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No.56317
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age:30
sex:男
height:194cm
weight:124kg
Favorite:無し
Hate:自分自身

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iconCuraanaNow

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時刻は夜なのか昼なのか、それを知るのはボードのみ。
名前が記載されていくボードの中に、とある男の名が刻み込まれる。
そして定期的に此処へ赴く筈の男の姿は無かった。
本来ならば、新しく何人目かの複製体として再び生を受ける筈なのに、男は現れなかった。
男は本当の意味で"死んだ"のか、その真実はボードに記載されている名前のみ。

男の名前が刻まれていても、その名の持ち主は二度と現れる事は無かった。

in:死亡者掲載所


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時刻は夜なのか昼なのか、それを知るのはボードのみ。
名前が記載されていくボードの中に、とある男の名が刻み込まれる。
そして定期的に此処へ赴く筈の男の姿は無かった。
本来ならば、新しく何人目かの複製体として再び生を受ける筈なのに、男は現れなかった。
男は本当の意味で"死んだ"のか、その真実はボードに記載されている名前のみ。

男の名前が刻まれていても、その名の持ち主は二度と現れる事は無かった。

in:クラアナ内部


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かつて"男だったもの"はもはや原型を留めていない、所謂"肉片"と化していた。
後に番人の糧とされるのだろうか。
次にこの30層の番人に挑む者がいるのならば、番人の肥料として取り込まれている男"だったもの"が目に入るのかもしれないし、入らないかもしれない。

30層の番人は男だったものには目もくれず、
探索者を相手に使命を全うし続けるだろう。

in:クラアナ内部


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---30層。

男はかつての旧世界の名残で残っている森林地帯を覚束無い足取りで突き進む。

…そうして、現れた。30層の番人が。

男はいつもの様に素早く懐に潜り込み、大鎌で番人を切り伏せようとする。
しかし、右脚が思う様に動かず、バランスを崩してしまう。

『……!(しまった、やらかした)』

男の醜態を嘲笑うかの様に番人は男の首に蔦を巻き付けた後強引に男の口を開かせ、甘い匂いのする毒を大量に流し込まれた。

『……!!…ゔ…ッは……ッ』

首を絞められ、毒を流し込まれ、意識が朦朧としてくる。
そのまま番人は再生をし続けながら男の首に巻き付けている蔦の力を強く締め付けてくる。
男には抵抗をする術が無かった。後もう少しで、倒せそうだったのに―。
そんな思いも虚しく、『ごり、』と鈍い音がクラアナ内部に響き渡り、同時に男の首から上が弧を描く様に吹き飛び、やがて地面に転がり落ちる。
どうにかナノマシンで辛うじて動きだす男に追い打ちをかける様に、太い蔦で胴体が潰され、次に頭部も塵にして、"複製体"が生み出せない様に握り潰された。

…その後、番人は番人としての使命を終えたのか、



in:クラアナ内部


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物凄い速度でハンバーグを食べ進める少女の姿を横目で見ながら男は甘酒を飲んで空にする。
余程腹を空かせていたのだな、とか、こんなに幼い少女が身売りする程この世界の秩序は廃れに廃れているのだなと脳裏に浮かべるも、直ぐに興味を無くして深く考えるのを止めた。

そうして腹の膨れた少女を見守ると、男は二人分のシザイをカウンターに置く。

『……俺はそろそろ行く。
 ……さっき渡したシザイは好きに使うと良い。じゃあな』

男は淡々とした口調で伝えると、少女に引き留められない限り、汚染による侵食化した右脚を庇う様に、覚束無い足取りで酒場から出ていくだろう。

in:酒場


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『……この世界には、手前の様な身売り者がごまんといるのを聞いた事がある。
 …対等になりたいのなら、少なくとも俺の前では"営業"をせず、ありのままに接してくる事が条件だ』

男のシザイは今の所有り余っているが、探索でいつ大赤字になるか解らない。
それに、誰にでも施しをする程余裕がある男ではない。己に余裕が無ければ、今こうして会話をしている少女の事を存在しない者として認識しなかっただろう。
少女にとって見てみたら餌といって同然な男だが、"そういう仕事を築かずともいつかは対等に見てくれる人物と出会えるだろう"…なんて、少女に伝えるだろう。

少女の腹の虫が鳴る同じタイミングでハンバーグが置かれる。

『……俺の奢りで良い。手前が食え』

男はそれだけ言葉を紡ぎ、少女にハンバーグを譲る。

in:酒場


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オレンジジュースを美味しく味わう少女を一瞥した後、男も甘酒を一口啜る。
少女の自己紹介を話半分で聞き、恐らくそのナリではまともな食もありつけていないのだろうと推測し、半ば勝手にハンバーグを注文する。
合成物だが少なくとも食料提供所の固形食よりかはマシな味だろうか。

