CuraanaNow
酒場の一郭で煙草を吸っている。
紫煙からはハーブに似た香りがした。
時折やってくるガラの悪そうな男に不似合いな"菓子包み"を手渡しては
カード型のシザイ通貨を受け取っていた。
in:酒場
「酸は基本的に腐敗の反応だ。
合う食い物は稀、覚えとけ」
律儀に教えてくれつつ見送った。
「どうしてこりねぇんだか」
in:食料提供所
「却下」
「作ってもらう分際で口答えすんじゃねぇ。
酸性の飯である理由が微塵もない。
普通の弁当に自分で酢を掛けな」
配給のお母さんは厳しかった。
in:食料提供所
「触んな」
高速回避。
避けられた。
「飯ぐらい静かに食え、喚くな」
訳:何かようですか
in:食料提供所
音もなく一瞬で食事を終えた。
「ゲッ」
見知った顔が複数いるね。
in:食料提供所
「菓子類の需要が高めか…?」
in:アンダーボード
深層。
「……」
一瞬、首と胴体が離れた気がした。
しかしそれは気の所為で、
代わりに額が小さく裂けて、血があふれる。
拭いもせず、笑みを浮かべるキカイを指で撫でる。
そしてキカイは崩壊していった。
in:クラアナ内部
「はぁ……」
外套の先が不自然に捻れたように解けている男が
煙草を吸っている。
「溶岩ダイブよりはマシか……」
in:クラアナ付近
「あ゛ー……」
半透明な槍を引きずりながら、
掠れた声を上げてリフトから降りる。
槍は紫色の粒子となって消えていく。
「疲れた……」
普段はさっさと消えるため
一切人前に姿を見せないのに、
この度はよろよろと帰っていく。
in:クラアナ付近
「あ゛ー……」
半透明な槍を引きずりながら、
掠れた声を上げてリフトから降りる。
槍は紫色の粒子となって消えていく。
「疲れた……」
in:クラアナ付近
エデンでは一生の間に嗅ぐ機会がほぼないであろう
ローズマリーの香りがする。
香る紫煙を吐きながら、男は去っていった。
……ふわふわの犬もつれて。
in:アンダーボード
裏ショップの店員とカード状の端末を交換していた男が
とある光景を横目に見て肩を竦める。
「そう高い買い物でもねぇだろうに」
甘い匂いのする薬品は
今日も平然と店に並べられている。
in:アンダーボード
「はぁ……」
一人廃墟となったホテルの窓に腰を掛けて
紫煙を吐いている。
視線の先にはネオン街と真っ暗なエデンの底。
「どこもかしこもうるさくて
タバコの一本も満足に吸えやしねぇ」
in:娯楽区画
「粘膜ごときでギャーギャーうっせぇな」
一服した人、捨てセリフ言って去る。
健闘を祈る。
in:探索者審査会場
涼しい顔で出てきた。
「……ったく」
視線など色々スルーして
会場を出るなり着替えるより先に
タバコに火をつけるだろう。
in:探索者審査会場
~しばらくお待ち下さい~
in:探索者審査会場
「スキャン装置が減ってる……
分解して別に回す、
底の予算削減が最優先か、合理的だ」
とかやっていたら呼び出される。
シザさんと同じ個室だ。
ともすればなにをされるのか
予想がつく者はいるだろう。アッ
in:探索者審査会場
(それって普通に胴体の義体だろ…)
in:探索者審査会場
「タバコ吸いてぇ」
笑えない話題
in:探索者審査会場
「マスク外せよ」
異世界素材のマスクのせいで
スキャンしにくい説。
in:探索者審査会場