CuraanaNow
世界最後の楽園の昏い天上。
そこへ、灯火に導かれし足音が響く。
声なき叫びが示した座標【-505】へと──。
in:エデンボード
誰が誰を。
書かれた一節目から、目を疑った。
「ころ……した……?」
急に、急に口の中の水分がすべて、固形食に持っていかれたと錯覚するくらい、喉が詰まった。
渦中にはアレがいて、しかし想像だにしなかった言葉が書き綴られていっていた。
「いったい、なにがあった?
あいつが望んだのか?
おまえは大丈夫なのか?
ぜんぶとったって……」
なぜ?なぜ?なぜ?そればかり。
無意識に虐げるのがアレで、それを甘んじて受けるのが、不本意ながらきみたちの関係と認識していた。
加害するのがアレ、加害されるのがきみ、それが反転したかのような……
in:廃棄区画
ふたりではんぶんこ。
これもきみとよくやった事、一人よりずっと楽しくなるおまじない。
受け取ってひと齧り、ここに居着いてしばらく経って、最早このケミカルも慣れた味だ。
「そっか、生きててよかった……
痛かったろ、よく頑張ったな」
きみの生命力は少年も知るところではあったが、あの時でさえ生死を彷徨うほどだったと記憶している。
それ以上ともなると、こうして目の前で生きていて、失われていなかった事にただただ安堵するのだった。
「……ナレハテは、関係あるか?
あいつとは、どうなった?」
in:廃棄区画
触れれた先のきみは、こんなに冷たいものだったか。
きみに感じる違和は大きくなっていくばかりだけど、指先に頬を預けてくれた事が嬉しくて、数度滑らせていく。
そうしてから地面に視線を落として指先を追う。
姿は変われども、ちゃんと文字を覚えていて、自分の知っているきみなのだと、安心を得る。
「そっか、残念だけど……いや、いい……
どうしてそうなったか、教えてくれるか?」
固形食(ストロベリー)
エデンで広く食べられている固形食。旧世界で人気だった果物の味がつけられている……らしい。
懐から固形食を取り出して、きみは甘い味が好きだと聞いたからイチゴのを、包装を剥いて渡す。
食べながら、ゆっくりで良いからと。
in:廃棄区画
「あっ…おい、無理しなくていいっ
声出せないんだな? わかったから!」
なんとか音を出そうといじらしく喉を絞る様子は居た堪れなく、そんな声をかけただろう。
「……暫くぶりに会えたんだ、悲しい顔するなよ」
俯いた顔に手を伸ばして、そっと頬を撫ぜてやる。
"喪った"のか、それとも"戻った"のか、判断はつかないけれど。
「文字は覚えてるか?
またボードでも地面でも、書いて話せないか?」
それにしても、沈んだ色に赤はよく目立つ。
悲しみを帯びた瞳にも、果実のような舌にも場違いな感情を伴って惹かれ、内心そんな自覚に驚き惑わされる。
in:廃棄区画
蹲ってしまった小さいきみに、近付いた足音は真後ろで止まって屈んでみせる。
「──っ」
ついに見てしまった黒い肌に、一瞬人違いかと過ぎる。
が、呼んだ名前で確かに足を止めたから、そうでないと思い直して。
しかし、今度は思考が渦巻く、黒で連想する節から、疑問の言葉を浴びせてしまいそうになる。
なにが、どうして、どうなった、それぞれを言葉にするのをぐっと堪えて、短く吸った息を押し出して吐いて。
「きの、なんだよな?
怯えなくていい、怯えなくていいんだよ」
努めて優しい声で、ゆっくり前に回ってしゃがんで表情を伺う。
怯えているようだったから、大丈夫だよと示して解きほぐそうと。
in:廃棄区画
前に別れたときは笑顔だった筈。
「……どうした?」
それがいつもと様子が変わっていれば、なにか期限を損ねるような事をしたかと、恐る恐る近寄っていく。
手も足も、顔も後ろからではわからないから、何も警戒することなく、気を許した足どりで。
in:廃棄区画
「…………き、の?」
彩色の無い世界でよく目立つ赤い帽子、身体を覆うほど長くて白いクセがかった髪の毛。
そんな後ろ姿を認めれば、思わず自分から声を掛けてしまったのだ。
探索に関する"大仕事"で暫く表に出ることがなかった少年、既知のきみを見つけられて少し安心したかのよう。
in:廃棄区画
「……………。」
Messageへ。
in:ブラックボード
「……聞いてほしいな」
ゆっくりと立ち上がって。
「でも」
「ここだと言いにくいから」
ついてきて欲しいと続けて、ある場所へ案内する。
▶
in:ブラックボード
「ん……」
ぱたん、と本を閉じて。
困ったような、疲れたような表情で顔を向けて。
「そうじゃないけど。
オレ、怖がらせちゃったから……」
だからきっとみな、恐れて近寄らなくなってしまったのだろう、と。
in:ブラックボード
──子供たちの屯すスラムの一角。
本を携えた少年の周りにはしかし、誰一人としていなかった。
いつもであれば、少年野催す"お勉強会"に最低ひとりは集まっていたのに。
今日はそれすらも居ないようだった。
in:ブラックボード
クラアナの周辺に行っても。
廃棄区画に行っても。
結局、きみの姿を見ることはなかった。
もしかして、目覚めた時に自分が居なかったから、迎えに行ったのではと、思い当たって此処まで降りてきたのだけれど。
▶
in:ブラックボード
「……さて」
