CuraanaNow
「っ、はい……また、お会いしましょう……!」
去っていく背を見送る。
残された小瓶を、そっと両の手で包み……ふと、それが珍しい物だと言っていた事を思い出す。
……本当に、良くされてしまった。
ポケットへと滑りこませ、心の中で呟いた。
いつか、見合った物を返せる様に。
なれるようにと、改めて胸に刻む。
血と錆びと、瓦礫ばかりに思えた中で。
受け取った物が……何気なく、そこに籠められた物が。大事な物に思えたから。
そうして、残された姿も去って行った。
in:メインボード
「あっ……あの!本当に、ありがとう、ございました……!」
離れて行く二人に気付けば、数段声の大きさを上げ。その背へと向け声を掛けた。
そうして見送った後、ディレスの言葉にもう一度。渡された物へと視線を落とす。
食べ物、と聞いて。試しに一つ摘まんでみる。……綺麗だと感じたそれを食べてしまうのが、なんだか勿体なく感じて。
暫く見つめたあと、ひょいと口へと入れた。
……毒だなんて、欠片も警戒していない様子だ。
「…………。………………おいひぃ……」
暫くの間、味わう様に口の中で転がし……。
啜り上げる様な音と共に漏れた声は、微かに震えていた。
in:メインボード
「……………………」
”死ぬのは怖いって思って居る内は”。……その言葉に、どこか寒い物を覚え。微かに吐いた息が揺れる。
そういった言葉が出てくるという事は。
或はいつか、自分も。……そんな思考を、頭を振って振り払った。
「……そう、ですね。……分かりました……ちゃんと、稼げるようになって。改めて、お礼。しますね」
「そんな。こんなにして貰って、呼び捨てだなんて。何だか、悪い気が……ええと……?」
置かれた小瓶を見て、不思議そうに手に取る。回復アンプルでは無さそうだが……
カラフルでどこか可愛らしいそれを、カラカラと揺らしてみた。
in:メインボード
「……親切な方が居て。本当に、助かりました……おじさんも。お兄さんも……」
「…………。そう、ですね。こんな場所で、楽をしたい。なんて、言えた物じゃ。ないですけど……」
「……もし、見かけたら。声、掛けちゃうかも。です」
なんて、と。微かに和らいだ雰囲気で
in:メインボード
「……死ぬのは、怖いです。……でも……何度か、潜って。よく、解りました」
「ちょっと間違えば、運が悪ければ。足りなければ……簡単に、死んじゃうんだ……って。……だから……文句は、言いません」
「……せめて、お礼くらいは。言える内に、言っておきたくて」
「……ディレス、さん。ですね。……レイチェル……私は。レイチェルと、いいます」
in:メインボード
「……"下"、ですか……はい。気を付けます……」
返答はどこか曖昧で、そもそもそれが何を指すのか。
正確に理解している様には見えないかもしれない。
しかし、そういった場所があるのだという事。この人が親切心から忠告してくれているのだと、その事は理解できたのか。
何度も繰り返した礼を、また繰り返すと。頭を下げた。
in:メインボード
「……怪我は、治して貰いました……これは、その……負けた……時ので……」
"持っていかれた"瞬間が過ったのか。顔が俯き、ぎゅっと裾を握りしめる。
「……替えの服も、探してみます……忠告、ありがとうございます…」
「……本当に、ありがとうございます。……
良くして下さって……ぁ、ええ、と。……はい、もし。その……頼らせて、貰っても。構わないなら……その時は、お願い。するかも……です……」
「……返せる物も、多くない身。ですが……」
in:メインボード
「え、ぁ……」
集まって来た姿や、掛けられる声に戸惑った様に。或は一瞬、怯える様に身体が揺れる。
その内容を認識すれば、また深く。フード姿は頭を下げた。
「……ありがとう、ございます……。……その。潜り始めた、ばかりで……どうにか、一人で此処までは。来れ、ましたが……はい。……見事に、やられました……」
「……幻影の剣や、喰らって回復。手数。緊急脱出、ですね……ありがとう、ございます。本当に……」
「同行者、も。頑張って、探してみようと。思います……」
in:メインボード
「…………っ!」
聞こえた声に肩が跳ね。顔が持ち上げられた。
今になって周囲から怪訝な様子の視線を向けられていたことに気が付いたのか、更にびくりと一度肩が跳ねる。
しかし、直ぐに聞こえた声の主へと顔を向けた。
「……ぁ……あの。……ありがとう、ございます……」
年若い少女の掠れた声がそう言うと。深く頭を下げた。
in:メインボード
血塗れになったフード姿が、ショップの方から歩いてくる。
通りの端で疲れた様に座り込み、深く息をついた。
朽ちた看板の様な物に、こう書き込むと。それを抱え込む様にして俯く。
『求:"クラヤミ"の対策方』
『出:出来る事なら』
in:メインボード
待ち合わせの最中か何かだろうか。
そんな風に勝手に納得したのか、視線を外し。
影は昇降機へと向かっていった。
in:待合所
「…………」
クラアナの入り口へと向かおうとするフード姿が、佇む人影に足を止めた。
……そのまま、じっと様子を観察している。
in:待合所
「…………っ!!」
微かに響いた物音に、息を呑んだ。
物陰へと飛び込み、必死で口を抑える。
クラアナ1層。
訳も分からぬまま放り出された場所で、己の"明日"を買うため。
生身のまま。武器もないまま。小柄な姿は、ただ祈る様に息を殺す。
物音は徐々に。少しずつ、確実に。此方へとやってくる。
息が苦しい。心臓が暴れまわり、早鐘を殴りつける。
お願いだから、今だけは静かにして欲しい。でないと、気づかれてしまう————
永遠の様な数秒が過ぎる。怖い音が、音が、すぐそこまで、やって来て……………………そうして。来た時と同じように、ゆっくりと。遠ざかっていった。
何も聞こえなくなっても、暫く物陰で蹲り続けた。
安堵の息が、抑えつけた口元から漏れる。
怖い。恐ろしい。どうして。何で私がこんな目に————押し殺した喚き声は、雫となって零れ落ちた。
帰りたい。帰りたい。帰りたい————でも、どこに?
