CuraanaNow
「……こんなクラアナの中に一人じゃ、さみしいもんね。
いいよ、いっしょにパパのところへ帰ろう」
抱いた身体から、汚染が広がっていく。
生身の身体に、しっかりと。
まるで二人は元々一つだったかのように。
そうして再び、3000層という奥地で00aという探索者は姿を消した。
in:クラアナ内部
「――00aの旧ボディ。ごめんね、ありがとう」
自分と瓜二つの姿をした人形に別れを告げた。
in:クラアナ内部
「ニンゲンさんが自分のパーツをこうかんするのは痛いしイヤなんじゃないかと思うなあ。
大丈夫、強いブキとチップを手に入れればたたかえると思うよ!」
in:クラアナ付近
「ずっと奥までもぐってるけど、不意打ち?はされたことないかも。奥にもぐらずにたんさくすると、後ろからグサってされちゃうのかなあ」
in:クラアナ付近
「旧ボディは異形化パーツを手足に使っていたけど、この00aは安心安全なニンゲンの……もぞうせいたいぎたい? のパーツでたんさくをしているよ!」
in:クラアナ付近
「旧ボディはちょっと体がよごれてクラアナから出られなくなっちゃったみたいだけど。むやちゃんもナースさんも、みんな汚れすぎないように気をつけるんだよ~」
in:クラアナ付近
「……? どれも本物だよ?」
首を傾げている。
in:クラアナ付近
「人形なのでかわりはいくらでもいます。
大丈夫だよ!」
複製体なので別に人形が量産されているわけではないのだが、たくさんいると思いこんでいる。
in:クラアナ付近
「たしか……そう、あたらしいボディがほしくて自分で死んだ……ような」
in:クラアナ付近
「うん、旧ボディ!人形なので!
あ、でも旧ボディとたたかったときに、少しだけ昔のことがわかるようになったよ!」
in:クラアナ付近
「むやちゃん……思い出せるような、思い出せないような……00aの旧ボディといっしょにたんさくしたんだね!00aがだれかの役に立てて、00aはうれしいよ!」
in:クラアナ付近
「つよい00aとよわい00aの旧ボディがあるね。
なんだろ~」
in:クラアナ付近
「ただいまー! 00aの旧ボディと会ってきたよ。
自分がおそってくるって、なんかへんなかんじ!」
in:クラアナ付近
そうして00aは再びクラアナへと潜っていく。
今はもう生身だ、すぐに死ぬことだろう。
in:クラアナ付近
「……? ここは……」
先程と全く変わらない00aが出てくる。
「そうだ、パパのためにえいきゅうせいぞんけんを買わなきゃ」
in:クラアナ付近
「……? ここは……」
クラアナから先程と全く見た目が変わらない00aが出てくる。
「そうだ、パパのためにえいきゅーせいぞんけんを買わなきゃ……」
in:desuana
自称人形は意気揚々とクラアナに向かっていった。
in:クラアナ付近
「そうなんだ!いまからやってこようかな!」
in:クラアナ付近
「旧ボディ!すごい!00aも新しいボディほしい!」
in:クラアナ付近
「あれ?そこのナースさん、たんさく中に見たような……」
はて?と首を傾げる。
他にも探索者っぽい見た目の人はたくさんいたが、生きてる方を見たのは初のようだ。
in:クラアナ付近
とある人形師が自分の子供を改造し、お前は人形だと洗脳教育をし続けて作り上げた戦闘人形。
手足は幼い頃に義手義足に取り替え済み。
人形師はその後、自立稼働の戦闘人形を作り上げることに成功したため、食事が必要で子供らしくうるさい00-Aは処分することにした。
ずっと工房の中で育ってきたため外の世界をあまり知らない。
洗脳下にも関わらず明るい性格が残っているのは人形師の最後の良心だろう。
だからこそ、人形師は彼女を近くに置いておくのが耐えられなかったのかもしれない。
00-Aは永住権を取ってこいという人形師の命令に従い、クラアナへとやってきた。