Line

No.732676817
アリス
main_img
age:13
sex:Famale
height:141cm
weight:39kg
Favorite:お話、可愛いもの
Hate:大きな音、ひとりぼっち

Comment
*右脚の義体を引き摺るようにしながら歩いている……*
Items
iconCuraanaNow

icon
「……はぁい」

調子に乗らないのはもちろん、そのつもりだから素直に頷いた。
リセアは拘るな、とは言うけれど……憧れと言い換えたっていいのだ。そう易々と切り離せたりはしない。

まだまだ追いかけたい背中であって、頼れる人であってほしい。
追い越したいのも確かだけれど……もうちょっと甘えることを許してほしい。
リセアはアリスにとって、そういうひとだった。

「まるでアタシを怒りん坊みたいに……でも、うん、そうして。
おやすみリセア」

in:クラアナ付近


icon
なあんだ。やっぱり心配してくれる人もいたのか。
遅れてやって来た少し前の考え事の答えに、どことなく嬉しそうにする。
それもまた、リセアの目には拾われてしまうかもしれない。

「え、ええ!? それは……いえ、そうなるのが目標ではあるけれど……」

それはなんかちょっと寂しいというか。
肩を並べて守れるくらいになりたいけれど、……ううん、と考え込んでしまった。

in:クラアナ付近


icon
「う、……それは、まあ、そういうんなら、アタシが強く言うことは出来ないけれど……」

理はかなってる。
クラアナの方が落ち着く……というのはちょっと思うところがないでもないが、個人の所感の問題だし。

それでもやはり、極力ちゃんとした寝床で寝てほしいので、ちょっといじけたような目を向けた。

「まあ、焦ってよくない目にあったのも最近だもの。
そりゃあ無茶なんかする気なくなるわよ。……今日はちょっとびっくりしたけれど」

in:クラアナ付近


icon
「そもそも証人がいるのを誇るような事態が間違いだって言うのよ……ッ!
寝る"こともある"じゃなくて"いつも"寝た方がいいに決まってるでしょ!」

真実だとして問題が帳消しになる訳でもない。
嘘かどうか疑う以前の問題だった。

とはいえ、ズレた話を無視して程追求したいわけじゃない。
決めたのは自分の目標の話で合って、彼女の生活態度ではない。いや、最終的に引き込むつもりだ。

「……そうね、そうなるわね。
うーん、現実的……かしら。まあ、ゴールが明確な方が気は楽なのは確かだけど……」

in:クラアナ付近


icon
「怒るわよ! もう、……もう!
どこでもいいわけないでしょ、風邪引くわよそんなの……ええい、やっぱりアタシ、まずは家にするわ!」

アリスは決めた。心に決めた。決心した。
必ず、かの杜撰脱漏な自己管理を駆逐すると決意した。

「そして、リセアをちゃんとした部屋で寝かせるのよ……!!」

それはもう、握り拳を作るほどに。

in:クラアナ付近


icon
「そ、……れは、必要じゃないかしら……?」

一応宿泊施設もあるはずなのに、どうして野宿したがるのか。
まああれにだって少量ながら支払いは生じるし、節約という点なら一理ある……のかも。いやあんまりないかも。

「そりゃあ場所を選ぶのは当たり前よ!
全くもう、稼ぎがない訳じゃないんだから……」

in:クラアナ付近


icon
「それはまあ、そうなんだけれど……やっぱり難しいかしら。
ていうかちゃんとした場所に住んでないって……どこに住んでるのよ。"前"の場所?」

屋根と壁さえあったら大体OK、みたいな精神の人間が結構いることはアリスも把握するところではあるが、それでもやっぱりもう少し落ち着けるところで落ち着いてほしいと思う所存だ。

「それで、委員会……というと?」


頭に一番に思い浮かぶのは、『生存価値向上委員会』とかいう集団だ。
幸いにして目を付けられたためしはないけれど、それでも怖い噂ばかりが耳に着く。

悪いことはしてないようだけれど……と、ちょっと不安そうにリセアを見た。

in:クラアナ付近


icon
「頑張り過ぎて禁止って……どれだけ頑張ったのよ。ていうか誰に禁止されたのよ」

シザイ集めこそ人間の価値とするキカイが、集め過ぎたから禁止、とするとは思えない。
こそこそ隠れて溜めておいたって、それこそこの間みたいに、監査ついでに徴収してしまえば結局丸儲けだ。

