回復までちょっと休みます、すいません……!
新
管理タグ N-utv No.773 (ナナミ)
キカイ達が生体の貯蔵、調達の為に作った
『ニンゲン牧場』で生まれ、育った少女。
牧場がエデン側の勢力に制圧され、実行される事は無かったが
キカイ達の手によるニンゲンの繁殖実験に使われるはずだった為、
個体を識別する為の認識タグが埋め込まれている。
タグには、繁殖機能を持ったキカイに対する
(必要な生体材料はニンゲンの男性から採取し、本体内に貯蔵。
将来的には母体側もキカイが担い、より安定したキカイ同士での繁殖が計画されていたらしい)
『この個体を殺すな、解体するな、孕ませろ』
と云った命令が書き込まれており、クラアナを徘徊するキカイの中には
このタグの命令を実行する個体が存在する。
"牧場"に存在したキカイだからなのか、システムや型番として近いキカイだからなのか、
考えられる理由はいくつかあるが、真相は不明。
最近、とある事情の為に
戦う力を殆ど失ってしまったらしい。
旧
管理タグ N-utv No.773 (ナナミ)
キカイ達が生体の貯蔵、調達の為に作った
『ニンゲン牧場』で生まれ育った少女。
通常、牧場で取り扱われる『ニンゲン』は攫ってきた成体が主であり、
管理の際に逃げ出したりしない様"処理"されるのが基本であるが、
牧場に連れて来られた女が身籠っており、そこで産まれた彼女は
牧場を管理していた1体のキカイに引き取られ、育てられた。
"処理"はされていないが、生後間もなく重い病気に掛かった際、
親代わりをしていたキカイにはそれを理解できず
ちゃんとした治療を受けられなかった為、後遺症で視力が弱く身体も丈夫な方では無い。
牧場が崩壊し、救い出された後も
『暴走に暴走を重ねヒトの親の真似事をしていたキカイに育てられた少女』
としてコミュニティでは浮いた存在だが、本人は気にしていない。
性格は呑気で、常にぼんやりと世界を見てきた為
細かいコトを気にしないし、物事に対する反応もちょっとニブい。
栄養だけは十分に与えられていて、発育が良い。
・・・・・
『力』
『強くて、しかもパッと見では分からない義体?
お嬢ちゃん、それは無茶ってもんだよ。強力な義体ってのは
生体を"模した"んじゃなくて生体を"使った"物も多い。
つまり、あんまり見た目をいじる様な余地は無いって事だな』
『ああ、ああ……そんなに凹むなよ。
まあ、全くない訳じゃないぞ。
まずは人間に"擬態"する生物の義体だ。
これは値が張る上に、そんな能力を持った生物の
戦闘能力は大した事がない事が多い。
ま、"コスパが悪い"って奴だな』
『次は、人体の部品を交換するんじゃなくて、
部品そのものを"改造"するこった。
これなら大元は自分の身体だ、早々気付かれるこたぁ無いだろうよ。
こっちの問題は、心身に掛かる負担だ。
記憶力や認識力に影響が出たり、強化の内容によっちゃあ
定期的に投薬を続けなきゃ維持し続ける事すらできねえ。
義体を付ける羽目になった原因によるものを除きゃあ、
義体を付けて早死にする奴はいないが
義体に遜色ない程に肉体を強化すればまあ……良くて寿命は半分。
強くなるのは、生きる為だろ?金も命も捨てる様な施術を受ける奴は、
今ではまず居ないよ……なんだってそんなに生身の見た目にこだわるんだよ?』
『……ああ、そんなに露骨に凹むなよ、なんかこっちが悪い気がしてくるだろ。
まあ、俺もやる奴が居ないとなったら、色々試してみたい事もあるし……
嬢ちゃんの身体をいじらせてくれるなら、やってやらない事もないぜ。
……返品は効かないけどな』
…………
………
……
モグリの義体屋から出てきて、考え込む。
キカイに敗れた時の、打撲や切創は大した事はなく、
陰部の裂傷や擦過傷も、見た目の凄惨さの割に重傷という訳ではなく、
簡単に治療してもらう事ができた。
しかし、五体満足でいられた事を素直に喜ぶ事はできなかった。
自分が弱かったせいで、友人は自分と同じ様にキカイに玩具にされ、
腕を一本失う事になった。彼女で良かった、などと言いたくはないが、
もしこれがアキちゃんと一緒に居る時に起こった事だったらと思うと……
………
……
頬をぱんぱんと叩いて、気合を入れる。
意を決して……私は、今出てきた扉を、もう一度開いた。
『忘却』
『おっ、嬢ちゃんか。最強調子はどうだ?
