CuraanaNow
「…………………………。」
とある一画。あまり見た覚えのなさそうな
長い髪の女性が、連なる名前のいくつかに
向けて黙祷を捧げている。
in:死亡者掲載所
「…………き、の…………。」
謝られ、抱き締められ、表情がくしゃりと歪む。
震える手が、恐る恐るあなたを抱きしめ返す。
「いいんだ……いいの……。
私の方こそ、傷付いてるきのを、余計に
追い込むようなこと言っちゃった……。」
もう戻って来ない覚悟もしていた。
戻ってきたあなたの答えが怖かった。
でも、小さな子供は自分が思うよりずっと大人で。
「本当に…………ごめんね」
in:メインボード
「…………ぁ……」
咄嗟には動けなかった。
帰って来てくれた、という思いと、
帰って来てしまった、という思い。
しかし、目の前であなたが転べば。
「きのっ……! 大丈夫!?」
慌てて助け起こしにくるお姉ちゃんだ。
小さな身体を力強く抱き上げる。
in:メインボード
1人、静かに酒を呷っている。
in:酒場
事務所とクラアナの間を繋ぐ道。
よく通るそこで、無意識に周囲を見渡しては、
それに気付いて肩を落とす。
溜息をつくと、静かにベンチへ座り込んだ。
in:メインボード
「さて、それではみなさんもご安全に」
大槌を担ぎ、深淵へと下って行った。
in:クラアナ付近
「あ…………、……はい。ありがたく」
またもらってしまった。でも、もらった
からにはしっかり食べるのだろう……。
心遣いは確かにありがたかったのだ。
心遣いは。
「……ええ、お互い今日も頑張るとしましょう。
それでは、いずれまた」
最初よりは身の入った様子になり。
こちらも小さく手を振って別の昇降機へ
向かった。
in:クラアナ付近
「最近出現し始めた新種の1つ……でしたね。
従来のキカイよりタフで面倒だった記憶が
あります。
それに、暗闇バイオームは環境そのものが
大きな敵。どうかお気を付けて探索を」
真面目な顔をしているが、こちらも手を
うにょうにょさせたり指をチョキチョキして
いるので微妙に締まらない。
「そうですね……20層だとまだまだ現実味のない
額かとは思いますが。いずれ手が届く時は
来る……とだけ、今は」
in:クラアナ付近
「ほほう……それはおめでとうございます。
生身でザンガイ突破は大きな快挙ですよ」
物憂げだったり名状し難い表情だったり
百面相していたが、ぱっと笑顔を浮かべた。
「それに、浮かれて慢心もしていない。
堂に入った探索者っぷりですね。
しかし……値上げの噂は聞いていましたが、
1億まで上がっていましたか……」
あまり気にしていなかったのか、金額を
聞いて少し驚いたような様子を見せた。
in:クラアナ付近
「あ、飴……飴ですか……。
なんというか……独特の香りですね。
確かにキカイには出せない味かも……」
それは褒めているのだろうか。
口の中でコロコロ転がしているが、
しばらく舌に味が残りそうだ……。
「まあ、その当たりの扱いは心得ているので
ご心配なく。
……そういえば、アレ以来余りお話は
聞いていませんでしたが、どうですか?
調子の程は」
in:クラアナ付近
「おや、如月さん……それも、そうですね。
ありがとうございます。いただきま───
───って何ですかコレ!?」
ぼんやりしたままろくに確認もせず口に入れた。
ゲホゲホむせている……。
in:クラアナ付近
「…………探索……行かないと……」
ふらりとやって来つつも、
入口前でぼんやりしている。
in:クラアナ付近
「………………はぁ…………」
夕方頃、不機嫌そうにアナへ降りていった
スーツ姿が昇降機で帰ってきた。
打って変わって疲れきったような物静かさ。
まあ、その脇腹には金属のトゲが
突き刺さって貫通しているのだが。
in:クラアナ付近
───大槌が振るわれる。
それだけで堅牢なキカイの装甲がひしゃげ、
シザイにもならない鉄屑となって
汚染溜まりへと落ちていった。
「…………こんな力……」
でも。
「……こんな力……何の役にも立たない……!」
大事な家族を守るのに、戦う力など
何1つ役には立たなかった。無力だった。
「私は……何の、ために…………」
結局自分は『今度も』失敗したのだ。
良いお姉ちゃんには、なれなかったのだ。
「………………なんの、ために…………」
in:クラアナ内部
バァン!と受付が揺れるほど乱暴に、
探索申請書を叩き付ける。
どんなに態度が悪かろうと、
所定の方法で正式な手続きを踏んでいれば、
それはキカイ的には正しい手順だ。
使用中の昇降機に小さく舌打ちすると、
戻って来るのも待たず、壁を蹴って
深淵へと降りていった。
in:クラアナ付近
「あ、うん。ごめん、ソファしかない……」
だって事務所だもの。
いきなりダメ出しされた気分になった。
ちょっと肩を落としている……。
「……じゃあ、私が先導するから、きのを
お願いね。2人も、気を付けて」
それはそれとして表情を引き締め。
道中の安全を確保しながら、事務所へと
案内するのだろう。
→「TOWN 区画:4」
in:研究区画
「あ、うん。ごめん、ソファしかない……」
だって事務所だもの。
いきなりダメ出しされた気分になった。
ちょっと肩を落としている……。
「……じゃあ、私が先導するから、きのを
お願いね。2人も、気を付けて」
それはそれとして表情を引き締め。
道中の安全を確保しながら、事務所へと
案内するのだろう。
→「TOWN」
in:研究区画
「覚えるよ。きのの恩人だもの」
何やら不服そうだが、一応は付いて
来てくれそうなナレハテに安堵しつつ、
その説得はきのに任せることにする。
「ん、ああ……ちょっと重いから
申し訳ないけど……お願いしようかな。
事務所の場所はメインボード第4区画中央。
詳細な位置は……送っておく」
と、少年のナノマシンに位置情報を送る。
みんなして簡単に囮になろうとするんだから、
と内心ため息をつきつつも、その意思を尊重した。
in:研究区画
「私はもちろんそのつもりだけど。
……本人が納得するなら」
少年の言葉に、ナレハテと呼ばれた
子供に視線を向ける。
「私の事務所なら、きのとあなたの
安全は保証できる。
…………どうかな?」
in:研究区画
「………………、……わかりました」
2人の返事に、重い息をつく。
「申し遅れましたね。
私は特対調査2課、アキ・ミクラ。
こちらはお任せください。
…………また、いずれ」
敬意を込め、青年に一礼した。
in:研究区画
顔に大きな古傷を持ち、スーツで身を固めた男装の女性。
ミクラは特別汚染地域対策所、調査2課に所属する調査員。
待遇は良いが指令やノルマが厳しいことで有名なこの事務所は、
希望者以上に欠員が多く、常に人手不足に陥っている。
性格は真面目で義理固く、忍耐強い損な体質。
顔以外にも服の下は大小さまざまな古傷に覆われており、
疲労困憊かつ満身創痍。年の離れた妹が一人いる。
そして……新しい小さな妹ができた。
NLGL、R18大体フリー。
何をするも自由ですが、全ての行為に好反応を確約するものではありません。
行われた行為に対してはPCとして然るべき反応を取ります。
性的・暴力的・非人道的RPは全て自己責任でお願いします。
なお上記内容も「交流の過程・結果を表現する」目的に限ったものです。
それそのものを目的とした接触はご遠慮ください。