CuraanaNow
赤ちゃんウサギを抱えながら辺りを見渡している。
いつもと変わらない人権のない呻きが聞こえる。
in:エンドボード
「うわぁ~~」
残骸のクラアナから見える巨体。目立つ重装備に包まれた出立は
ウサギたちにとって超高級品のようにみえる。
「なんかくれるかな?」「エ~~~⋯⋯?」クスクス⋯
「うで!」「わたしツノがいい」「まよっちゃうね」
高望みせず、弱っていない獲物には興味もなく。
再び3匹ぐらいで徒党を組み、こそこそと移動していた。
in:エンドボード
「みて~!」
くしゃくしゃのシザイを掲げて片足の
ウサギがぴょんぴょん。仲間の元にやってきて
手元のものを見せびらかした。
「なにそれ?」「わかんない」「え~!」
「カイセキしようよ」「そうかも!」
未知のものにきゃいきゃいと喜んでいた。
それは小型の爆弾だったのは、しばらくして判明するだろう。
in:エンドボード
ゴミを拾い集めて口に入れている。
食べられないもの、酸っぱいもの、食べられないもの、食べられないもの、よくわからないもの。
「ぺっぺっ! あぶらまみれだ!あたり!」
二匹並んでゴミの中からゴミのシザイを漁っている。
in:エンドボード
ほげ〜とエンドの空を眺めている。
建物ばかりがひしめいてゴミだけの空だ。
in:エンドボード
「はあ、はあ⋯⋯⋯」
少年を物陰に連れ込んで少し。赤くなったウサギだけが出てくるだろう。
仲間を叩くだけならこんなに疲れたことはない。
ただちょっと、クセになりそうなちょうどいい柔らかさだった。
多少なり爽やかな顔をしたウサギは待っていた人物にほぅっと安堵をついて近寄ろうとした。
一歩、そのふかふかの足が日の当たる場所を踏み出した時
ウサギの動きは止まりカク、カクと呼吸が揺れる音。
まるでそこだけが真空になったような不自然な呼吸音は
ウサギが膝をついた後も続く。
「提供所でBロク、変化あり。機能停止処置。」
無感情な声はウサギが「ハカセ」と呼んでいた人物。
もとより未練も愛着もないのだろう、手を伸ばして命乞いをするウサギを一瞥すればまた別の場所に通信を入れるために踵を返し提供所を立ち去ろうとする。
ペチャ、という 力を失った腕が裏路地に転がった。
例によって、すぐに掃除されていくだろう。
in:食料提供所
「ひ、ひぃい~⋯⋯!ち、血だぁ⋯⋯」
たくさん人から流れるとしぬらしい『液体』。
それをたくさん垂れ流す小さいヒト。きっとすぐ死ぬんだろう。たぶん。
けれどたくさん叫ばないあなたが少し不思議だった。
「ご、ごめんなさいぃ⋯⋯ごめんなさい⋯」
プログラムと肉でできている探索機は『ハカセ』には
逆らえない。恋をするようにできているからだ。
だから、好きなヒトが望むことをするようにできていた。
幸い、少し路地に入れば他人の目はすぐに切れてしまう。
歩けなさそうなあなたを太い腕で強く押し出せば無理やりだが
連れ込めてしまうだろう。
「ハカセ!ちゃ、ちゃんとそこにいてね!