だから他の……まあ、仲のいい友達あたりから言われたのだろうか。
そうだったらいいな、と思う。彼女が誰かに案じられる人だと、ちゃんと認められたような気がするから。

「そうねえ、最近はひとりで行ってるわ。
とはいっても、基本的にはキカイを避けて落ちてるシザイを拾うくらいだけれどね」

暴走キカイを倒して稼ぐには、まだまだ体力が足りていない。
短期決戦ならまだしも長期・連戦はどうにも難しいのが実情だった。

「だから……ううん。永久生存権は、まだまだ遠いわね。
それに、家も何だか買えるみたいじゃない? そっちの方が手軽なら、まず綺麗なところにママを移した方がいいかしら、って」

in:クラアナ付近


icon
ほんとにはやらないわよ、と真偽の定かでないことを言う。
さっきまで往来を気にせずスカートをばたばたしてたとは思えない発言だ。

「ええ、たぶんそいつね。
……なんていうのかしら。動き全部が変わった、というか……ううん。言葉にしづらいけれど」

単純に質量が増えたこと。
踏み出しの出力が跳ね上がったこと。
逃げ足の速さの担保による思い切り。
あとは経験による動作の研磨と、細々とした探索で見繕ったパーツの選定。
その辺りが噛み合って、思わぬ深さまで潜れているようだ。

もっとも、それらの功績で図に乗らないよう、自戒は絶対に必要なことは、立役者たる右の義足が何より雄弁に知らしめている。

「リセアは? 最近はどうだったのかしら。とりあえず怪我はあんまりなさそうだけれど……」

in:クラアナ付近


icon
「ええ、それはもう!
前よりも調子がいいくらいよ、リセアくらいならひと跳びで飛び越えられるんだから」

こつ、と差し出すように伸ばされた右脚は、相変わらずの鈍色だ。
人工皮膜を被せて"それらしく"する術だってあるはずだが、見た目にはあまりこだわっていないようだった。

が、恰好の理由を問われれば、得意げだった顔を俯きがちに逸らした。

「この恰好は……ええと。
物凄く大きなキカイが爆発した時に……あっ、む、無茶はしてないわよ! ちゃあんと、瓦礫に隠れてやり過ごしたもの!」

in:クラアナ付近


icon
さてこの格好をどうしたものかな……と、とりあえず応急処置でぱたぱたスカートをはためかせて汚れを落としていると、聞き馴染みのある声が耳に入った。

すかさずそちらの方に目をやり、満面の笑みで大きく手を振る。

「あ、リセア!」

鞄に詰め込まれたシザイの質量もなんのその。
兎のような足取りで、ぴょこぴょこそちらに駆け寄る。

in:クラアナ付近


icon
「……ふうー。ひどい目に遭ったわ……」

探索帰りと思しき少女が、それなりの量のシザイを抱えてメインボードの方に。……無事なようだが、何だか随分と煤けている。

in:クラアナ付近


icon
そのままにしておけば棒を舐ったかは定かではない。
……が、もしかしたら結構な確率でそうなっていたかもしれない。

それも今や仮定の話だ。
そちらの話に頷いて、倣って棒を屑籠に放る。


「そうね。
これだけって言うのももったいないもの」

言う割に名残惜しそうに先ほどの店に一瞥をくれ、それからようやくニーミアの後を足早に追う。
近いうちにって……明日かしら、明後日かしら、などと随分気の早いことを考えながら。

in:娯楽区画


icon
なんだかそれっぽいことをニーミアが言っていたので、ぶんぶん頭を振って同意を示した。
言葉にしないのは、まだ口に頬ばっているからに他ならない。
まだ食べ歩きの一個目だというのに、もうゴールしたかのような様相だった。

