん、ふふ~ん♪」 

キュィ キュイ。妙な音を鳴らしながら、上機嫌で死亡者のリストを眺めている。

in:死亡者掲載所


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「……ええ、幸福な結末を迎えられるように。
 こちらは、楽しみに待っていますよ、きの」

目を輝かせてやる気を見せるこども。
それに、笑顔で頷いてみせた。

「また、ここで。
 ……待っています」

約束を交わして。
また、ここでと。運命が繋ぎ留まるように。

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「……ふふ、それではこちらは、囚われの姫ですね」

ちいさなこどもに、物理的に護られる姿を想像して。
我ながら愉快で、くすりと笑みがこぼれる。

それから、取り出された用具と言葉。
自信のありげなこどもの表情に、ふむ、と首肯して。

「それはいいですね、きの。
 そちらが描いた絵本を読める時がそのうちに来るなら。
 日々を過ごすのも楽しみになるというものです」

果たしてどんな内容を描こうというのだろうか。
興味の惹かれるところでもあり。

in:死亡者掲載所


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「竜殺しとは、恐れ入ります。
 きのも、勇者のように強くなれるとよいですね」

うん、うんと相槌を打ちながら。
ふとこちらへ投げかけられた問いに、うん?と首を傾げる。

「……好きな絵本ですか。いえ……。
 こちらには、そうしたものはありません」

小さく首を振る。絵本についての知識は多少なりとあれど。
思い出に残っているものが、果たしてあるのか。
──今は、記憶にない。

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「王道の物語のようですね。
 ふふ、きのはお姫様よりは、勇者の方が良いですか?」

英雄譚を読むこどもは、自身を投影するものだ。
それが少女であれば、助けられる姫の側へ。
白馬の王子様を待つような、幼き憧れへと繋がるものだけれど。

どちらかと言えば、このこどもの憧れは、
勇猛果敢な英雄の方へとあるようだ。

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「……そうですね。
 行きたい所は、こちらにはありません」

そうあれかしと望まれて。
ここにあるものなのだから。
それが、自然な事。興味も特に無く。

……不思議と。何故。
それが、この小さな子供との触れ合いには適用されないのか。
思考の隅を、ちらついたのは、考えない事にした。

「……絵本、ですか。
 なにかいいものは、みつかりましたか?」

in:死亡者掲載所


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「……そちらの名が、誰からも呼ばれて。
 優しさを受け取っているのなら……
 なにより、喜ばしい事です」

懐中時計を、小さな手が包んでくれたから。
そっと、今度は手のひらでこどもの頬を撫でる。
それから、問いかけに。……首を横に振った。

「いいえ、何処へも──行けないのです」

30層を越えて、今は40層へ。
その先へ進む度に、何かを失い、削る。
それしか、出来ない。だから。

どこかには、行かない。
どこへも、行けない。

in:死亡者掲載所


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「ええ。……これは、そういうものだから。
 きのに、持っていて欲しいのです」

かつて。
"わたし"が、大切な人に贈ったもの。
思い出せた霞の奥で、少女は笑っていた。
想いを込めて。誰かの為に。

「それに、身勝手かもしれませんが。
 せめて──形だけでも、何かが。
 遺ってくれれば、こちらは、嬉しい」

胸を抑えて、小さく俯いた。
もう、次は。──無いかもしれないという事を。
少しずつ、実感してきているから。

「この奈落で、きのに逢えて。
 こちらは、そう──"たのしかった"のです。
 だから──これが、その印」


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「これを。──そちらに。
 あのとき約束した通りに」

小さな手の上に。少しだけ収まりきらないくらいの。
金色の、枠がひび割れた──丸い、月が。

「……受け取ってくれますか?きの。
 たのしいとは、少し違うかも、しれません。
 それに、時を数える文字盤は、見つけられなかったのですが」

本来ならそれは、黄金月の懐中時計。
月の裏側に、刻を数える文字盤を映し出す筈で。
その、不完全な外側だけが、辛うじて再現されたもの。

「──けれど、大切な。"わたし"の欠片を」

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「……もう叶わないと思っていた事を。
 "わたし"の、欠片を。思い出せた。

 30層の、深森に沈んだ瓦礫の中で」

懐から、掌に握り込めるくらいのサイズの、
何か、きらりと金色に光るものを取り出して。

「きの、手を広げて?」

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「……そうですね。こちらも学びは得ています。
 と言っても……教訓と言うべきものですが」

一度。
そっと、こちらの胸の中心に空いている方の手を置いて。
ふるふると小さく髪を揺らし、十字を切った。

「ですが、その分。
 いいことはありましたよ、きの」

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「ええ、とても。
 もちろん、声が無くともきのは可愛らしいですが」

肯定を示して、そっと頬を、人差し指の背で撫でる。

「……学び、進んでいるのですね。
 素晴らしい事です、きの」

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「おっと……!?」

抱きついてくるのはいつも通り。
それを受け止めて……
いつもとは違う所に、驚く。

「はい、こちらはシー・ムーンです。きの。
 声が……喋れるようになったのですか?」

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Line こんにちはぁ~。
私は、Q……ええと、いまの名前はぁ。
C-Moon!そう、シー・ムーンですぅ。
何か御用ですかぁ?そうでないならお帰りくださぁい。
以上~!

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