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No.880727214
ヌケ
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iconCuraanaNow

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「ん? なんか分からんスけど、了解ス!」
一旦振り返って足を止めた。
クラアナに誰かと潜ったのはたった一回きりで、実のところこの青年、勝手をよく分かっていない。

in:クラアナ付近


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「まじスか、助かるッス! ほんと良い奴なんスよ。でも最近全然会ってねッスから。
あ、暇な時で構わんスからね!」

はしゃぐ子供のように大きく両腕を振りつつ、んじゃよろしく頼むッスよー!と不必要に大きな声で叫び。
危なっかしい猫は言葉通りに先陣切って、クラアナへと足を踏み入れていくのであった。

in:クラアナ付近


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「え!そりゃ痛いの嫌スけど、誰かにだけリスク背負わせて進むのは自分の気が済まんスよ!
おれが誘ったんスから、おれが先陣切って行くッス」

むん! と槍を突き上げる。思考判断に全くもって合理性が無いが、こういう人間だった。

「やー、心強いスね。居てくれるだけでも心強いんス。前にも助けてくれた奴が居て、カガリって言うんすけど、あいつどうしてっかなあ……何にせよ、誰かいてくれるとやっぱ違うッスね。気持ちが」

俄然やる気が出たようで、特に止められなければすぐにでもクラアナに歩き出していってしまいそうな雰囲気である。生存価値残り2日になるまで渋っていたくせに。

in:クラアナ付近


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「えー! 職場の空気悪いの、めちゃくちゃ嫌ッスね!
ウチめっちゃ皆親切スよ! もー無理ってなったら自分とこ来たら良いッス!」

急に会話のテンションがJKのそれになってしまう。
……余談ではあるが、彼の所属している組織は反グレ集団である。強面の怖い──場合によっては怖いでは済まない──男たちが多い。親切だと思っているのは、偏に彼が鈍いからであった。

落ちたプリズムに一瞬目を惹かれつつも、綺麗だなと思っただけで何も問わなかった。
貴方の問いには首傾げ。

「ううん……自分、安全なとこで必要なだけ稼げりゃいいやと思ってたんで、まだ3層ちまちま漁ってるだけなんスよね。あんま付き合わせんのも悪いんで、3層か4層、1周ぐらい付き合って貰えりゃありがたいかなって感じスけど……」
一人は怖いスからと。

in:クラアナ付近


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「第なんちゃら番」
ぼんやりしてるッスねと、感じたままに口にする。発言を精査するなどという能はこの猫にない。
生存価値なんたらかんたら……と、こちらもぼんやり繰り返して、聞いたことがないなと処理してそれ以上踏み込まなかった。この青年のことだから、聞いて忘れているだけかもしれない。

「何スか、突然怖え事言ってくるから怖え奴かと思っちまったッスけど、あんた良い奴じゃないスか!
誤解してて悪かったッス。自分、仲間からヌケって呼ばれてるッス! よろしくス!」

暫く気を張って疲れたのか、反動のように気の抜けた様子でくるくると槍を回してそう名乗る。

「女王様だかは聞いたことないスけど、つまり一緒に来てくれるってことで良いんスね?」

in:クラアナ付近


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貴方が抱いた嫌悪感を、この男が察することはない。
冗談、との言葉に何なんスかとぼやきつつ、最後の言葉に、先程までの警戒が嘘のようにパッと纏う空気を緩め、食いついた。

「そりゃ助けてくれンなら……えっ、助けてくれるんスか?」

それも冗談だったらオレ泣いちゃうかもしんないなと呟いて。
実際そうなると、恐らくひどく見苦しくはあるだろうが。

in:クラアナ付近


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「……分かってるッスよ。分かりすぎるほど分かってるッス。
一人じゃ危ねえ事も、ちょっと気抜くだけで降りかかる理不尽がある事も、リスク無しで手に入れられる安全が無いなんて事も。
でも分かってるからって、じゃあ全部それでいいなんて諦めちまわねえでしょう?
オレは、オレの大事な人も込みで夢見てえんだ」

上げられた両手を見ても、手に込めた力が緩むことはない。
警戒しているだけで、襲いかかるような真似はしないだろうことは伝わるかもしれないが。

「興味……ッスか。
現状、あんたがオレを痛い目に遭わせたい奴なのか、助けてくれる気がある奴なのか、それぐらいスね。正直。それ以外の難しいことは、知らんス。言われても分かんねえンで」

in:クラアナ付近


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「冗談として受け取るにゃ、この世界は身の安全が保障されてなさすぎッスからね。
何せ一回滅んだ世界だ。自分だって、それくらいは分かってんスよ」

ぐ、とかたく手の内の槍を握り直す。
人の形をしている、意思疎通が取れる。故に敵ではないと思う、思いたいが、揶揄いたいだけなのか、或いは。その意図を図りかね。

「そッスよ、自分がシザイを稼いで帰れば、仲間ン奴らがシノを守っててくれる。
永久生存権とかいうのも。買えたらシノに譲れるかもしれない。
……あんたはどうしてこんなとこに居るんスか?」

in:クラアナ付近


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赤い赤いその目を、特に怯む様子もなくじとりと見つめ返す。