無いんだ。帰る場所なんて、何処にも。
「ふっ、ぅ˝ぅ˝……っ˝!!」
漏れた嗚咽を噛み殺す。
歪んだ視界を拭い、血の滲んだ掌を突き立ち上がる。
そうして私は、生きる為の一歩を踏み出した。
in:クラアナ内部
「…………っ!!」
微かに響いた物音に、息を呑んだ。
物陰へと飛び込み、必死で口を抑える。
クラアナ1層。
訳も分からぬまま放り出された場所で、己の"明日"を買うため。
生身のまま。武器もないまま。小柄な姿は、ただ祈る様に息を殺す。
物音は徐々に。少しずつ、確実に。此方へとやってくる。
息が苦しい。心臓が暴れまわり、早鐘を殴りつける。
お願いだから、今だけは静かにして欲しい。でないと、気づかれてしまう————
永遠の様な数秒が過ぎる。怖い音が、音が、すぐそこまで、やって来て……………………そうして。来た時と同じように、ゆっくりと。遠ざかっていった。
何も聞こえなくなっても、暫く物陰で蹲り続けた。
安堵の息が、抑えつけた口元から漏れる。
怖い。恐ろしい。どうして。何で私がこんな目に————押し殺した喚き声は、雫となって零れ落ちた。
帰りたい。帰りたい。帰りたい————でも、どこに?
無いんだ。帰る場所なんて、何処にも。
「ふっ、ぅ˝ぅ˝……っ˝!!」
漏れた嗚咽を噛み殺す。
滲んだ視界を拭い、血の滲んだ掌を突き立ち上がる。
そうして私は、生きる為の一歩を踏み出した。
in:クラアナ内部
「…………っ!!」
微かに響いた物音に、息を呑んだ。
物陰へと飛び込み、必死で口を抑える。
クラアナ1層。
訳も分からぬまま放り込まれた場所で、己の"明日"を買うため。
生身のまま。武器もないまま。小柄な姿は、ただ祈る様に息を殺す。
物音は徐々に。少しずつ、確実に。此方へとやってくる。
息が苦しい。心臓が暴れまわり、早鐘を殴りつける。
お願いだから、今だけは静かにして欲しい。でないと、気づかれてしまう————
永遠の様な数秒が過ぎる。怖い音が、音が、すぐそこまで、やって来て…………
…………。…………そうして。来た時と同じように、ゆっくりと。遠ざかっていく。
何も聞こえなくなっても、暫くの間。そうして物陰で蹲り続けた。
安堵の息が、抑えつけた口元から漏れる。
怖い。恐ろしい。どうして。何で私がこんな目に————押し殺した喚き声は、雫となって零れ落ちた。
帰りたい。帰りたい。帰りたい————でも、どこに?
無いんだ。帰る場所なんて、何処にも。
「ふっ、ぅ˝ぅ˝……っ˝!!」
漏れた嗚咽を噛み殺す。
滲んだ視界を拭い、血の滲んだ掌を突き立ち上がる。
惨めでも
in:クラアナ内部
目深にフードを被り、顔を隠し。怯える様に歩く。
何もかもを失くした少女。
自分がどうして此処にいるのか。
何の為に生きるのか。
もう思い出す事も出来ない、"暖かかった場所"へと帰りたい。
ただそれだけを、夢見てもがく。
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PLコメント
定期ゲーにはあまり馴染みがありませんが、友人の誘いで始めてみました。
とりあえずは慣れるため、色々やってみるつもりです。
立ち絵やアイコンは現在お願いしている最中。
暫くはフード姿のままです。
分からない事は多いですが、宜しくお願いします。
使用素材
フードアイコン
七三ゆきのアトリエ 様より
https://nanamiyuki.com/
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