Line
No.51 金成 ぺろり
main_img
age:煩い
sex:──
height:関係ない
weight:知らない
Trend:理由があれば
Favorite:何もない
Hate:世界
Comment
闇に消え行く。
【Battle_Log】
Line
ぺろりが選んだ人生、「誰の頼みもなくアタシで動く事」。

ようやく叶ったね。

金成 ぺろり
29歳、身長169cm
父親マタギ、母親元アーティスト。
学生時代にイジメを受け、屈しないように不良へと変貌する。
持ち前の根性でイジメをはねのけていたが、鬱屈とした精神を持つようになった。
卒業すると誰かを助けたいと思い医者を目指す。
その夢は叶うものの、ある時同僚の汚職の濡れ衣を着せられクビになった。
姿をめちゃくちゃに変えて生活していた所事務所からスカウトをされアイドルに。
社長から決められた方針、決められたキャラクターを続け大ヒット。
ただしアイドルが飽和状態になるとアダルト業界に売り飛ばすと宣言された。

何もかも、許せなかった。
この世界の不条理にも、人間の身勝手さにも。
心が限界を迎えた時に目に入ったのが招待状。
ほんの少し、「あまい夢」が見られるかもしれない……。
そんな淡くて救いのない期待をしていた。

夥しい数のニュース
××県の××市にある森の奥で血まみれになり倒れている女性を発見しました。
通行人の通報により病院に運ばれましたが昏睡状態にあるとの事です。
女性が何らかの事件に巻き込まれたとみて捜査を進める方針です。

【昏睡状態の女性、目を覚ます】
×月×日××時、血まみれで倒れていた女性が昏睡状態から目を覚ましたとの事。
病院によると現在意思疎通を図るのは困難のようだ。
そして不可解なのは女性の体が不思議な作りをしているらしく、
医師によると「まるで性別がないようだ」と発言した。


LAST EPISODE

アタシはまた死に損なったみたい。
まるで体の中から外を覗いてるみたいで体は動かないし声も出ない。
でも考えてる事は出来るんだ。
ここは東京で花咲大学病院という所らしい。
看護師さんはアタシの体を見てからどう扱っていいのか困惑してた。
それでも何も言わない動かないアタシを車椅子に乗せて雑談をしてくれるけど。
病院のニュースを聞いたら「ペロリーヌ☆キティ3世」が失踪扱いになっていた。
ファンも泣いてて事務所のコメントは薄っぺらかった。

………島のみんなは幸せになったのかな。
アタシは死に損なったみたいだけど面白いなら笑えよ。
あの島の時みたいにさ。

8月18日 2時38分
少しだけ動けるようになった。
看護師さんに名前を教えてと聞かれてた。
"アタシ"は消えた存在だから新しく名前を考えなくては。
ふと誕生日を思い出す。確か時間まで教えてくれたっけ。

それは"アタシ"から"僕"に変わっても残された、唯一の生きてる証。

『八十八 文也』

僕はそう名乗った。


八十八文也の記録
入院してから時間が経った。あの時よりは回復していると思う。
僕が見つかった時瀕死だったらしく、まだ車椅子生活を続けている。
治療が遅かったから何かしらの障害は残るかもしれないと言われた。
死に損なった代償。どうして僕は死ねなかったんだろう。自殺なんて罪を犯したからか。

相変わらずペロリーヌのニュースは絶えない。
このまま謎に包まれて迷宮入りになってほしい、もう世界に振り回されたペロリーヌはいないから。
ユメとライブをした事も、自殺ライブをした事も、全部。
「金成ぺろり」は一時の夢、泡沫の夢、そんな存在で良かった。
僕は「八十八文也」としてこの不条理な世界にある少しの自由を生きる。
……セイガと名を明かしていた少年は今も生きてるだろうか。
あんなに死にたがっていたが生きる理由を見出したのだろう。
僕の異能で彼をずっと振りまわしてしまった。
あのクソみたいな島から出られたのなら─、僕の事は忘れて幸せになればいい。
あの少年は若いのだから空っぽだなんて言わずに色んなことを見て学んで…。
少年もいずれは大人になって誰かと人生を歩むのだろう。
なら"異能で振りまわした"僕の事は忘れて未来を歩んでほしい。
都合よく振りまわして、振りまわされて、手を汚した僕に幸せなんて訪れないのだから。

これからの僕の人生は輝いていたアイドルとは違い、日陰を生きるのだろう。
家族も戸籍も何もない存在になったのだから闇の中を歩いていく。
死に損なった、手を汚した、救いの手を振り払った罪を背負って。

──ただ少年の幸せそうな姿は少し、見たかったかもね。


もしも望むなら
もしも貴方が望むなら東京にある大学病院に行けば会うことは出来るだろう。
ただし「金成ぺろり」ではなく「八十八文也」の姿だ。
金成ぺろりは行方不明で時の流れで忘れ去られていく。
八十八文也は退院すれば闇の中に消え、もう会う事は二度とない。
彼は、彼女は、陽炎のような存在だった。


【ぺろりの書き置き】
ノミ、イホリ、ギルバート、ぼく、ユメ、ヒバリ、ナナオ、ヒルフェ

世話になったヤツら。アンタらは幸せにな。



























街のどこかで噂が流れる。
とあるサイトでパスワード88を入力すると裏サイトが出現し、
掲示板に死にたい理由を書き込むと優しい死を与えてくれる死神が居ると。