CuraanaNow
「あー最悪……資材落としたか盗まれたかして一文無しだわ……」
肩を落としている。
in:就寝施設
≫ムツミ
「……ない。」
ポケットを漁って、呆然としていた。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「……んだよ、あいつ……
陰キャって急に大声出してキレるからキモいわ……」
今日が削がれてしまった。
寝床に帰る道中、生存権でも買って帰るかと巾着袋を取り出そうとして。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「うわっ!!」
尻もちをつく形で転び、宙を舞ったスマホをスライディングでキャッチする。
突き飛ばされたことよりスマホが割れていないか、傷がついていないかを入念にチェックした後、ムツミを見上げる。
「なにすんだよ!! あーあ、そんな感出されたら
俺が感じ悪く映るじゃん……ここは編集でカットだわ」
ブツブツ言いながらお尻の塵を払って立ち上がる。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「あ、テレビとかは知ってんだ!
流石に異世界の映像とかだったら地上波に取り上げられるだろうし、テレビでも間違いじゃないかもね~。
てかさあ、だーかーらあ、さっきも言ったじゃん!
耳か尻尾の付け根だけ見せてって!
後からつけたものじゃないって分かればいいから!」
嫌がっているのも気にせず自分勝手に詰め寄る。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「へえ~!
ヤバいね聞いた? ムツミくんっていうんだって!
これつけ耳じゃないんだよね。
CGとかでもないんだけど……ムツミ、証明させて!
ちょっと見せてよ~~!」
インカメラにしながら話しかけ続ける。
スマホの画面にはムツミとKAEDEがリアルタイムで映っている。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「なんでダメなん?
耳の付け根か尻尾の付け根かでいいから見せてよ。
動かせる? ぱっと見だけどネズミ?
ここで生まれたん? 名前は?」
スマホのカメラをムツミに向けながら質問攻めにする。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「はあ? アンタを撮るに決まってるだろ。
こちら異世界の住人で~す!!
人間っぽく見えるけどなんか耳?生えてるっぽい。
ほら、もっとよく見せてよ」
自分のことも時折映しながら、ムツミのフードを下ろした。
in:娯楽区画
≫ムツミ
落としたものは、資源が少し入った小銭入れほどのサイズの巾着袋だった。
少し訝しげな顔をしながらムツミをまじまじと見る。
「ふうん。なんだアンタ辛気臭いな。
撮って良い?」
スマホを懐から取り出しながらいきなり承諾を得ようとする。
in:娯楽区画
≫ムツミ
「ん?」
ポケットから何かが落ちた気がして振り返る。
「ちょっとアンタ、今俺なんか落とさなかった?」
in:娯楽区画
≫ムツミ
どん、と肩がぶつかる。黄緑色の髪の青年だ。
「あ、すんません」
in:娯楽区画
「ここの外はちょっと暗いからついここに来ちゃうんよな……」
in:娯楽区画
「ふうん、意外と和気あいあいとしてんのか……」
in:娯楽区画
異世界で動画投稿をしてそこそこ人気だった青年。
何故ここに来てしまったのか分からない。
生き残るためには探索者にならざるを得なかった。
スマホ片手に動画を撮りまわって、元の世界に帰れた時にバズろうとしている。
正気を保つためにはそれを生きがいにするしかなかった。
ログ公開可能。おどろくほどなんでもフリー、なにもかもOK