シオン 13歳 160cm
軽快な足音に、天真爛漫な笑顔。派手ではなけれど質のいいシルクの服、だけど持ち物はなにもない。
「私、プラムヴィオレット学校貴族科、シオン=ラナージャ。
あっと、後ろの方は忘れてください！シオン、シオンだけで。」
わかりやすく言えばそこそこ裕福な家庭しか通えない学校の更に貴族クラス。この年にしては多彩な知識を蓄えど、まだ成人していない子供。
成績はそこそこ優秀。語学が得意で魔術は苦手。
でも人と話すための語学も、生活を便利にするための魔術も、この島ではほとんど役に立たない。
彼女は自分の力でどこまでも行ける人々と、彼らが向かう未知の世界を夢みている。
彼女は自分が暮らしていては触れることのない、ホコリの匂いと賑やかなノイズを愛している。
彼女は自分で自分の身を守れる、そしてその力で人を守れるような大人達に憧れている。
そんな人が好きだった。
異能
曰く、「何にでもなれる」「戦闘向けにもなれた」「龍にもドラゴンにも」バディの異能をコピーするアクションが使えます。
ただし、複数の異能を習得している相手でも、コピー出来るのはメインとなる一つの能力だけです。
また、一部の能力は上手くコピーすることが出来ません。（異能習得時にステータスに変化が起きる能力など）
二回目以降の使用では、以前の能力は上書きされます。
武器も、本来のコピーの異能の武器の代わりにコピーした異能のものが獲得されます。
彼女は最初に違和感をコピーした。自らの異能の検証の為、騙してコピーした。何かはわからなかったけど、牙と爪が生えた。
彼女は次に全てを奪う手をコピーした。似たような異能だから、欲しくなってみた。強くなり、全てを盗めるようになった。
彼女は最後に何でも複製できる異能をコピーした。『NoR』で有能であることを保証する為、有能性を示して保護してもらう為。人を助ける為だけにブーケを、注射薬を複製し続け、多分誰かを沢山助けた。
彼女は次に。彼女は次に。ここでは記されない何かをコピーするのかもしれない。しないのかもしれない。
エピローグ
彼女は最後に冒険に出た。一番大きな冒険に。
「しかし科学は本当に魔術とは仕組みが違うのね、でも異能とも違う……。やり方さえ覚えれば使えるのならきっと大丈夫よ」
「本当にお金も違うのね、番号があるから複製しても意味がない？それは困ったわね……。」
「スィーはどう？この世界慣れた？私今欲しいものがあるんだけど、流石に監視の目があるから複製は不味いのよね。」
「ギルバートパパに交渉かしら？交渉したらタダで買ってくれそうだから困るのよね、今も甘いんだから。」
「流石に柚子澤様に頼むのは遠すぎるし、ヒモだっていってたし……。」
「幸人兄さんに頼んだ方が適正かしら？」
冒険は続く。
プロローグ
『それでね、その手紙を枕の下にいれると、願いが叶うのよ。素敵だわァー』
学校でのたわいない噂。宛名だけの不思議な手紙がポストに投函されることがある。
お返事を書いて枕の下にいれて寝ると、夢の世界で願いが叶う。
なにも魔術的じゃない、ただのおまじないだ。クラスのほとんどの人がそれを知っている。
でも願いがない人は少なく、結果的に噂になる。
「本当に来たのね。」
へんてこな招待状を受け取ったとき、シオンはそう思っただけだった。
誰かのいたずらか、否か。魔術はかかっていないようだし、これを書いて枕の下にいれて寝れば、明日の話題になるだろう。
願いはある。
冒険者のおじさまが帰ってこない。仲間はもう無理だと首を振った、かつて私を助けてくれた初恋の方が。
私は彼を振り向かせるためになんでもした。大人に早くなるために呪術師にお願いして、彼の冒険仲間と打ち解けるために性格をつくって。様々なアプローチをして。彼の英雄になる夢を応援して。
訪れたのは冒険者にはありきたりの、『行方不明』
もう彼の幼馴染みに「泥棒、人殺し」と怒鳴られてから２ヶ月。
私は正当な駆け引きをしていたとは思っているけど、でも私が殺したという声はまだ付きまとっている。
そろそろこのおまじないに願いをかけるときなのかもしれない。
※このキャラクターは魔術を苦手ながらも習得しているが、戦闘能力に繋がる魔術ではない。紅茶を自動で入れてくれるようなものであり、勿論ここには愛用の紅茶セットはない。
※このキャラクターはちゃんと何が悪いかをわかっている。人が死ぬのは悪いことだし、ものを盗むつもりなんて無かった。
✿恋は慧眼生は希望✿
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確定ロール不可 汚物系不可
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PL:亞襲 @axyu_hana