CuraanaNow
「……ん。また」
【左手を軽く挙げて ひらり振り返す】
【言葉に頷けば 笑顔に目を細めて】
【子供は 物陰の方へと去っていた。】
in:メインボード
【数秒もすれば また元通りの顔になる。】
【……あなたに言われていたのなら 間違いなく】
【笑みを仕舞うのは 今よりもずっと早かっただろう。】
【はたと 笑い声に瞬きをしたけれど】
【いつも通りで 言葉は出なかったものだから】
【子供は 自分のことなのに気付かないままだった。】
「そんでも、取れたらあんまりよくないだろ。
…… ……もったいないしさ」
【しばらく眺め 満足気に手を袖に引っこめる】
【くるりと背を向けて】【……振り返って】
「……ありがと、リシィ」
【今度は できる限りぎこちなさを消した礼の言葉】
【それだけ言って 子供はまたどこかへ歩むようだった。】
in:メインボード
【あなたの笑顔は なぜだか輝いて見えて】
【先ではなく すぐ近く】【今を想う姿は】
【子供にとっては あなたのように難しい。】
【届かず掴めない 上空の光を見上げるよう】
【……やっぱり それは眩しいものだ。】
「……ん。わかった。
まー、引っ掻かないようにがんばるけど……」
【ほんの僅か】【つられて口角が緩む】
【爪先を揃え あなたのものと比べ眺める】
「……そーかも。同じやつだしな」
【子供は自覚していなかったようで】
【その笑みは 比較的自然なものだった。】
in:メインボード
「……そっか。ま、わかんないしな……」
【子供が見ようとするのは いつも先のことばかり。】
【背伸びをして なんとか眺めようとする】
【それだからか 娯楽にはあまり興味が湧かなくて】
【……けれども】
【それを楽しむあなたを見るのは そう悪くなかった。】
「……、」
【塗られ終わった ひとつの赤】
【筆先が離れれば 少し持ち上げてみて】
【……その体勢のまま ふらふらと指を揺らす】
「……あり、がと。
コレ、いつまでほっとけばいーの」
in:メインボード
「……すごいじゃん」
【ぽつりと言うのは 素直な声】
【自分には 手の届かないキカイであったから】
【その様を見て そんな声が出た。】
「……そう。
それだけ貯めれば、こんな事してなくていーんでしょ。
そうすりゃ気にしなくてもよくなる」
「……。そしたら、あんたと会えなくなるかもな。
あんたは、アレのことどう思うの」
【使わずに切り詰めていれば いつかは届く】
【茨の道に足を取られれば そこが自分の終点】
【どれほどの時間を余儀なくされたとしても 止まらなければ良い。】
【少なくとも 子供はそう思っていたから】
【あなたの言葉は どこか不思議なことだった】
in:メインボード
「……すごいじゃん」
【ぽつりと言うのは 素直な声】
【自分には 手の届かないキカイであったから】
【その様を見て そんな声が出た。】
「……そう。
それだけ貯めれば、こんな事してなくていーんでしょ。
そうすりゃ気にしなくてもよくなる」
「……。そしたら、あんたと会えなくなるかもな。
あんたは、アレのことどう思うの」
【使わずに切り詰めていれば いつかは届く】
【茨の道に足を取られれば そこが自分の終点】
【どれほどの時間を余儀なくされたとしても 止まらなければ良い。】
【少なくとも 子供はそう思っていたから】
【あなたの言葉は どこか不思議なことだった】
in:desuana
「……」
【踏み込むものじゃない、という言葉に】
【子供は 僅かな沈黙で返す。】
「ご褒美、って……」
「僕は貯めてる。
……アレがあるだろ、セイゾンケン」
【自分のシザイの使い道で 思い当たるものといえば】
【生きていくだけの 最低限の何かしら程度】
【それ以外に何かを得ることは 馴染みがなかった。】
「……。……こーゆーの、よく分かんないし。
使ってたらあんまり貯まらないんじゃないの」
in:メインボード
「……店?」
【ゆっくりと 爪が赤く塗られていく】
【あなたに合わせて 潜まった声】
【こちらの視線は あなたの顔に向かう。】
「んや。見たことあるけど、そんだけ。
あんた、あの店行ったんだ。
こんなのも売ってんの……」
【アンダーボードは いくらか知っているものの】
【隠れるばかりで あまり知ることもない。】
【ちらほらと眺めては 立ち去るばかりだったから】
【子供にとっては 新鮮なものだった。】
in:メインボード
「ん」
【ぴたりと手が動いたものの】
【すぐに ぼんやりと眺める側に移る】
「… ……」
【……爪を塗るなんて経験は 無かったものだから】
【若干指先がこそばゆかった。】
【あなたの真剣そうな顔を 眺めてから】
【声をかけて 集中を崩すのは危ういと】
【筆先の動きに視線を落として 大人しくする。】
in:メインボード
「ガマンって…… そうかな」
【アガるというのも イマイチ分からず】
【呆れたような なんだか眩しいような】
【曖昧な表情が ほんの少し。】
【続く言葉には 左右違いの翡翠色をぱちくり】
「……じゃあ。ここだけ」
【しばらく 考えるように止まってから】
【ぶかぶかの袖を 軽くつまみ上げて】
【左手の人差し指を そうっと差し出した。】
【……お世辞にも そう綺麗ではないものの】
【短く削り整えられた 子供の爪は】
【指が傷付いたり 邪魔にならないようにしていることが見て取れそうだ。】
in:メインボード
「ふうん……?」
【じいっと眺めて 得意気な様を見る。】
【反応の声こそ薄いものの 何度か頷き】
【瞬きをいくつか】
「マニ、キュア……
かゆくなったりしないの、ソレ。
気になりそーだけど」
【この子供には お洒落心は難しく】
【自分の手先に視線をやって また戻す】
【彩やかな赤は あなたの瞳にもどこか似ていて】
【ゆびさきで よく映えているように見えた。】
in:メインボード
【あなたの様子が やけに真剣で】
【驚きようが あったものだから】
【挨拶を返す代わりに 手を軽く挙げて】
【ジャマをしたかなと ほんのり思ったり】
「かわいく……?