『……娯楽区画か。俺には無縁の場所だな。
 ……この様な場所まで来て営業しに来たという事は、
 …稼ぎが無かったから出稼ぎに来たのか、はたまた別の理由か』

男はちびちびと甘酒を口に運びながら少女に訊ねる。

in:酒場


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少女の怒涛な質問責めともとれる営業行為に、男は面倒臭そうに目を細めながら店のマスターに甘酒と、この少女の口に合いそうな…オレンジジュースを注文する。

『……人にものを聞く時は、まず身の内から言うのが礼儀だ』

男は遠回しに答えるのも面倒とでも言いたげに、少女に"人としての礼儀"を教えるだろう。
例え周囲からの目線が冷たくなろうと、男はまるで他人事の様に気にも留めないだろう。

『……何度も言わせるな。俺は手前に興味が無い』

男は無表情でかつ淡々とした口調で突き放しつつも、
途中で手元に置かれたオレンジジュースを少女の元へと指先で勧めてくるだろう。

in:酒場


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大声で自分の事を呼ぶ少女の事は、面倒だと思いつつも咎めはしなかった。
先に声をかけたのは自分なのだからと、男はぼんやり考えながらいつものカウンター席に腰を掛ける。

『……言っただろう、"そういう趣味は無い"と。
 ……それに、付き合うのは此方の台詞だ。…話位なら聞いてやる』

少女の放った言葉を訂正するのも面倒ではあったが、それはそれ。
男は一人で飲む方が好みだが、もし少女が望む様であれば、男は己の隣の席を指で指して同席を許可するだろう。

in:酒場


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男は地獄耳なのか、背中から少女の恨めしい声音が聞こえてくるのが解った。
男は扉に手をかけたまま立ち止まると、少女を一瞥する。

『……生憎俺にはそういう趣味は無い。
 …それに、手前の様な者は物乞いと思われても仕方ないのではないか』

この廃れた世界にはシザイが足りず"そういう仕事"をする幼い者が腐る程いる。
その行為は、ある意味物乞いと同じ様なのだと男は認識している様だ。
それが少女にとってどう感じるかなんて事も、男にとっては関心が無く。

男は無表情でそれだけを少女に告げると、今度こそ店内へと足を踏み込んでいく。
…とはいえ、気が乗らないが、少女が空腹に悩まされている事を知れば、子供向けの飲み物と食事位なら奢る事もやぶさかではない…筈。

in:酒場


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右脚を引き摺りながら男が酒場の扉をくぐろうと手を伸ばし、
ふと店の前で"そういう仕事"をする少女が視界に入り、伸ばした手を制止する。
そのまま無視して入っても良かったのだが、男には酒を飲むという目的があり、後々夢見が悪くなりそうだと推測する。
暫く考えた末、男は小さく溜息を溢すと、少女の元へ歩み寄り、数万のシザイと携帯用の固形食を投げ渡すだろう。

男は言葉を発さなかったが、『それで満足したのなら失せろ』とでも言いたげな表情が少女に伝わるだろうか。
男にとってそれは同情とかではなく、猫に餌を与える、その程度の気紛れなものだった。
少女に呼び止められなければ、男はそのまま素通りして酒場の扉をくぐって行くだろう。

in:酒場


icon
汚染で侵食化した右脚を引き摺りながら、男は目的も無く冷やかしをしながら彷徨い続ける。
そのまま区画を通り過ぎようとした所、商人のキカイに呼び止められ、渋々何事かと応ると、"居住権"なるものが売り出されているので買ってみないか、という勧誘だった。

確かに雨風を凌ぐのにはうってつけかもしれないが、多少男にとって狭く感じるものの、就寝施設で寝泊まりしている男には関係の無い話だと認識した様で。
提示された額は払えなくはないが、永住権にも興味が無いのだから尚更手を出す気にはなれず。

『……住めば都、か。
 ……だが生憎興味は無い。別を当たるンだな』

男は誘惑を振り払うと、覚束無い足取りでその場を去っていった。

in:マーケット


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この施設に来るのは久し振りだ。
男は受付にシザイを渡し、案内された部屋へと足を踏み入れれば、そのまま背中からぽすりと狭いベッドに倒れ込み、胎児の如く丸まって瞼を閉じる。
疲れが溜まったのと酒のせいか、数分経たぬうちに眠りにつくだろう。

in:就寝施設


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再び甘酒が置かれ、男はそれをくいっと一気飲みをする。
先程読んでいた聖書は一旦置いておく事にして懐にしまい、今はただ酒による娯楽を楽しむ事にした。

男は次第に酔いが回ってきたのか、頬が紅潮している様に、また光が宿っていない瞳には虚ろな目に見えるだろう。
男にとってこの時間は誰にも邪魔が入らない、唯一の至福の時だった。

しかし、クラアナという存在がある以上、その至福の時は一時的なものに過ぎない。
だが男は酒の余韻で雰囲気的に気分が高揚している様に見え、カウンターにシザイを置くと、覚束無い足取りでその場を去っていった。

in:酒場


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注文をしてから数分後、男の元に甘酒が置かれ、
男はそれをちびりちびりと一口ずつ喉へ流し込みながら
じっくりゆっくりと聖書の内容を読んでいく。