「どこのどなたか存じ上げませんが、嫌ッス。
自分、安全に、なるべく痛い目に遭わず、おれと妹の安全守れりゃあそれでいいんで。
つーか皆さ、そんなもんでしょ?」

必死に、とか、考えたくもない。だって必死にならなくていい未来の為に、今この現状に甘んじてシザイを集めているわけで。

in:クラアナ付近


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独り言に言葉が返ってきた。
驚いてそちらを見つつ、

「そうッスけどぉ……」

納得いっているような、いっていないような返答。
まだ死んだことも、体の一部を失ったこともない彼は、そういう意識が欠けていた。

in:クラアナ付近


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「あ〜もう疲れたッス! あのムキムキとかいうキカイ、いってェ! 一撃が!」
のこのこ帰ってきた。怪我は早々に治療したようだ。

「一人、やっぱ危ねえよなあ……でも取り分減るのもヤだし」

ウンウン頭を捻っている。でかい独り言である。

in:クラアナ付近


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「せめて5万シザイ、……せめて5万シザイ……」

ぶつぶつと呟きながら、あっちを漁り、こっちを漁り。
永久生存権の獲得まで、この調子ではあとどれほど掛かるだろうか。
しかし悲しいかな、この馬鹿猫は計算が出来なかった。

だからとにかく“たくさん”集めるのだ。使えそうなものを、少しでも多く。

ふと、キラと輝く物が目について、
……そうして拾い上げたのは、針一本のみであったが。

in:クラアナ内部


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己の命。妹の命。組織からの信。キカイからの査定。
背負うものばかり大きく、そのくせ報いに乏しい。
世界の全てが、気を抜けば己の大切なものを持ち去っていってしまう。

「やってらんねーッスわ、ほんと……」

益にもならない愚痴ひとつ零して、そのままひとり、クラアナへと足を運んでいった。

in:クラアナ付近


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「そろそろ、……行かないと、……駄目ッスよねえ…………」

泣こうが喚こうが、生存価値は日々下がっていく。
死への恐れと、組織への忠誠と、妹の安全の保障を天秤にかけながら、日々まちまちのシザイを拾い集めていたが。そろそろそれも、あと二日で尽きようというところまで来ていた。

同行者は居ない。一人で暴走したキカイとぶち当たるのは恐ろしい。
だけれどそうも言っていられない。
あと二日、──あと二日何もしなければ、
この身は価値なしと断ぜられ、当たり前のようにその命を奪われるのだ。

重く深い溜息ひとつ、肺の奥から吐き出した。

in:クラアナ付近


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赤い羽織の裾をひらり、ひらり、はためかせて、
──猫が一匹。
灰色の世界の中で一際目を引く、朱い槍一条携えて、
何事かを躊躇うように、クラアナの入り口付近を彷徨いている。

何ということはない。
恐れるのは、死と痛み。
そこらの誰もと変わらぬ、ありふれた臆病者であった。

in:クラアナ付近


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>>カガリ

「? わかんねーけど、わかるッズ。あんたはいい人ッス! やー、自分は運良いスね、カガリみたいな人に一緒に来てもらえるなんて……」

先程までの不安げな様子は何処へやら、調子よく鼻歌なんかを歌い始める始末。念を押すようなその言葉の真意、その全てを彼は理解は出来ないが、嫌な感じがしないから良いことなのだろうと飲み込んで。

「行けるッス! さー、ガンガン良いもの拾ってくるッスよ~!!」
手にした赤い槍をえいえいおーと突き上げて、クラアナへと足を踏み入れていくのだった。

in:クラアナ付近


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>>カガリ

「独りよがりでもいいスよ! 嬉しいッス、正直不安は不安だったもんで!」

既に生まれ持った体を手放した者達の声を聞く。
そうしないと生きていけないならそうしないといけないのだろう、分かっている。だけれどまだこの身から分かたれたことのない指先は、どうしたって、人知れず震えるのだ。

「ヌケでいいッス! みんなそう呼ぶスから。カガリ──ええと、カガリはカガリでいいスか?」
笑う貴方に、よろしくッス、とこちらもへにゃりと気の抜けた笑みを返して。

「おれの為じゃなくてもいいスけど……じゃあどうします、早速行くスか?──探索」

in:クラアナ付近


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>>カガリ

「そうッス! シザイを集めて持ってかないといけないんスよ、仲間のとこに。
……ああ、あんたも一人……」

大きく見開いた目をぱちりぱちりと数度瞬かせ、細められたその目を真っ直ぐに見つめた。

「……いいんスか? 自分、ヘマするッスよ。間抜けのヌケって、呼ばれてるんで……一緒に来てくれんなら、そりゃ心強いスけど!」

in:クラアナ付近


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>>カガリ

「そういうあんたも一人なんス?」

自分のことは棚に上げ、問いかける。
声色に警戒心はない。むしろ、心配を返すような。

in:クラアナ付近


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>>カガリ

背後からの声を聞けば、やや驚いたように振り返る。
「一人で……そうスよ。これが自分の仕事ッスから。
あんたは?

in:クラアナ付近



Line !現在仕事の都合上2時〜6時あたりの妙な時間に出没します!
!スマホがぶっ壊れてしまった都合上、Wi-Fi環境でしか動かないiPadでロルしています。
職場で開けないので返信遅め、何卒ご了承くださいませ。!

なんか急にプロフすっ飛んだので修正は後ほど……!