よく笑い、良く喋る、明るい、ごくごく普通の女子高生。
読書が好きで、特にすこしふしぎな物語を好んで読むため、今回の状況も、
今はやりのタイトルが長い系のラノベ的な夢を見ているのだと考えている。
――言葉を交わした人が死ぬ状況に、漸く現実と認識した模様。
誰も傷つけたくないし、誰かが自分を傷つけるのもいやで、帰る為の花を探す。
『想い出した願いと、その先』
真っ白い光に包まれて――次の瞬間、ぱちりと目が覚めた。
そこは、7日間の間に見慣れた空ではなくて、白い病室だった。
「思い出した…」
――死にたくない。
それが、フタハナに望んだ願い事。
ごくごく普通の高校生だった、けれど、突然、10万人に1人の病気だと知った。
そんなもの当たったってちっともうれしくない。
毎食前の薬液の注射。
それが無ければ、食べる事は死ぬ事に直結する。
食事の前のそれを、痛々しそうに見る目ががとてもいやだった。
「全部…、もう食べちゃだめな物ばかりじゃない…」
小さく笑う――我儘ばかりを言った"兄"にしたリクエスト。
注射もいや、制限もいや、何もかも嫌がって、それでいて死にたくないとは随分と我儘な願いだろう。
いっそ帰って来なければ…―ふっとそんな事がよぎった時、掌にコロリとした感触を得た。
きらきらと薄明色に染まる小さな宝石。最後の日、手渡された優しい祈りの欠片。
「……がんばらないと、ね」
あの日、零れ落ちる命を救いたいと願った人と言葉を交わした。
気高い彼の人の祈りが悲鳴のようで、だから、自分は救われなくてはならないと思った。
逃げてばかりでは、いけない。
「折角、帰ってきたんだから、逢いに行って。
カラオケに行って女子会して。日本の良い所を沢山良い所案内して、それから、それから――」
交わした言葉も、約束も、消える事は無い。
願いは、フタハナに賭けるものでは無いと知ったから。
百合の花が刻印された小さな指輪を見つめて、笑んだ。
深い雪をこえて、咲いて咲う――春に至るまで。
PL情報:
・NGは基本無し。流石にグロすぎるのはPLスキル的に無理です(そっと確定避けさせて頂きます)
・友達、バディ共に歓迎しております
・個メッセも忌避はありませんが、即反応できない時があります、御了承ください
・ログ公開については、期間終了後、常識の範囲でお願いします
PC画像:「雑バターメーカー」様で作成しました