あのこみたいに、置いてっちゃ嫌だよ!!」
in:食料提供所
ほげーー!!とかなんとか叫んでいるウサギは
なす術がないのでされるがままだ。
胴上げがいつ気まぐれに終わったとして探索機としての
性能が終わっているため、ぐしゃっとなる恐怖も
ひしひしと感じているだろう。
「ひ、ひいい~~ そ、そんなぁああーー!!」
これもまた運命かもしれない。
本人の意思はフルシカトのまま、ウサギ生が幕を開けた⋯⋯
in:メインボード
「きゃあああああーー!!!」
悲鳴をあげるべきなのはあなただ。だが、ウサギが代わりに被害を受けたかのような悲鳴に保護者も振り向かざるを得なかったらしい。「どうした」なんて煩わしそうな声がかかるだろう。
「あ、あ⋯⋯や、 あの⋯⋯⋯!!」
一方ウサギはと言うと、あなたからすべきではない音がして大いに驚いたらしい。ダメな音がしたと言うことは、あなたは小さいけれど殴ってはいけない『ヒト』だった。それを殴ってしまった!と青い顔をして、あわ⋯⋯あわ⋯と言葉が浮かばない。頭が真っ白になっているようだ。そして、その光景も保護者にとっては苛立ちの一つだったらしい。
「⋯ああ、始末しておけよ。」
どうやら価値のないもの同士が起こした面倒ごとに見えた様子。
ウサギはそんな権限が自分にあるのかと混乱している。逃げ出すなら今⋯だが。
保護者はきっと許さないだろう。言いなりのウサギに「いけ」と一言いえば⋯従わずにはいられない。そう言う関係だ。
in:食料提供所
「だ、だって、ハカセいつも出来損ないはショウキャクロにっていってるもん…
それ以外だと…えーと………」
ぷに、ぷにと耳が揺れ…頭の中身を検索中。
「ソナーポットはいのちのききをかんじると…
ばくはつてきにふえる!から、燃やす以外は…シュウヨウイハン!ってかいてあります!…ました!」
ならば正しく廃棄されるべきだ!とかなんとか、当の本人が喚いてもしかたのないことなのだが、頭が空っぽなために順を追って気持ちが動くのである。
「だからえっと…監督保護のギムがあるから……
ハカセはハカセではなくなる……?ってコト!?」
ここまでアホなウサギだ。きっと『研究職』につくものにとっては苛立ちのタネのようなものだっただろう。
しかし粗相もしない感情があるものをソレと燃やすことができないメンタル弱者だったら?…もしかすると、その結果がこれなのかもしれない。
in:メインボード
「そんなぁあ~~!!」
「冷たい床にねるのもうモンクいいませぇえん!!
屋根があるところがいいよぉ~~!!」
びえびえと宙で泣いている。知恵も勇気もないので駄々をこねるだけ捏ねた後、生まれた価値⋯コインを見つめてふわふわの手で顔を拭った。
無価値のものだったら『ムシ』される。今は無視されないならば、声を上げるしかない。脳がないから、とりあえず存在していることをアピールしなければ。
「もうもうダイモンダイです~~~!!!!
ソナーポットはただしく廃棄しないといけないんですよぅ~~~!!
うわぁ~~ん!!わからずやのハカセ~~!!
私がフホートーキされてるって知られたら⋯
おしおきされてしまいます!!」
in:メインボード
「ひぃいい!!コウカテスト!?」
膝に向かって話しかけていたがやっとあなたをみた。気がする。
空中座布団に縋り付いているから微妙にブレと残像を残しているウサギの完成である。
「おぼぼ⋯そ、ソナーポットがそんな⋯
えと⋯⋯えとね⋯ハカセがね⋯⋯」
必死に思い出す。なんと言っていたか、それでもう1匹とジャンケンすることになって⋯勝ったと思ったら殴られて負けたことになった気がする。必要なのはその前の話だ。
「ニン⋯ニンチ、テスト?」
そういえばあなたの言うことと一致することがある。
下層で害虫の如く蔓延っていたウサギ⋯改造前のウサギたちだろう。
脅威に感じる人間がいないかのテストだった?
⋯じゃあ『無料』のその後の回収は⋯?
in:メインボード
「カソー⋯?クラアナ内部ではなく⋯?」
そんな話、聞いたことがないとばかりの反応。
ハカセの言うことは絶対だ。許可なく研究所の外にでないこと。
ウサギ以外殴らないこと。おやつはくれないことがあること。
「ナカマ⋯⋯」
目の前の人は知ってる。札を持たされた以外のことが起こったなら今だろう。怖いけど。
仲間に会ってみたい気持ちが半分。どうやっていくのか見当もつかないが目の前にその可能性がある。あるのだが!
「つまり、あなたは⋯ソナーポットを食べたことが!?
え!?下ではソナーポット食べ物!?ひ、ひぃいい~~!!!
