気づいたらここにいた。
手足はないけど、自由に動く『手足』がある。
黒で覆われたところが気持ち悪いし、時々意識がどっかに行くけど、とりあえず生きてる。
それにしても、ここはどこなんだろう。私は、誰なんだろう。名前しかおぼえてないや。
あのまま消え失せたと思ったんだが…なんで俺はここにいるんだ?
運命の悪戯か、それとも誰かの『願い』故か………
よくわからんが、ともかく今憑いているのは、似てはいるが俺の知っているモノではない。
世界もえらく悪趣味に見える。
とりあえず俺には目的も何もないし、この子の自由にさせることにする。死んだところで元に戻るだけだからな。
…………汚染度の管理をしくじって倒れた『自分』を見つけた。
狂ったように……いや、俺が狂ったようにと言うのは可笑しいか。理性なく襲ってきた。
そいつの持ってた資材を集めるついでに体を調べさせてみたら…髪で見えない首筋に、番号が書いてあった。
つまり…俺たちは、複製されているのか?どういう目的で?
わからない。わからないが………俺たちは資材を集めて今日を生き延びるしか手段がない。
ともかく探索を続けさせよう。
それしか生き残る手段は無いのだから。