愛想のない男子高校生。
家族の待つ家へ早く帰りたい。
。
エリーは幻想。
弱く 守られる存在になることを望んだ俺の夢。
でも、もう 夢は終わりだ。
こんなことをしたって
俺を守る 誰か は居ないのだから。
見かけた奴
006：名畑さん なんかふわふわしてる人だったな。
020：桜来 無事に帰れて良かった。 多分年上なんだけど、何だか弟みたいだ。
多分もう俺のことわかんねーだろうけど。
131：ツムギ 何となく親近感があったんだ。 生きて帰ってくれてると良いな。
173：トワ どっかで元気にやってっかな？
話すと元気になれる奴だったから、多分今も誰かを元気にしてると思う。
母さんは病弱だし、妹は甘えたで
父さんの居ない今、あいつが頼れるのは俺だけだ。
俺がしっかりしないといけない。
……それなのに。
化け物みたいな体になっちまったけど、
それでも俺はあいつのお兄ちゃんで、母さんの息子だから。
帰らないといけない。
帰って これからもずっと守らないといけない。
俺しか守る奴が居ないんだから。
これから先も ずっと ずっと
俺は、死ぬまで”お兄ちゃん”だ。
死が 遥か遠く 届かない物になっていたとしても。
ああ、でも結局願いは叶わなかったな。
帰りの船の上、ひとり頭を抱える。
ヤケクソで招待状を手に取るその前
女装姿を妹に見られた時のことを思い出す。
『どうか妹からあの記憶を消してくれ！』
そんな些細な、けれど家庭崩壊を救うための大事な願いは
呆気なく断たれ叶わず終わってしまった。
帰ったらどんな言い訳から入るべきだろうか。
少年は生還出来た喜びも束の間に、
あーでもないこーでもないと考えを巡らせるのだった。
帰りの船の上、ひとり頭を抱える。
ヤケクソで招待状を手に取るその前
女装姿を妹に見られた時のことを思い出す。
『どうか妹からあの記憶を消してくれ！』
そんな些細な、けれど家庭崩壊を救うための大事な願いは
呆気なく断たれ叶わず終わってしまった。
帰ったらどんな言い訳から入るべきだろうか。
少年は生還出来た喜びも束の間に、
あーでもないこーでもないと考えを巡らせるのだった。
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illustration（一部）：よっこら改メーカー（佐伯様）