とは言え時が過ぎ去り戻らないのと同様に、舐めた飴が縮み、果てには失せるのも道理。
気が付けば仄かな名残だけが口腔に残り、あとは持ち手代わりの棒が一本残るばかり。

もしやこれも舐めれば甘いのでは、と一瞬よぎった卑しい考えを首を振って払い落とすと、それでも視線を先端に注いだままポツリと零す。

「……、娯楽区画ってすごいわね。
まだまだ美味しいもの、あるのかしら……」

in:娯楽区画


icon
全く以て、だ。
これを覚えてしまったら、その内都度都度都合をつけて足繁く通うのは想像に難くない。
恐ろしいものを知ってしまったと怯えるばかりだ。

それでも、それだけの懸念を以てしても味覚の欲求には抗いたい。
ニーミアに齧らせた人形を手元に引き寄せると、先ほどまでの躊躇も忘れたようにぺろりとその髪を舐める。

「…………、どうしよう。
起きてから寝るまでずっと舐められるわ、これ。
棒まで甘いんじゃないかしら」

随分な感想ではあったけれど、嘘偽らざる本音だ。
半ば削る勢いで舌先を滑らせ、しまいにはもごりと頭ごと口に含む。

暫しの硬直。それからだらしのないくらいに目じりが下がる。

「んむぅ、……んふ。んふふふ」

……些か怪しさの強い笑声ではあるけれど、それだけ幸せだということなのだろう。

in:娯楽区画


icon
「んっ」

芝居のようなニーミアの言葉に続いて、唇に意図せぬ接触。
甘い匂いが、真下から一直線に立ち上る。

可愛らしい兎が、食べたがられている。
食べるのがもったいないくらいで、それでも食べてしまいたいくらいの愛らしさの矛盾。

その煩悶は一瞬で過ぎ去って、すぐに答えは出たようだった。

「ふふ、じゃあ……お言葉に甘えて」

擽ったそうに吐息を零し、首を竦める。
それから遠慮がちに、小さく舌先を突き出しちろりと舐める。

最初に感じたのは硬質な毛並み。
それからすぐ、舌先から広がる味にみるみる目を見張る。

甘味そのものを感じたことがないわけではない。
けれど、今までのどれよりも強烈なそれは、新しい味と言っても過言ではなかった。

「……! っ、っ!!」

それからすぐにこちらの飴細工を差し出すと、半分押し付けるみたいにしてそちらの口元に近づける。食べてみろと言わんばかりだ。
質感も構造も、兎のそれと大差ない。だから感覚を共有するのに不便もないだろ

in:娯楽区画


icon
ニーミアが選んだ兎に、こちらの少女をを傾けてお辞儀のような真似をさせ。
一旦路肩に寄ってから、してもらった包装を丁寧に解く。

先ほどよりも間近で、あれこれ転がし舐め回すように、ともすれば視線で飴細工が溶けそうなほどに見る。
いくら見ても飽きない、とはこのことだ。

だから、ニーミアの至極当然な疑問にびくりと肩を震わせる。

「たっ、」

じっと。
飴細工の顔を見た。見てしまった。

食べるのか。これを。
齧るにせよ舐るにせよ、この愛らしいものを跡形もなくして胃に収めるのか。

開きかけた口を、むぐむぐと閉じた。
そりゃあまあ、放っておいたって永久に残る訳でもなし、変に欠けたり溶けたりする前に食べるのが一番いい、のは分かる。

分かるけれど。

「…………、も、もうちょっとだけ見てみない……?」

直ぐに食べるから。
そんな言い訳をぽしょぽしょ零した。

in:娯楽区画


icon
「……そうねえ。
どれも欲しいけれど……」

多少の稼ぎはあれども、これとこれ、を許される財布ではない。
本物の宝石類などには比べるべくもなくとも、あくまでこれは"嗜好品"だ。
余裕のある人間に合わせた価格帯なのは、値札を見ずとも分かる。

うんうんと、視線がひとたび、ふたたび、……合わせて四度ほども往復した後に、どうにか人差し指がひとつを差し出す。

それは、それこそニーミアが人形と見紛った、ドレスを着た少女だ。
髪色は薄く黄に着色され、のっぺりと平坦な顔立ちをしている(これは書き込みや鋏を入れる都合かもしれない)。