ユウソウにて私を研究所にはこんでいただけるホケンは!?」
先ほどもらった免罪符のコインをあなたに突き出している。
意味はない。
in:メインボード
「カソー⋯?クラアナ内部ではなく⋯?」
そんな話、聞いたことがないとばかりの反応。
ハカセの言うことは絶対だ。許可なく研究所の外にでないこと。
ウサギ以外殴らないこと。おやつはくれないことがあること。
「ナカマ⋯⋯」
目の前の人は知ってる。札を持たされた以外のことが起こったなら今だろう。怖いけど。
仲間に会ってみたい気持ちが半分。どうやっていくのか見当もつかないが目の前にその可能性がある。あるのだが!
「つまり、あなたは⋯ソナーポットを食べたことが!?
え!?下ではソナーポット食べ物!?ひ、ひぃいい~~!!!
ユウソウにて私を研究所にはこんでいただけるホケンは!?」
先ほどもらった免罪符のコインをあなたに突き出している。
意味はない。
in:desuana
「……………えっ!!」
手品のように手に収められたこともしかり、
地についた片足しかり。がくがくであったから、ぺたん………とその場に座り込む。きっと、たぶん、これは。
許されたのだ。このコイン1枚で。
「よ、よ、よ……………」
よかったぁ…と考えるのもつかの間。
あなたの気が変わらないうちに退散しなければいけない。…どこに?
「う、う、ハカセぇ〜……!
こわいよぉ〜!!こんなヒトいるなんてきいてないよぉ〜!!」
探索機能がないソナーポットは情けなくまた泣き出すのだった。
in:メインボード
「うぁあああ~~~っ!!!」
この行動は、あなたの目線が近かったこと。それが一番の要因ではあった。
ウサギたちは『じゃれあい』でストレスを発散させるのだが、
とある理由があって、生身の人間には禁止されていた。
その理由は⋯ソナーポットの総重量は90キロ以上であること。
そこから全力で振り下ろされるしなりの効いた腕は、ほぼ殺人的な威力を持つからである。
仲間内でポカポカ喧嘩している姿は微笑ましいのだが、その実音は
ボコ!では済まない。しかし、あなたに『親近感』を覚えていたウサギはつい、つい。
仲間にするように、片腕を思いっきり振り下ろしたのだ。
in:食料提供所
じわり。目にはうるうるを通り越してぶるぶると震えるような水。
まばたきしないように頑張っているのだろう、顔は真っ赤だ。
⋯この反応、本当に幼なげであるから『生後』という表現は正しいようだが⋯
それにしても体の大きさに対して純朴というか、幼すぎる。
「うううううう~~~⋯⋯!!」
ふわふわのおててがぎゅう、と握られた。
毛が逆立っているから、感情爆発5秒前と言ったところ⋯⋯
本当はおやつ一粒は嫌だと思っていたし、
正直研究員たちの鬱憤ばらしの話に付き合うのも嫌なのだ。
でも、そこから抜け出せないぐらい何も知らない自分がいる。
『いじわる』だとか、『つらく当たられる理由』という
気分の概念すら存在しないが、嫌だなぁとモヤモヤはする。
あなたに何も言い返せなくなったウサギは唯一の腕を振り上げた。
▼
in:食料提供所
ガガガーン…
今度はちょっと涙目になった。
日常的に周りから心無い言葉を受けているのだが、同じぐらいの体格であるあなたに対して『親近感』を得ていたらしい。この感動はひとしおだろう。
「セイゴみっかのわたし……甘やかされて…
ハカセぇ…」
うるるん。そうやって保護者を見つめるも無視された。買い物中らしく、またまたウサギはガーン…とショックを受けるのだが。
吐かれたツバの意味も理解できず、次第にふええん…なんて情けない言葉までこぼれてくる。泣くまであと一声といったところだ。
「なぜはたらかずにメシを………?
ソナーポットは1日…ハカセのおてつだいを
してからやっとおやつを一粒いただけるのに……?」
in:食料提供所
ぶっきらぼうな言葉を聞いた瞬間のウサギの
顔ときたらそれはもう言葉通り。
ガーーン……と頭の上にありそうな、
アホ丸出しの顔だった。
あなたのやつれた顔、ちいさな体、決して清潔とは
いえないフード、そして衣類。
「た たしかに………」
その言葉以外反論できない頭らしく、
あなたになぜか両腕を広げた。まるでハグを待つように。
「ソナーポット、『メシ』をオヤにおねだりします!