そのヘンなの、……インク?」
【子供にとっては 馴染みのないものだったらしく】
【不思議そうに 赤いゆびさきを覗き込んでは】
【オウム返しで ……ズレた言葉が返ってくる。】
in:メインボード
【上へ 上へ】
【宛もなく ふらふらと物陰を歩く子供】
【見た事のある髪色を見つけて】
【ついでに 見た事のない物も見つけた】
「……」
【僅か悩む間があって】
「なにしてんの」
【物陰から出て ふらり声をかけてみる。】
【……ちなみに 作業中だとか塗っている途中だとか】
【そういった事は あまりわかっていなかった。】
in:メインボード
【微かに漏れ聞こえる 祈りの言葉】
【……言葉の内容は あまり覚えてはいられなかったけれど】
【その声は 何度か聞いたもの】
【子供は傍目に覗くばかりとはいえ】
【繰り返せば 何の気なしに記憶に残るもので】
【それを外から眺めるのは 変わらない。】
in:宗教施設
【子供がひとり ふらり訪れて】
【背伸びをして 窓から中を覗く】
「…」
【祈ることもせず ぼんやりとそこを眺める】
in:宗教施設
【がらがらと ザンガイの端が崩れる音】
【はるか見上げるほどのものと対峙するのは】
【義体の形のない ちいさな姿】
「……」
【4】【3】
【少し試してはみたものの】
【未だ 大量の残骸が組み重なっている。】
【崩し切るには 何度試みれば良いだろう】
【頭の中でいくつか数え 様子を見て】
【2】【1】
【ソレのカウントが終わる前に】
【子供は ひょいと物陰へ逃れた。】
in:クラアナ内部
「……」
【しばらく その表情を見つめる】
【この場所には 少し不釣り合いにも見えて 懐かしさを覚えた。】
【もっとも その懐かしさは子供にも分からないものなのだけれど】
「……。そーだな。たぶん……
慣れてる場所のほうが、ラクだ」
【足元を拾い上げ】【ぴん、と】
【淡い緑をした色ガラスの欠片を そちらへ弾き】
「……あんた、転ばないでくださいよ。
へんなもんにつっかかっても、知らないから」
【そんなことを呟きながら がらりと足場から降りて】
【子供は そこらの物陰に紛れていく。】
in:廃棄区画
「ふうん……」
【瓶かなにかの破片だろうか】
【光を反射して 時折きらめくそれは】
【思ったよりも簡単に見つけられそうだった。】
【子供は ひとつ息をついて】
【あなたがそれを探す様を ぼんやりと眺める】
「私にとっては、ちょーどいいや。
好きこのんで来るやつも、少ないですし。
……あんたは、あっちの方がいいんですか」
in:廃棄区画
「娯楽区画……でも?」
【不思議そうに瞬き】
【自分でも持ち上げられるか怪しいそれを眺めて】
【子供の方は そこらのガラス片を手遊びにつまむ】
「まあ、そこそこ。
……あそこ、うるさいだろ。
たまになら良いけど、静かな方が疲れないですから」
【透かして 向こう側を見つめた後】
【元の場所に戻すように 適当に放る】
in:廃棄区画
「なにも……」
【答えをぼそぼそ呟こうとして ……】
【ひょいと身を乗り出し あなたの方へ】
【転がるモノを 適当に足場にしながら】
【声の届く場所に 歩き着く。】
「……。……んや、なにも。
いいもんなさそーですし、ヒマつぶし。
あんたは、なんか見つけたんですか」
in:廃棄区画
くすんだ灰髪、やせっぽちの少年。
翡翠色の瞳は、右眼だけ青みがかっている。
別世界の路地裏出身。
結んだ長髪や取り繕った口調は、少女だと思われるようにするためのもの。
元の世界では、今まで生き延びてきた手段のひとつだった。
砂や土埃に混じって、僅かに薬の匂いがしている。
ひとりぼっち。
自分を切り売りして生きてきた。
元の世界の、大切な仲間のため。
嘘、ナイフ、薬の飴玉。
彼らを守るためならなんでもやった。
そうするには、装った方が都合が良かった。
大したことはない。
ただ運が悪くて、藁を掴めただけ。
彼らの笑顔は、彼のささやかな幸福だった。
二度と帰れない場所を想い続ける。
ひょんなことから、エデンに迷い込んで。
なにもかもを失って、どこにもいけない。
それでも。
ひとつきりの命は、まだここにあった。
記憶に縋って、思い出を抱いて。
からっぽの子供は、少しずつ歩き出す。
両腕から取りこぼしてしまわないように。
再会を淡く願いながら。*
オールフリー。
反応、行動は全体的にのんびりめ。メッセージ等はおきがるに。
軽く装ってはいますが、外見性別はロール上どちらに思っても構いません。