内容は常人には理解出来ない程の難解な文字の羅列ばかりだが、男は記憶は無いというものの、教会に居た自身の記憶が確かなのなら男は元居た世界では"聖職者だった"という事になり、それならば本の内容が理解出来る事に辻妻が合った。
では何故、己が聖職者であった事について後ろめたさを感じているのか――"今"の男にはまだ解らない領域だった。
唯一解る手掛かりは首の装飾品。…なのだが、男は何故それを身に付けている理由も解らない。

『………ッ』

ちくり。と男の頭に鈍痛が走る。
これ以上調べたらまた前の様に胃液を戻してしまうのかという事を恐れ、どうにか堪え、甘酒を飲む量を増やして口に運ぶ。
たまには酒場で本を読みながらの酒も悪くない…そう思っていたが、男は聖書を読むのを止め、再び甘酒のおかわりを店主に伝え、口直しをするだろう。

in:酒場


icon
汚染による侵食化の影響で右脚を庇う様にしつつ、男は覚束無い足取りで久し振りに酒場へと顔を出そうとしたが、

『キカイ様に奉仕を』
『生存価値向上委員会にご協力ください』
『求ム!反キ組織 情報』
『反キ組織撲滅』

という内容のポスターが貼られている事に気付き、
男はたまたま視界が入った理由でポスターの内容を表情を変えず暫く見つめていた。
生存価値向上委員会と反キ組織がいざこざをしているというのは何処かの風の噂で聞いていたが、男にとってはそれさえも興味が無かった。
もしかしたら近い内に抗争が勃発してしまうのだろうか、とも考えたが、男にとっては例え紛争が起こっても関心を抱くには到底思う気がしなかった。

男はポスターに興味を失ったのか、そのまま扉をくぐり、いつものカウンター席の隅へと腰を下ろし、

『……今回は甘酒で』

男はそれだけ店主に伝えると、先日マーケットで購入した聖書を取り出し、
甘酒が届けられるまでの時間潰しとしてじっくりと読む事にした。

in:酒場


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がきん、とクラアナ内部に金属の金切り音が響く。
巨大なキカイを相手に、男は片腕で武器の大鎌を振り回し、少しずつその巨体を削いでいく。
右腕が汚染による侵食化で上手く動かないが、どうにかなるだろう。
キカイの自爆攻撃を辛うじて掻い潜り、核らしき部分に思いきり大鎌を振り下ろす。

巨大なキカイはやがて音を立てて崩れ落ち、二度と起き上がる事が無かった。
流石に体力にきたのか、男は肩で息をしながらキカイの残骸を見続ける。

『………』

何度も何度も挑み、致命傷を与えられたかつての相手から、どうにか11層への進路を確保出来た事でさえも、男にとってはどうでも良い事。
ただ探索してシザイを提供すれば良い。たまたま、巨大なキカイを倒す必要があっただけ。
それに、ある人物から『"捜し人"を見付けたら教えて欲しい』というお願い事をされたという事も理由の一つだった。
静かになった内部を一通り見渡すが、それらしい人物は見つからない。更に深部へと足を踏み入れたのだろうか。

『………面倒臭い……』

男は溜息を溢しながら地上へと戻った。

in:クラアナ内部


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甘酒をちびちびと口に運んでいる内に、酔いが回ってきたのか、くあ、と大きく欠伸をし。
量はそんなになかったが、腹は膨れたから良しとばかりに己の腹を軽く摩り。
お残しは何だか気になる様なのできちんと完食する。
そして、カウンターにシザイを代金代わりにと置いて、その場を去っていった。

in:酒場


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やがて自分の手元に酒とつまみが置かれる。
本当は甘いものを頼みたかったが、今はそれを食べる気分ではなく、代わりにつまみを一口食べる。

…合成物とはいえ、それなりに味は悪くない。
今後此処に来る事があればたまには甘味だけではなくつまみも食べてみようか。

そう脳裏に浮かべつつ、酒とつまみをスローペースで口に運んでいく。
…やはり甘酒は美味い。酒は少しだけ気分を高揚にしてくれる。
探索なぞせずにずっとこのままのんびり出来れば―…なんて、その願いは叶わない事なのに。

in:酒場


icon
此処に来るのは久し振りだ。
男は汚染で侵食化した左脚のせいで覚束無い足取りで酒場へと足を踏み入れる

『………』

男は言葉には出さなかったが、珍しく人気が少ない。
お祭り騒ぎが丁度終わった後だろうか。
だが男にはそれさえも興味を持たず、いつものカウンター席の隅に腰を下ろす。

『……甘酒…それと何か…胃の消化に良いものを』

酒場のマスターに注文をして、酒とつまみが目の前に置かれるのを待つ。
やはりこの場は一人で静かに飲んでいる方が気楽だ、とぼんやりと胸の内に秘める。

in:酒場



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