と、事務所を出て先ずは周囲を見渡す。
きみはシザイを集めに行っていたと聞いていたが、それから時間が経っている。
どこに探しに行こうか……
in:メインボード
「んっ」
槍を隙間に差し込んで、テコの原理で今日幾度目かのハコを開ける。
これまで中身は空か微々たるものか。
「アタリのハコ、見かけなくなったな……」
と、独りごちる。
此処には時たまシザイ価値の高いハコが眠っている。
それを見つけられればいくらか生活がラクになるというのに、最近はからっきし。
少年は、『家族』の分のシザイも集めなきゃいけないのに。
in:クラアナ内部
「……言わない」
アキはきののお姉さんらしいから例外だけど。
基本的にオトナに対してぶっきらぼうだから。
「おまえ、死んだりするなよ。
トモダチなんだろ、きのが悲しむ」
駆ける頃には、隠し通路を教えてくれたオトナも一瞥して行ったのだろう。
in:研究区画
さっき失った分を、気休めのBLOOD+で補って。
「おまえ……言えよ……
いや、言ってもあの時のことはオレ許せないけど」
あんなことされたの、ハジメテだし……
意識を向ければ、確かにまだ"居る"とわかる。
心強いんだか、気持ち悪いんだか分からないけど、なんだっていい。
3人を然と見送れば、薄暗い部屋から明るい通路へ、その姿を消していったのだった。
in:研究区画
「ん、確認した。
じゃあおまえらはあっち。
オレたちはこっちだな……」
そうと決まれば扉に手を掛けて。
お泊まりのお誘いは。
「……はやくいけ。
間に合ったら、そうしよう」
in:研究区画
「あ、武器取り上げられたままだったな」
この区画に入るときに安全がなんだと、持ち込みを禁止されたのだった。
「おまえもそうだろ?
オレ、あれ無いと困るからさ、ついでに取ってきてやる。
もってくから、家教えろよ」
逃げるだけならなくてもなんとかなろう。
むしろ全員で武器を取りに行って、それから逃げるのでは捕まる可能性のが高い、愚行だ。
だから少年はもう一人の囮となって、あとで落ち合おうと。
in:研究区画
次の動きは決まった。
「じゃあ、出ようか」
と言っても、紅白と赤黒を匿えるような場所はあるのか。
きっと少年が思っているより二人は特異で、追及の手はしつこいだろう。
「おまえ、きのと住んでるんだろ?
こいつも連れてってやれよ」
せめて、ほとぼりが冷めるまでは。
in:研究区画
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少年は流れ着いた。 この世界の、此処とは違う場所から。 煤と、泥と、タールと、血に塗れながら。 少しでもマシな暮らしを求めて。 それが 探索者になる事と、引き換えだとしも。 |
近況:栄養価が改善されてすこし体格が良くなった(height:120↑から130↑)(weight:30↓から30↑)
交流
ネイバー・レディ【534173690】
此処に来て初めて会ったやつ。暖かかった、嫌いじゃない。
こいつが傷つけられたとき、凄くイヤだった。
記憶がなくなっていたようだった。おまえじゃないみたいで怖かった。
オレのことは思い出してくれたけど、わかんないことがたくさん。なんで?
ネイバーは死んだ。もう居ない。だいじで、大切だったひとり。
喪うってこんなに哀しくて辛いなんて、はじめて知った。
お墓、欠かさず綺麗にしてるよ。
ワスレス【285544640】
目をつけた二人のうち、弱っちそうな方。
利用して、此処での住処を手に入れた。
おかあさんがいる、ふしぎなやつ。
おかあさんが元気なときに紹介してくれるって。お話してみたいな。
おかあさんとお話した、家族って言ってくれた。嬉しかった。
オレの『家族』、姉さん。
このヒトを悲しませたくない、寂しい思いをさせたくない。
かあさんと姉さんは『家族』だから、とても大切。
キノコの子…?改め、きの【275479332】
よくみかける、よくわからないやつ。
絵本を読んでやった。べつに、気まぐれだ。
ケーキ、幸せって食べたらこんな味なんだろうな。
代わりに少しだけ文字教えてやった。
……たぶん、トモダチ…だといいな。
多分じゃなくて、オレの大切なトモダチだ。ぜったいに。
好きだ。この感情の名前は多分それだ。
トモダチとしてじゃなくてもっと、家族みたいに、好きだ。
ミオ【653203212】※故人
目をつけた二人のうち、強そうな方。
強そうどころじゃなかった、世話になった。
探索のこと、トモダチのこと、家族のこと、おまえ自身のこと…
知りたかった、教えてほしかった、どうして……。
ナレハテ【146592124】
ナレハテだし、ユーティ。
オレこいつのこときらい!
きののトモダチが中で望んでる間はきのを襲わないって言ってた。
危ない奴だけど殺したらきのが悲しむからできない。
シームル【547259324】
探索で何回か組んだ。
ベテランっていうのか、探索に慣れてるやつ。
変なチップを寄越してきた、ひとりのときに使えって?なに?
PL情報
ご不安があれば相談ください。
R-18、R-18Gフリー
3Lフリー
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