「これ、かしら」

in:娯楽区画


icon
「そうね、大人ばっかり。
子供が消えたみたい」

そこについては友人から大人の区域、と聞き及んでいたから驚くこともない。
……いや、嘘だ。こんなに大人が多いとも思ってなかった。子供がまるきりいないまである。

と。
ニーミアが呼びかける。
周囲に散っていた意識が、ニーミアの指先の、さらに向こうに集まる。

「──わあ!」

そこは、食べ物を扱うというより、飾り物の店と言われた方がぴんと来るような店構え。
並んだ商品だって、鮮やかな電飾を照り返して宝石のように輝いている。

しかし鼻腔を刺激する匂いは、確かに唾液腺を刺激する。
きついくらいの甘さに、くらりと来てしまいそうなほど。

ニーミアを追い越すようにして、ぱたぱたと駆け足で店先に向かうと、鼻先を寄せてまじまじと品物を見る。

「……わ、わ。すごいわ、すごいわよニーミア。
どれもこれも、エデンボードのお家にありそうな可愛らしいものばっかりだわ!」

満面の笑みを浮かべ、貴女が案内したことも忘れ見せびらかすみたいに手招きをする。
興奮のせいか、頬に僅かな赤まで差していた。

in:娯楽区画


icon
「そうね、大人ばっかり。
子供が消えたみたい」

そこについては友人から大人の区域、と聞き及んでいたから驚くこともない。
……いや、嘘だ。こんなに大人が多いとも思ってなかった。子供がまるきりいないまである。

と。
ニーミアが呼びかける。
周囲に散っていた意識が、ニーミアの指先の、さらに向こうに集まる。

「──わあ!」

そこは、食べ物を扱うというより、飾り物の店と言われた方がぴんと来るような店構え。
並んだ商品だって、鮮やかな電飾を照り返して宝石のように輝いている。

しかし鼻腔を刺激する匂いは、確かに唾液腺を刺激する。
きついくらいの甘さに、くらりと来てしまいそうなほど。

ニーミアを追い越すようにして、ぱたぱたと駆け足で店先に向かうと、鼻先を寄せてまじまじと品物を見る。

「……わ、わ。すごいわ、すごいわよニーミア。
どれもこれも、エデンボードのお家にありそうな可愛らしいものばっかりだわ!」

満面の笑みを浮かべ、貴女が案内したことも忘れ見せびらかすみたいに手招きをする。
興奮のせいか、頬に僅かな赤まで差していた。

in:娯楽区画



Line 探索で右脚がなくなった。
……これだけ書くと、あっけのないことだ。
いまは機械の脚に付け替えて、どうにかまた探索者として頑張っている。

お母さんは相変わらずで、……ううん、前よりあんまりよくないみたい。
お医者様に見せられるくらいにはシザイも溜められたのだけれど、『治療しても働けそうにない』なんて首を横に振るんだから冷たいものだ。治してみたら、絶対元気になるのに。
しょうがないからお薬とご飯を買って、こちらも相変わらずの看病をしている。

お家の掃除も洗濯も、まだまだなんとかなっている。
だけどやっぱりママがやったほうがきれいになるし、……頭も撫でてくれないなんて寂しいし、やっぱり早く元気になってほしい。


それと、友達が増えた。友達って言うより、もっとずっと大事な場所にいるけど、それ以上の言葉が分からないから、とりあえず友達。

例えば、アタシの憧れの人……の、複製体。生身なのにものすごく強くて、だけど何だか脆い子。アタシの方が守られてばかりだけれど、放っておけない可愛い子。
例えば、ナイト様……というには随分浮気性か。体質柄しょうがないといえばしょうがないんだけれど……どうにももやもやするというか。ていうか破廉恥なので何か手を打っておきたい。
例えば、キノコ人間。言葉は喋れないけれど、理解はしている子。ふかふかで気持ちいい手触りで、それにとっても愛らしい。なかった名前も付けてもらって、とても喜んでいた。生えてる赤いキノコは……ちょっと怖いけれど。

ほかにもいろいろ、友達が増えるかしら。

1
エデンの片隅、アンダーボードの浅い場所。うす暗い脇道よりもちょっとだけ安心できる、廃材を積み上げただけみたいなおうち。そこでアタシは、ページの抜けた絵本を捲りながらママを待っていた。

ママは探索者だ。シザイをクラアナで集めては、キカイに渡して守ってもらう。
クラアナは危ないみたいだけど、ママは強いから大丈夫なんだって。
それから、娯楽街の方でもお仕事があるみたい。手伝いたいと言ったら、あなたにはまだ早いって頭を撫でて止められた。もう子供じゃないのに。

アタシはママが好きだ。パパは顔も見たことないけれど、ママが好きだった人だから好きだ。
ママがあんまり話したくなさそうなのは、寂しくなるからなんだろう。


そんなママが病気になった。
手足にぶつぶつ赤いまだらが浮き出てきて、鼻がぽろりとおもちゃのように零れた。
もちろん仕事なんかできるわけない。シザイ集めなんてもってのほかだ。

ちょっとだけ考えてから、アタシは一つ、妙案を思いついた。
そうだ。アタシがシザイを集めればいいんだ。いつもは諫めるママだって、こんな時くらい許してくれるだろう。

そうと決まれば早速準備しないと。それから、うんと、うーんと稼がなくっちゃ。
生存価値分どころか、ちゃんとお医者さんを呼べるくらいに!


クラアナ探索記録

  • 10/24 危うく爆発に巻き込まれるところだったけれど、何とか大きなキカイを撃破。11層到達。



アイコン・プロフ画像等は佐伯様にいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

また、RPに関してはオールフリーとなっております。お気軽に絡んでください。