CuraanaNow
「いいけど、次もおやすみしてないとは限らないよ」
ちょっぴり長いおやすみだから。
片手で自分の瞳を少しだけ隠して。
また見せた。
「あんり。安坂 杏璃だよ」
今は日に日に散り行く星々の一つ。
遠い空の上じゃ声も届かないから。
in:メインボード
「ごめんね……」
後悔する。半端な覚悟はもつものではないな、と。
そんな気持ちもすぐにかききえる。
後の事は考えない性分だから。
「うん……生きていればまた聞けるよ。
なんだかんだ言って賑やかな場所は賑やかだからね」
in:メインボード
「心の豊かさは大事にした方がいいよね。
ここじゃ貴重なものだから」
あいまいな笑みを返しながら二人を交互にみやったり。
「ああ……聞いてたんだ」
熱いような冷たいような奇妙な感覚が胸を刺して。
「うん……しばらく、おやすみかなぁ。
期待していたのならごめんね」
in:メインボード
「どうも……かわいいだなんて久々に言われるかなぁ。
ありがとうね」
笑みをつくって向けて見せて。
「探索者だよ。今は何もしてないかなぁ」
ひらひらと両手を広げて見せた。
in:メインボード
ほら、こうしている間にも、色々なことが起こってる、
私は無関心、しらんぷり。みんながみんな、自分の事で精一杯。
「誰かの希望に、だなんて言っていたころが懐かしいや……」
その歌声に意味はあっただろうか。
誰かを元気づけただろうか、そんなのどっちでもよくて。
今ここにいる私のため息が答えだ。
昔を、数月前を懐かしむことが増えてきて。おばあちゃんになったみたい。
in:メインボード
「……あー、気が遠くなる」
大通りをだらだらと歩く。かつてはあのあたりで歌っていたりもしたっけ。
そんな日々も遠い昔のよう、そんなに時間は過ぎていないはずなのにね。
そういえば探索者の寿命はおよそ三ヶ月なんだとか、月日を数えてどこかで聞いたような言葉を思い出す。もちろんそれより短い人はたくさんいるし、永い人もいるんだろうけど。
行き場のない何とも言えない気持ちがこもってきて、小石を蹴り飛ばした。
in:メインボード
80層
あちこちが歪に曲がり、避けていく空間で、
ねじ曲がった存在と相対する。
曲がった側から修正して、再生して、その時を待つ。
「こんなこと、したくなかったんだけどなぁ……」
内側からうごめく液体生命体が激しく震える。
ねじれて曲がって不定形なそれに影響はなく。
痺れを切らした歪が、その底がない生命力を根こそぎ吸収せんとしたとき。
全て片が付いた。
in:クラアナ内部
「ふぃーっ。50層も一人でなんとかなるものなんだねぇ……」
身体が沈み切る前に牽制攻撃を繰り返し、押し切った。
in:クラアナ付近
「うん、一旦撤収かなぁ」
in:待合所
「今日はだらだら休んじゃおっかなぁ……」
ふらふら。何も考えていない様子。小さなため息。
「あ、待合所。しょうがないなぁ」
言葉と言動が矛盾した女はやれやれと腰掛けたのでした。
in:待合所
「それならそちらに任せてしまいましょう。
負担が大きければ交代する形にしますね」
※了解しました。お待ちしております。ごゆっくりどうぞ。
in:待合所
「ありがとうございます! よろしくお願いしますね!」
笑顔を咲かせて。
「どちらが先導しましょうか。
私は身体の方は丈夫なので、前に立つことはできます、
力の関係上後ろでも問題はないですけど」
胴のみ改造超常のため、前後両対応、ただし後ろだと鈍足。
in:待合所
「探索者は結構いますけど、同じ階層となると、なかなか見つかりませんよねぇ。
よければご一緒しませんか? 丁度50についたところなんです」
にこやかに手を合わせて。
in:待合所
「あの、どうも、待ち合わせですか?」
近い階層で待つ探索者を目にしたものだから、声をかけることにしたようだ。
in:待合所
「今日の分の探索はこれくらいでもいいけど……
50層、来たばっかりだし様子見くらいしておいた方がいいかな」
ふらふら、待合所に顔を覗かせた。
in:待合所
「50層まで来た……随分足止めされたけど
あんまりようやくって気持ちはないな……
倒すまでが花だったよ……植物だけに」
座り込んだ。小さくため息。
in:クラアナ付近
逸る気持ちを抑えきれず、ジュカイを追って奥へ、奥へ、
道を誤って何度か緊急除染を呼ぶことになり、シザイも底を尽きた頃。
「パターンはつかんだ、後は運次第……」
分身、分解。影により反転した再生によってわずかにその身に傷をつけて、最後は超常の一撃を押し込んだ。ひとたび動き出せば手に負えないことは分かっていたから。後は力をつけるだけだった。それがとんでもなく長い道のりだったわけだけど、単身。30階層の突破に成功した。
ぱらぱらと落ちる植物の弦を払い落として。
「シザイ、集め直さないとなぁ」
達成感よりも先に懐の寂しさを感じたそうな。
in:クラアナ内部
「ちょっと試したいことができた……」
奥へ
in:待合所
「結局緊急除染呼んじゃった……今日は寂しくなった懐を温めてくれる相手はいるかなぁ……?」
30層を回る相手を探している。
in:待合所
「……♪ ……♪」
何も考えず、人目も気にせずに適当な歌声を響かせる。
ここはステージじゃないし、私はアイドルでもない。
一人の女の子の、ただの気晴らし。
「……」
だから途中でやめてもいい。
in:メインボード