タンサクキノウはサクジョされましたが、
………………………、 あれ?
シザイがあればここでコウカンして
もらえるはず…つまり あれ?」
……もしや、シザイをもっていない。
そんなヒトがいるとは思いもつかなかったらしい。
フカフカの手は上下に揺れまくっている。
in:食料提供所
「お、おも、おもて……!?」
フカフカの手に埋まるコインをぎゅうと
握りしめた。もし、もし裏だったら…?
考えるだけでも恐ろしい。
命はない。
「ぅぅう…あぁん!そ、そ、そんなぁ……」
こんな恐ろしいもの握っていられない!
とばかりに泣き出す。元々小さなものを挟むのが
苦手そうな手から、ぽろりとコインが落ちていった瞬間。
「あっ!!あっー!ああー!!」
なっさけない声が響いただろう。
キン、と地面から硬いものが跳ねる音がした…6[1D6]
in:メインボード
* ソナーポット・ビーコン
ソナーポット・ビーコンは自立繁殖型探索生体です。
危険地帯を記録しながら損傷した場合は独立して個体をうみ、
育てながら行動するようにプログラムされています。
なおこの生体更新は□□博士の異動により中止されました。
倫理道徳保護法の適用前に研究は中止したため、痛覚遮断プログラムが
適応されていません。廃棄処理も追いついていません。
彼女たちは肉体的および精神的に苦痛を伴う場合があります。
「うおー にげろにげろ いきのびたい
わたしたちは いきのびるいのちだー。」
:PL umimk_2
オールオッケーなPLです。
バディとかはいません!っていっておくと縁がもらえるって聞きました!
23時には寝ます。みんなもねてね。
【▼ 以下RPで開示されていく情報】
【項目1】□□博士のコメント∶不適切情報のため全て削除。
ソナーポット・ビーコンたちが博士の行方を
何度も質問してくるためプログラムから存在を削除。
以降、躁鬱行動を行う個体が少なくなったため経過観察中。
博士にえらく懐いていたようだ。これもプログラムの一つだろう。
【項目2】記録∶ソナーポット・ビーコンは遺伝子を複製しながら繁殖する。
体内にクローンを生み出すがクローンは必ず肢体の一部が必ずかけている。
□□博士曰く、なんらかのバグであるが完全ではない部分をおぎない合う
ソナーポット・ビーコンの特性上修正する必要はないとのこと。
生まれたばかりのソナーポット・ビーコンはお互いを支え合うように立つという。
彼女たちが極めて友好的かつ温厚な性格ばかりなのはそのせいではないかと唱えていた。
話し方、思考、知能指数は全て同レベルであった。
【項目3】『コウビ』:彼女たちは自分の意思でクローンを体内に複製するため
通常の繁殖行為が必要ではない。エンドボードの生活で彼女たちなりに答えを出したが、
それは『理不尽な暴力死』である認識が全体に浸透しているようだ。
【項目4】ミミの機能:柔らかな素材で弾力を持つソナーポット・ビーコンの一部。
切り離すことは死を意味している繊細な器官であり、エサになるものにミミをあて
電流を流し『脳死』させる技術を持つ。鮮度を保ちながら獲物を得ると博士はいっていたが
一体何を目的にこの機能が設定されたかは明かされていない。
そもそもソナーポット・ビーコンは探索機であり、捕食者ではない。
おそらく捕食対象の脳死を目的にしたものではなく、思考回路の爆発的な活性化を
目的にしたプログラムではないかと推測する。
【項目5】特殊個体:ソナーポット・ビーコンがクローンを作り出す過程でなんらかの
特別な刺激を受け、通常より進化した身体能力や思考力を持ち得るものたちがいる。
人間の中でいう『発達障害』や『問題児』である。
生まれた時には見分けがつかず、成長していく過程である時一気に成長するようだ。
【項目6】