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No.246 真柊
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age:27
sex:male
height:175cm
weight:62kg
Trend:理由があれば
Favorite:弟、音楽
Hate:なし
Comment
真尋もりょうじ君もご飯たんとお食べ
【Battle_Log】
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芦花 真柊(ロカ マシュウ)
都心の探偵社に務める会社員。
身体が燃え盛っている。




音の還る場所 

「消えた天才」「かつての神童」。
大抵の場合、こういった人種は一時話題となり、すぐに人々の記憶から消える。
最近の名をなぞるならば、ヴァイオリニストの宮野茜(18)、ピアニストのカチェリーナ・パヴリチェンコ(15)、
などが幼いながらに奏でるその成熟した音楽で話題となったが、学業に専念するということで、音楽活動を自粛すると発表した。
そして、きっと覚えてる人も少ないだろう。あれは10年も前の話だ。
かつて私が記事に書けるような新星を探し、方々のコンクールを回っていた時、彼に出会った。
ジュニアコンクールで名を馳せ、17歳で帝都音楽コンクールに出場したのを最後に、舞台から姿を消した、芦花真柊。
名前を見て、あっと思った方もいるだろう。そう、天才ヴァイオリニスト芦花真尋の兄だ。

繊細で優美なタッチ。純粋で誠実な柔らかい音。
時折酷く緊張した様子を見せるが、ピアノの前に座った彼は、例えるなら彼は子供部屋のベッドをそのままステージに持って来たかのような演奏をした。
彼が中学生の頃の、あの素晴らしいショパンはまだ耳に残っている。コンクールで、その演奏が終わった時席から立ち上がって舞台から見えるように拍手をしたことも。
遠く懐かしい風景を近くに呼び寄せ、観客から愛された指先は、妖精が見せるひと時の夢のようにも思えた。

そして10年が経った。27歳になった彼はこの先、一体どんな音楽を紡いでいくのだろう。私はまだ聴けていない。
彼らは、その時確かにそこにいて、けれど今は音楽から離れていった。
見届けたいというのは、この業界に長くいる老人の勝手な願いでしかない。
音楽を愛する人々は星の数程いて、彼らがいなくなったところで音楽が消える訳ではない。
けれど私は、彼らの音楽をまた聴きたいと願っている。

彼らは、まだ弾きたいと思っていてくれるだろうか。

著者:安田透
東京藝術大学 音楽学部教授



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昔ピアノのコンクールで見た、都心で働いている、実は近所だ、など既知設定OKです。