"アレ"はちゃんと動いてるかい?
……
……物忘れが激しい?それは元からじゃなくて?』
『……なるほど。
それは多分、ナノマシンの感覚調整が悪さをしているんだな。
戦闘用ナノマシンには痛覚を調整したりする機能があるだろ?
嬢ちゃんに入れたモノはそれが少しいじってあってな。
それが暴走して、今嬢ちゃんが言った様な……
"痛覚が他の感覚に調整される"
"感覚が抑えられた結果、動けなくなる"
"記憶の欠損や改変"その辺りは十中八九、ナノマシンが原因だな』
『……困るって言われてもなあ。
今更ソレを抜いたりすると、それこそ生命維持に問題ができちまうよ?
……ああ、ああ。そうがっくりするなよ。
勿論、対策はあるさ。ちょ~っと、
別の問題が発生する可能性はあるが……どうするね?』
他の事は、私が我慢すれば済む話だが、記憶の欠損や改変は困る。
何か大切な事を忘れてしまっていたらしく、人に酷く怒られたりしたし。
……共に探索に出た仲間が、キカイに嬲られ、
破壊される様を見せつけられ。自分自身も傷付けられても。
1日2日もすれば、その事をまるで忘れた様に……あった出来事を忘れてはいないのに。
大した事ではなかったかの様に、心を"調整されている"。
戦闘のフォローをする為のナノマシンによる、重大な越権行為。
店主は色々と、施術に対する副作用の説明をしていたが、
禄に耳には入ってきていなかったし、選択肢も無かった。
『罰』
『よう、嬢ちゃん、最近来ないから心配してたよ。
そろそろクスリも無くなる頃だろ?すぐ用意して──』
『……最近自分がおかしい気がする?
自分や他人を痛めつける事に悦びを感じる……
そりゃあ、嬢ちゃんの元々の趣味じゃないのか?
……いやいや、嫌味とかを言ったつもりじゃなくてな。
ナノマシンが他の感情を調整した結果、
心の奥底に誰しも、ほんの少しぐらい考える事のある
邪な感情が残されて──表に出てきちまうって可能性は、考えられるこった』
『勿論、クスリをやらなきゃ症状は収まっていくだろうが……
施術の後にも言っただろ?お嬢ちゃんに投与したナノマシンは
特別製で、強力な代わりに、主の生命を気遣う事なんてしない様にできてる。
定期的に薬品で抑え込まなきゃ、即死するってこたないが……
遅れれば遅れるだけ、急速に心身をヤられて、余計に取り返しの付かない事になるだろうな』
『……改善する見込みは薄いが、
もう一度嬢ちゃんの身体を弄って、再調整するって手もあるが……
いつもの事だが自己責任だ。これはサービスの範囲外だから……
それなりのシザイも頂くぜ。払えるかい?シザイ』
────
───
──
結局私は、手持ちの全てのシザイと、残りは
分割して支払い、全てが揃った時点で再調整の施術を行ってもらう……
と云う約束をして、店を出てきた。
理不尽で不条理な世界に翻弄され、甚振られる人の姿が
とても輝いて見えるのは、ナノマシンの手出しが無くても
感じている事だが。
それに決して折れる事無く、抗い続ける人の姿も、
同じぐらいに美しいもののはずだ。
……そうでなくては、いけないはずだ。
PL(9/4更新)
※このキャラにスキを見せると、あなたを酷い目に合わせる事があります。
予告をしますのでスキを見せない様にしたり、
適当に逃げたりしてください。
3LOKですがGL傾向・適正が強めかもしれません※
※その辺で見かけた、という体で直にメッセージOKです※
※ロール、あらゆる事を許容します。
キャラクターとしての反応はしますし、特定の関係性を結ぶ事に関しては
そこに至る文脈などを考え慎重になったりはしますが、やるだけはフリー!※
※ロールの公開は恥ずかしい奴以外はフリー!※
Illustrated by 中田ゴンザレス春秋 様
ありがとうございます!