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No.274 弐方 花
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age:11
sex:女
height:背の順で前の方
weight:軽い
Trend:出来るだけ避ける
Favorite:みんな
Hate:ひとりぼっち
Comment
きっと、みんなみたいなおとなに
【Battle_Log】
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見るからに気弱そうで、見るからに小学生。
ランドセルがなくても見間違わない程度には。

『異能』を得て目覚めた後も、目立った変化はない。
姿、声、体温、わかるところにはいずれにも。


その実は主張することもさしてできず、その相手を恨み切れず、人を責めて責められることに怯え、
長いものに巻かれていなければ心落ち着かない見た目通りの子供だ。

相手を責めきれず受け入れてばかりで排斥に怯えるその本質は、あらゆる心を受け入れる代わり相手へ受け入れられる異能『入れ替わり』として結晶し、しかし一度も誰かをその力で受け入れることはなかった。
ただ異能によることなく、傷一つぶんの人狼の血を受け入れただけ。


いまやそれも一緒くたに封じられて、
しかし彼女が島の記憶を忘れることはない。

なりたいものを、理想像を問われるたびに、
その根底たる記憶を呼び起こすたびに、
誰かの血と傷と悲鳴に触れるたびに、
その目で夜闇を庭のように見通すたびに、
自分の姿を見るだけで怯え従属する獣たちを目にするたびに、
幾度だってその日々は思い出されるだろう。

#LittleFlower



来歴


「ねえ、見た? 人を連れ去る手紙の話」
「あ、あれでしょ。昨日出た動画、怪談TickTackerの」
「そうそう。あんなとこで聞くと思わなかったよね」
「5年生がひとりいなくなったってさ。『心理テストに答えただけ』ってあれ」
「ホントだったのかも、って思っちゃうよねー。タイミングよすぎ」
「絶対そんなわけないじゃんって思ってたけど、もしかしたらって可能性出てきた」



「大丈夫、誰も責めるわけじゃないから――」
「そんなわけないじゃん!! ならなんで居残りなんてさせられてるの、あたしたちが悪いと思ってんでしょ!!」
「そんなこと……」
「うちら知らないって!! ほんとに『心理テストみたいなのしてもらっただけ』なんだってば!!」



「ふーん、チューリップの花? そっかあ、なんか子供っぽー」
「えっ……う、植えたから。美化委員の活動で……」
「あー、そんなことやってたっけ。いっつもマジメだよねえ。うちサボってばっかり」
「あたしもー」
「ち、ちゃんと行かないと」
「大丈夫大丈夫、案外誰かがやってくれんだって。私行ったことないもん」
「……………」

「ほら。ペン、進んでないよ。
 最後の欄、空じゃん。
 願い事って、なんかあんの?」



「……なにそれ」
「知らない。うちのポストに入ってたんだよね。でもなんかかっこよくない? チラシって見たらわかるやつ多いけど」
「中何入ってんのそれ」
「……はい。『あなたを *フタハナ* にご招待します』って」
「招待? ……書いてないよね、住所とか」
「送り返すやつでもないよね、叔母さんの結婚式ので見たけど違うもん」
「このアンケートに……… アンケート? これ」
「心理テストじゃない、どっちかっていうと」
「人んちのポストに勝手に入ってる心理テストって何?」

「これさあ。話聞いたことあるかも。……『人さらいの手紙』じゃない?
 テストの結果によってどっかに連れてかれるってやつ」
「あんたほんとそういうのばっか詳しいよねー。……招待ってそーゆーこと? そんなわけないじゃん」
「えっ……じ、じゃあ書いてみればいいんじゃない? 信じてないんならできるでしょ」
「なんで私がやんのさ。知ってんならそっちがやりゃいいって。

 それかさあ。
 やりたくないけどどうしても気になるってんなら、やってもらえばいいじゃん。
 どうせこんなのニセモノだって。ちょっと怖がらせるだけで、なんもないんだから」


「あ、来た来た。
 花ー?」




R18、R18Gはだめだと思った時点で暗転措置されます ご了承ください(可能な限りがんばります)
Gのほうが許容範囲がずっと広いです。
イラスト:Picrew「のえメーカー」様(https://picrew.me/image_maker/535225)